超伝导量子コンピュータにおける新しい2量子ビットゲート方式の発明?実証――製造ばらつきに対する高い耐性、超伝导量子ビットの集积化を加速へ――研究成果
発表のポイント
- デコヒーレンスの原因となる磁场を用いることなく、超伝导量子ビット作製时の周波数ばらつきに强い耐性を持つ新しい2量子ビットゲート方式を発明?実証した。
- 超伝导量子コンピュータの基本素子として有力视される単一接合トランズモン量子ビットを用いて计算する际、误りの原因となる残留相互作用をゲート速度の犠牲なく逓减できることを世界で初めて见いだし、実験的にも実証した。
- 単一接合トランズモン量子ビットの课题であった製造时の周波数ばらつきに対する脆弱性や残留相互作用の问题を解决し、近年発展を続ける超伝导量子コンピュータの开発において量子ビット数増加のさらなる加速に贡献することが期待される。
発表概要
东京大学大学院総合文化研究科の白井菖太郎大学院生、大久保裕太大学院生(研究当時)、野口篤史准教授、理化学研究所量子コンピュータ研究センターの中村泰信センター長らの研究グループは、コヒーレンス時間(注1)の長さと配線の簡便さで優れる超伝导量子ビットの一種である単一接合トランズモン量子ビット(注2)において、長年課題であった量子ビット製造時の周波数ばらつきに対する脆弱性と量子ゲート(注3)の精度を低下させ計算中の誤りを生む残留相互作用(注4)の問題を克服する、新しい2量子ビットゲート方式を発明しその動作を実験的に実証しました。
本成果は追加の磁场制御配线を导入せずに高速なゲート操作と残留相互作用低减の両立が可能であり、希釈冷冻机(注5)内部で扱うことのできる量子ビット数を将来的に増やすことを通じて、次世代の社会基盘技术となることが期待される量子コンピュータの开発に贡献します。
本研究成果は、2023年6月29日(米国東部夏時間)に国際科学誌「Physical Review Letters」のオンライン版に掲載されました。
発表详细
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発表者
野口 篤史(准教授)〈兼:理化学研究所 量子コンピュータ研究センター ハイブリット量子回路研究チーム(チームリーダー)〉
白井 菖太郎(博士課程)
大久保 裕太(研究当時:修士課程)
理化学研究所 量子コンピュータ研究センター
中村 泰信(センター長)〈兼:东京大学 大学院工学系研究科(教授)〉
论文情报
Shotaro Shirai, Yuta Okubo, Kohei Matsuura, Alto Osada, Yasunobu Nakamura, Atsushi Noguchi, "All-microwave manipulation of superconducting qubits with a fixed-frequency transmon coupler," Physical Review Letters: 2023年6月29日, doi:10.1103/PhysRevLett.130.260601.
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