経済学史 経済理论诞生の経纬をたどる
経済学はとっつきにくい学问かもしれません。ひとつには、経済学の学习を进めるにつれ、复雑な数式と抽象的な理论がどんどん出てくることにあります。それらは、理论分析の手段であり、経済现象の説明において不可欠なものです。その点、経済学の教科书は、理论を简洁明瞭に説明する点でメリットがあるものの、ややもすれば抽象的で、人によってはとっつきにくく感じてしまい、兴味を持てないでいる场合もあろうかと思います。経済学のような高度に分析装置が発达し、その理论モデルの抽象度の高い学问の场合は、とくに、その学问に対する好奇心や兴味を涵养することが重要だと思われます。
それら経済学のとっつきにくさという问题を解决する一助になるのは、経済学の歴史を振り返り、経済理论をそれが生じた时代背景とともに理解することです。一见すると抽象的な経済理论も、経済学者がその时代が直面していた社会の问题と向き合うなかから生み出したものです。また、それを生み出した経済学者は意识していなかったとしても、経済理论が生まれた背景には、その理论の诞生を必要とするような大きな时代の要请があるものです。経済学史を振り返ることは、経済理论の位置付けを知ることであり、経済理论の地図を理解することです。その地図を理解することは、そのような経済现象を把握するうえでの困难を解消する一助になります。経済学の歴史を振り返ることは、経済理论の生きた理解につながります。とっつきにくかったり、わかりにくかったりする経済理论も、その时代背景とともに理解すると、腑に落ちるようになります。
本书は、大学での経済学史の教科书として用いるのに适したように执笔されましたが、経済学とは何かを知りたい一般の方にとっても、大変有益であると自负します。本书を読むことを通じて、経済学の见取り図を得ることができるでしょう。留意したのは、初学者にとってもわかりやすい説明であることです。类书との违いとしては、幅広いトピックをカバーしていることです。古代?中世の経済思想、マルクス経済学についても等闲に扱うことなく解説していること、行动経済学を含む最先端の现代経済学についても详しく説明していることです。本书は叁人で分担されて执笔されています。类书では、一人でカバーするか、大势の人で分担执笔するかという形が多いようです。それぞれにメリットもあるのですが、问题は、一人で书く场合広大な経済学史のトピックの一部しかカバーできないこと、大势の人の分担执笔であると叙述が断片的になりがちになることがあります。本书は、叁人の専门家が、それぞれ専门およびそれに近い领域をカバーすることで、専门性に基づき、かつ広范なトピックをカバーする叙述を可能にするとともに、分担者を最小限に抑えることで、叙述としての一贯性?読みやすさに配虑しました。
(紹介文執筆者: 経済学研究科?経済学部 准教授 野原 慎司 / 2020)
本の目次
第1章 古代?中世の経済认识
第2章 重商主义
第3章 重农主义
第4章 古典派経済学の形成:アダム?スミス
第5章 古典派経済学の展开:リカードウ、マルサス
第6章 古典派経済学の完成:闯?厂?ミル
第7章 大陆経済学の形成:フランスとドイツとオーストリア
第2部 変革期の経済学
第8章 マルクス学派の始まり:マルクスのポリティカル?エコノミー批判
第9章 一般均衡理论:ワルラス
第10章 イギリスの限界革命:シャボンズとマーシャル
第11章 マルクス学派の展开
第12章 20世纪前半の需要理论:ムア、ヒックスとアレン、サムエルソン
第3部 现代の経済学
第13章 20世纪半ばの计量経済学:フリッシュ、ティンバーゲン、コウルズ委员会
第14章 ゲーム理论の始まり
第15章 20世纪半ばの一般均衡理论
第16章 行动経済学の由来:期待効用理论からプロスペクト理论へ
第17章 有効需要论の発展:ケインズと滨厂-尝惭モデル
第18章 経済成长理论の歴史:ソローを中心として