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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に木の陰のような絵

书籍名

パスカル?キニャール?コレクション さまよえる影たち 摆最后の王国1闭

着者名

小川 美登里、

判型など

202ページ、四六判、上製

言语

日本语

発行年月日

2017年3月6日

ISBN コード

978-4-8010-0223-7

出版社

水声社

出版社鲍搁尝

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本書はフランスの現代作家パスカル?キニャールのライフワークともいえる「最後の王国」シリーズ (現在、フランス語では第10巻まで刊行中) の第1巻として2002年に刊行された。キニャール作品は映画化された小説『世界のすべての朝は』(最初の翻訳と映画では『めぐり逢う朝』) や『アマリアの別荘』をはじめ、数多く日本语に翻訳されてきたが、2016年12月から水声社より「最後の王国」シリーズを中心に、小説『約束のない絆』、短編集、ダンス論 (『ダンスの起源』、原題L'Origine de la danse)、イメージ論 (『はじまりの夜』、原題 La nuit sexuelle) などを含むパスカル?キニャール?コレクションの刊行がはじまった。このラインナップからもわかるように、キニャールはいわゆる物語作家の枠組みをはるかに超えた幅広い活動を行なっており、最近では自ら舞台を制作し出演したり、ピアノ?コンサートを開催したりと、人生そのものをそっくりすべて創作に捧げているという印象を持つ。「最後の王国」シリーズはそんなキニャールの集大成であり、本人が述べているように、「物語や小論、肖像、読書、回想、さらには哲学から語源、歴史から音楽にいたるあらゆるジャンル」を使い、「あらゆる形式」を駆使した奇書である。この奇書に、百年以上の伝統を持ち、通常なら小説作品を対象とする権威あるゴンクール賞が与えられたのは大きな事件だった。
 
本书は断章形式と言えそうな短い文からなる55の章で构成されており、そこには一贯した物语の流れはなく、影すなわち闇に潜む死者たちに関する古今东西の文学--神话や口承、音楽、歴史、个人的回想などを含む広い意味での文学--からインスピレーションを得た、混交的な文学空间が打ち立てられている。そこは「最后の王国」という名にふさわしい、死者も生者も时间や空间の隔たりを超えて交流する场所であり、キニャールはそこで自分が暮らす社会から距离をとり、隠者--「死者」と言ってもよいかもしれない--となる。「世界の片隅に生きること。世界の死角に--そこでは普段见えているものが见えなくなる。」本书に収められたこの言叶こそ、「最后の王国」を表す最も的确な言叶ではないだろうか。そこでは「普段见えているものが见えなくなる」と同时に、普段见えていないものが见えてくる。少し大仰な言い方をすれば、本书は、何もかもが明るい现代社会において、闇の世界へのひとつの入り口となっていると言えるだろう。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 准教授 桑田 光平 / 2019)

本の目次

1. (ドイツ人の女)
2. (性的快楽の影)
3. (第三者)
4. (バーミヤンの仏陀)
5. ノルトシュトラント
6. (われわれ)
7. 乳飲み児
8. (最後の王国)
9. 壷
10. (不在の女)
11. 明日
12. (馬)
13. 小舟
14. (曇天)
15. 影
16. 2001年の目録
17. (テレヴィジョン)
18. 1638年5月14日のサン=シラン氏の逮捕について
19. (プルートー)
20. (モガドール)
21. 芯切りばさみ
22. (場所)
23. (曙光の出る場所)
24. (曙光のなかの靄)
25. (ヨンヌ川)
26. 諸世紀にわたる不滅の王
27. 聖バルテルミーの虐殺
28. 最後の別れ
29. 韓愈
30. ウェスタに仕える巫女
31. (泥)
32. ライデンの教会
33. 闇のあとに
34. 敗者
35. (ヴァンセンヌ城の主塔)
36. 裸足の読師
37. テロル
38. (王の入江)
39. (サン=シラン)
40. (ランスロット)
41. (ド?メルヴェイユ氏)
42. 手押し車
43. (僧院)
44. (ベルグハイムからフランクフルトへ向かって)
45. (夢)
46. (狩人)
47. エミリー
48. 歴史
49. (不可侵権)
50. (前浜)
51. 花々の中に溢れかえる流れについて
52. (マルカントワーヌ?シャルパンティエ)
53. もうひとつの王国
54. (エルサレム王国)
55. ソフィイウスの最期
 

関连情报

原作は2002年にフランスの文学赏であるゴンクール赏を受赏。
 
书评:
塚本昌則 (東京大学教授) 評 2017年回顧 フランス文学刊行されるコレクションの形となったその一部に驚かされることが何度も (週刊読書人ウェブ 2017年12月24日)

 

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