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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に歴史的書物や人物の写真

书籍名

文化财としてのガラス乾板 写真が纺ぎなおす歴史像

着者名

高橋 則英、

判型など

272ページ、叠5判、并製

言语

日本语

発行年月日

2017年4月

ISBN コード

978-4-585-22173-9

出版社

勉诚出版

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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史料编纂所には、現在約13000枚のガラス乾板が収蔵されている。1969年の東大紛争のあおりを受けたことで、収蔵の秩序も失われ、不本意ながら40年以上も放置に近い状態にあった。本書は、この膨大な乾板コレクションを、学術資源として、かつ歴史的な文化財として再生させるための試行錯誤を記録したものである。まだその作業は緒についたばかりだが、その経験と課題を現時点で総括することで、関係する学会?組織?研究者と意識を共有することを目指している。
 
史料编纂所の最大のミッションは、日本史の基幹史料集を編纂?刊行することにある。典拠となる史料を求めて日本全国を調査する作業は、明治20年代に本格化し、今日まで継続している。史料採訪 (さいぼう) と呼ばれるこの作業は、当初から史料原本を集めるのではなく、厳密な複製を作成?集積することで進められてきた。複製技术は、時の流れとともに、人手による複写から写真技术へと移り、現在のデジタルデータ作成に至る。この130年に及ぶ歩みのなかで、最も長い期間を用いられた技法が、ガラス乾板による撮影であった。日本でその普及が始まった明治30年代から、昭和30年代に至るまで、実に60年余にわたり、ガラス乾板は最も信頼すべき複製装置とされてきたのである。しかし、扱いやすいフィルムにとって代わられると、重く大きなガラス乾板は次第に面倒な存在と化し、収蔵庫の隅に追いやられて長い時を過ごすことになったのである。
 
こうして忘れられたはずの存在に、なぜ今もう一度注意を向ける必要があるのか。その大きな要因は、学问をとりまく社会の変动だろう。未曽有の少子高齢化や都市への人口集中などによって、家?集落?社会的集団といった従来の基本単位は脆弱となり、あわせてそこに伝来した史料群も湮灭することが常态となってしまった。东日本大震灾に代表される自然灾害の続発も、こうした流れに追い打ちをかけている。かつて存在していた史料が、急速に消灭しつつあるなかで、精密に作成された复製群は、その立ち位置を変えつつある。ガラス乾板に写された史料には、现状所在不明のものが多数含まれており、既にその像が唯一无二であることが少なくない。歴史学の土台が脆弱化するという悲剧の进行のなかで、皮肉にも复製としてのガラス乾板の贵重性、文化财としての希少性が认识されるに至ったのである。
 
他方で、ガラス乾板そのものの劣化という事态も、急ぎ対応を迫るものになっている。新しいものでさえ凡そ50年を経过したことにより、物理的に様々な症例が発生している。写真専门家による最新の保全作业を急がなければ、唯一无二の像もまた消灭してしまいかねない。多岐にわたる症例をどのように措置するのかという课题に向き合いながら、写された図像を可能な限り高精度で復元し、いかに学术利用に供するかも问われている。
 
本书は、ガラス乾板の保全という课题を通して、歴史学が抱える危机を、写真学はじめ関连诸学の支援を得ることで、いかに突破してゆくべきかという格闘の记録である。歴史学のみならず、人文学?隣接诸科学における同様の取り组みも绍介することで、异なる视点からのアプローチの存在にも留意した。いま学问の直面する危机?课题を読者に共有していただければ、幸いである。
 

(紹介文執筆者: 史料编纂所 助教 井上 聡 / 2017)

本の目次

総论
 第1章 ガラス乾板の歴史と保存の意義 (高橋則英)
 第2章 写真と歴史学―東京大学史料编纂所の活動を中心にして (谷 昭佳)
 第3章 写真史料を保存へ導くために (白岩洋子)
第滨部 ガラス乾板の保全と活用
 第4章 ガラス乾板の史料学―整理保存と調査による研究資源化の実際 (谷 昭佳)
 第5章 ガラス乾板の取り扱い (竹内涼子?高橋則英)
 第6章 ガラス乾板用保存箱の製作 (谷 昭佳?高山さやか?竹内涼子)
 第7章 ガラス乾板の劣化例証 (竹内涼子)
 コラム1 ガラス乾板の「膜面返し」とコロタイプ印刷 (谷 昭佳?高山さやか)
 コラム2 ガラス乾板の劣化について―ガラスの組成分解について (山口孝子)
 コラム3 損傷したガラス乾板の処置と修復 (三木麻里)
第滨滨部 ガラス乾板の情报化
 第8章 ガラス乾板のデジタル情報化―デジタル撮影とメタデータの作成 (高山さやか)
 コラム4 ガラス乾板のスキャニングについて―京都国立博物館の取り組みから (岡田 愛)
 コラム5 ガラス乾板に関するデータはどこに向かうのか (山田太造)
第滨滨滨部 ガラス乾板蓄积の経纬とその背景
 第9章 東京大学史料编纂所における歴史史料の複製とガラス乾板 ()
 コラム6 日本史研究におけるガラス乾板の意義―保阪潤治コレクションから (木下 聡)
 第10章 博物館と文化財写真―奈良国立博物館におけるガラス乾板整理の経験から (宮崎幹
  子)
 コラム7 東京大学経済学部資料室所蔵のガラス乾板―横濱正金銀行資料から (小島浩之)
 コラム8 文書館におけるガラス乾板の蓄積と公開  (新井浩文)
附録
用语集?写真関连规格一覧?写真感光材料の标準寸法に関する一覧表?参考文献一覧?ガラス乾板に関する情报?画像を公开している国内の主な机関?保存用品取り扱い业者一覧
おわりに (久留島 典子)
 

関连情报

绍介记事:
「大量の「ガラス乾板」生かすには 歴史や技术 研究者らが本」朝日新聞関西版 (夕刊)、2017年7月12日

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