国际法の现在 変転する现代世界で法の可能性を问い直す
本书は、国际法が困难に直面する时代に编まれています。より大げさに言えば、危机の时代に编まれていると言って良いかもしれません。このことは、出版された2020年、现下の新型コロナ祸の最中に出版を迎えるという时局的意味に止まりません。
本书は元々、2017年~2019年の『法律时报』9月号における3つの特集を元に、若干の新しい原稿を加えて书籍としたものです。それぞれの特集内容は「『国际立法』の现在」、「国际刑事法の现在」、「国际経済秩序をめぐる法动态」でした。
本书は、国际法に関わる诸分野を隈无く网罗しようとしたものではありません。むしろ焦点を绞り、现在における国际法の、野心的部分とそれ故の悩み、地平を切り开く试みとそれ故の困难を积极的に採り上げました。そのような仕方で、国际社会における法の在り方全般に通底する特性を见通そうとしました。もとより、法创出?形成过程に関する「国际立法」も法の実现过程に関する「国际刑事统制」も原理的にいえば、分権社会においては到达し得ぬ极北であります。现代は国境を超えて各地域を结びつけるグローバル化の最中にありますが、しかし分裂のない「国际経済」社会も见通せず、グローバル化それ自体が分裂の象徴でさえあります。本书の论者达は、こうした状况における法の可能性につき、「曲がり角」「矛盾」「课题」「萌芽」等、様々に语っています。
野心とそれに伴う困難は、とりわけ関連する組織において明瞭に見られます。法は、一方で自覚的な社会統制の技术ですが、同時に、そのような社会技术を行使することによって他ならぬ「我々の社会」自体の構成的特徴となり、それは組織化の契機となっています。「法」を自覚化させる国際法委員会と、高度に組織化?法化が進んだ国際刑事裁判所と国際貿易機関が本書の主要な考察対象になっているのは、自然な帰結といえます。そしてまた、それぞれの組織が生み出されたときの栄光と、現在抱える悩みと困難が、まさに「国际法の现在」となっています。
本书の元になった诸论考の媒体は学术月刊誌であり、性质上、「现在」を切り取る试みと言えましょう。従って、他の多くの媒体における场合と同様、细かい情报については日をおくごとに古くなっていくことは否めません。しかし、2010年代の终わりの数カ年と2020年というこの时代に、共通の时代状况を前にした「现在」への试み、各论考に通底する见方自体はいつの时代にも共通のものであり、従って、より长く后世の学术の展开にとって有意义な叡智を下支えするであろうことを确信しています。更に言えば、本书は、国际社会における法の可能性に関するこうした野心や困难、悩みに惹き付けられつつ编まれており、思虑深く多様な立场の诸论考に刺激されつつ、多くの読者がその试みに参加することを希望しております。
(紹介文執筆者: 法学政治学研究科?法学部 教授 寺谷 広司、伊藤 一頼 / 2021)
本の目次
第1部 「国际立法」――法创出?形成过程の地平
第1章 国际法委员会の70年と新たな倾向――国际法の渐进的発达と科学的知见&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;村瀬信也
第2章 国際立法と方法論――国際立法と国際法学……吉田 脩
第3章 国连安全保障理事会は「国际立法」権限を簒夺したのか?
――国际テロリズムと大量破壊兵器の不拡散をめぐって&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;佐藤哲夫
第4章 国际司法裁判所と「国际立法」――グローバル化时代の国际社会におけるその意义&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;酒井启亘
第5章 国际法委员会による国际立法と法政策
――国家责任条文による対抗措置に対する法的规制の试みを例に&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;岩月直树
第6章 惯习国际法と强行规范に関する国际法委员会「结论」
――「国际立法」の公理(础虫颈辞尘)と定理(罢丑别辞谤别尘)&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;根岸阳太
第7章 条约解釈における「后の合意」と「后の惯行」に関する滨尝颁结论草案&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;阿部克则
第8章 「国际立法」を通じた海洋法秩序の形成と発展&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;西本健太郎
第9章 国际経済法における国际立法――滨尝颁による立法の可能性&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;福永有夏
第10章 灾害时の人の保护&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;植木俊哉
第11章 环境分野の国际立法――その特质と课题&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;高村ゆかり
第2部 国际刑事秩序――法実现过程の地平
第12章 国际刑事裁判所の现在&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;尾﨑久仁子
第13章 国際刑事裁判所における証拠法――各国の証拠法との比較分析……成瀬 剛
第14章 国際刑事裁判所の新たな課題――侵略犯罪に関する公判について……洪 恵子
第15章 人道に対する犯罪の法典化の系谱&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;竹村仁美
第16章 人道に対する犯罪に関する引渡しか诉追かの义务
――国际法委员会「人道に対する犯罪の防止及び処罚に関する条文草案」を素材として&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;広见正行
第17章 混合法廷&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;野口元郎
第18章 国际司法裁判所と国际刑事裁判所――手続的観点からみた协働と补完&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;石塚智佐
第19章 国家の刑事管辖権&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;竹内真理
第20章 政府职员の外国の刑事管辖権からの免除&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;坂巻静佳
第21章 国际経済法と越境刑法の相互作用&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;石井由梨佳
第22章 人権の国际保障における刑事的规律
――国际人権法と国际刑事法の构造的同一性と展开の诸态様&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;寺谷広司
第3部 国际経済秩序――変転する生活秩序における法动态
第23章 国家安全保障と通商制限&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;松下満雄
第24章 奥罢翱上级委员会危机と纷争解决手続改革
――多国间通商システムにおける「法の支配」の弱体化と今后&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;川瀬刚志
第25章 贸易とその败者をめぐる法动态
――国际贸易体制の「最大の试练」はいかに克服しうるか?&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;北村朋史
第26章 厂笔厂协定の下での予防的国内措置&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;堀口健夫
第27章 グローバルな経済秩序における自由……郭 舜
第28章 国际経済秩序の転换と立宪主义――危机の时代か変化の时机か&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;伊藤一頼
第29章 グローバル経済秩序と「持続可能な開発目標」……内記香子?三浦 聡
第30章 EUの移民規制……大西 楠?テア
第31章 ビジネスと人権――ソフトローの役割&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;吾郷眞一
第32章 投资仲裁と常设投资裁判所――投资纷争解决制度をめぐる分裂と统合&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;须网隆夫
第33章 情报?データの越境流通&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;铃木将文