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「人间性の再兴」:波澜の时代において 社会分断やデジタル革新が加速する中、人类の叡智をいかに结集できるか――。东京フォーラム2023で、その道筋を探る

掲载日:2024年2月22日

Shaping the Future
「未来を俯瞰する」と题した総括セッションに临む日韩の学生、藤井辉夫総长(写真右)と司会を务めた铃木一人教授(写真左)。学生の代表は(左2人目から)、ソウル大学のチェ?カンウさん、延世大学のオ?スジさん、东京大学の饭森栄治さん。

「東京フォーラム2023」が11月30日(木)と12月1日(金)、東京大学と韓国?崔鍾賢学術院(Chey Institute for Advanced Studies)の共催で開かれ、「社会的分断とデジタル革新の時代における人間性の再興」をテーマに、約40人の識者が示唆に富む活発な議論を展開しました。一般参加者が安田講堂で議論に耳を傾けたほか、世界各国からオンラインでの視聴がありました。

東京フォーラムは、「Shaping the Future (未来を形作る)」を包括的なテーマとして、2019年から毎年、開催されています。今回は、地政学的な緊張の高まりによる分断と争いが加速する中、開催されました。また、AIをはじめとするデジタル技術の進展で、機械?技術と人間の境目が曖昧になり、改めて「人間とは何か」という問いが切実になっています。

FUJII Teruo
藤井辉夫?东京大学総长

藤井辉夫総长は开会挨拶で、このような波澜の时代における大学の役割に触れながら、本フォーラムの意义について语りました。「地政学や技术をめぐる状况がさらに复雑になる今、高等教育は(国际情势や技术革新をめぐる)世界的な议论に积极的に関与、参加しなければなりません。大学は、行政や民间部门など社会のさまざまな部门からの知恵と见识を集结させる、中心的な役割を果たし続けなければならないのです。このミッションは、多様な分野の専门家が一堂に会し、协働することでのみ达成することができます」

Chey Tae Won
チェ?テウォン厂碍グループ会长

チェ?テウォン厂碍グループ会长は同じく開会挨拶で、「韓国と日本は強固な協調体制を組まなければなりません。半導体、電気自動車用バッテリー、医薬品、再生可能エネルギーなど、両国が得意とする分野で協力する機は熟しているのです」と強調しました。両国が積極的に世界市場に関与するのは、「経済成長に寄与するという意味だけではなく、まさに生き残りのため」とも言い切りました。

人间性を俯瞰する:社会学、心理学、地政学の観点から

今回の基调讲演は、タイ?チュラロンコン大学政治学部のスリチャイ?ワンゲオ名誉教授、米国?カリフォルニア大学バークレー校心理学部のアリソン?ゴプニック卓越教授のほか、日本からは东京大学未来ビジョン研究センターの藤原帰一名誉教授(千叶大学学长特别补佐を兼任)が、それぞれの视点から「人间性の再兴」について行いました。

Surichai WUN'GAEO
フォーラム第1日目で基调讲演する、チュラロンコン大学のスリチャイ?ワンゲオ名誉教授。

社会学を専门とするワンゲオ名誉教授は、地域単位で协力体制を构筑する重要性を説きました。人类史を振り返れば、协力行动は人类の生き残りや発展のために不可欠なものです。ワンゲオ名誉教授は地域単位の协力が键になる例として、タイ北西部のミャンマー国境近くに设立されたメータオ?クリニックと、メコン川流域のダム建设计画を上げました。

メータオ?クリニックは、ミャンマーから逃れた人々に必要な医疗を提供しています。特に、ミャンマーで民主的に选ばれた政権を転覆した2021年の国军によるクーデター以降は、同国からの难民が急増しており、同地域での协力体制が重要になっています。一方、ダム建设计画については、生物多様性の减少など深刻な环境破壊が悬念されています。しかも、メコン川は中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを流れる国际河川で、一国だけではダム建设がもたらす环境负荷を食い止めることは困难です。

ワンゲオ名誉教授は、「これらの例を挙げたのは、我々の未来を考えるためです。地政学的な要素だけではなく、知识にもとづいて、いかに我々の未来を形作っていくかを议论しなければなりません」と述べました。その上で、「知识醸成や世界のガバナンスに関与することで、ビジネス、人権、新しい世代への责任、地球の将来など诸问题を网罗する、大まかな协力体制を作ることができるのです」と强调しました。

ゴプニック教授(心理学)は、「最新の人工知能(础滨)がどの程度、子どもの学习过程を模倣できるかの検証」や「础滨に子どもの学习方法を习得させる戦略」をテーマとした自身の研究成果を绍介しながら、「人间性」について示唆に富む考察を披露しました。「我々が知る限り、子どもたちはこの世の中で最も学习能力が高いのです。子どもは、未知なる世界を探索することにより知识を得ます。これは、経験则にもとづいて行动する倾向が强い成人と対照的です。子どもの学习において加えて重要なのが、両亲の养育と、文化などの情报伝达に役割を果たす祖父母の関わりです」

Alison Gopnik
「プレナリートークセッション」にオンライン参加した、カリフォルニア大学バークレー校のアリソン?ゴプニック卓越教授。

ゴプニック教授が绍介したのは、「ブリケット探知机」と呼ばれるオンラインゲームを使った、础滨と子どもの比较研究です。4歳児と、强化学习と生成础滨の2种类の础滨システムを対象に、ゲームの游び方を习得するそれぞれの能力を调べました。その结果、颁丑补迟骋笔罢(チャット骋笔罢)のような大规模言语モデル(尝尝惭)は、文章の生成に优れた性能を発挥しますが、世の中の事柄について新しい情报を探索?获得することは苦手ということが判明しました。「つまり、础滨は情报を伝达、探索、発见する能力が乏しい一方、子どもたちはこれらの能力に长けているのです」と、ゴプニック教授は指摘しました。

FUJIWARA Kiichi
「プレナリートークセッション」で発言する、藤原帰一名誉教授。

一方、藤原名誉教授(政治学)は、イスラエルとハマスの武力衝突や、ロシアによるウクライナ侵攻、米中対立の激化など、世界の二极化や分断による地政学的紧张について见解を述べました。现在の戦争や紧张を引き起こした要素として、1)中国の勃兴と覇権国家米国の衰退、2)ビジネス?贸易への国家干渉の復活(経済と地政学の融合)、3)リベラルな国际秩序を衰退に导く反エリート主义と反グローバリズム、の3点を挙げました。また、今后も米国や中国、ロシア、イスラエルの衰退で、国际情势はさらに不安定化するとも予想し、「これを防ぐには、戦争を止めることしかありません。和平が重要なのです」と强调しました。

基调讲演に続く「プレナリートークセッション」では、佐藤仁?东京大学东洋文化研究所副所长?新世代アジア研究部门教授がモデレーターとなり、3人の讲演者が议论を展开しました。専门分野が异なる讲演者を议论の俎上に载せるために、佐藤教授は「子どもが持つ协调的で利他的な関係性を、いかに国家、地球レベルの関係性にも拡大させることができるか」と问いかけました。

ゴプニック教授は、「その問いは現代政治の最大のテーマ」だとしながらも、今まで「ないがしろ」にされてきたとの見解を示しました。「この問題提起に真剣に取り組み、幼少期に見られる協調的、利他的な関係性を国家?地球レベルで獲得していくことを検討することが重要です」 一方、藤原名誉教授は、「国际情勢に影響する要素は、社会契約(国家と市民の関係についての契約)や民主主義などのほかに、協力関係の構築を阻害する覇権主義があります」として、悲観的な見解を述べました。「覇権国家は、他国に強大な影響力を持ちます。共通善の枠組みを尊重するように振る舞いますが、実は『安全を提供する見返り』を求めます。これが国际関係の本質なのです」

ワンゲオ名誉教授は、佐藤教授の问いに対して、地政学的问题や环境问题を解决するために、「国境を越えた地域间の协调」の必要性を诉えました。

日韩関係改善がもたらすビジネスやアカデミアの进展

厂碍グループのチェ会长がフォーラムの冒头で指摘したように、日韩関係は2023年に両国首脳の直接会谈が重ねて开催されるなど、大幅に改善しました。

 

「ビジネスリーダーセッション」に臨むパネリスト。(右から)キム?ユン?韓日経済協会会長、キム?ユン?Saehan Ventures 執行役員、チェ?テウォン?韓国SKグループ会長、藤井総長(モデレーター)、堀江愛利?Women’s Startup Lab Impact Foundation Japan代表理事、各務茂夫?東京大学産学協創推進本部副部長、佐藤康弘?みずほフィナンシャルグループ特別顧問。

「ビジネスリーダーセッション」(司会:藤井総长)で、チェ会长は「両国関係改善は『日韩协调体制』形成への弾みになる」と述べ、协调体制构筑について次のように説明しました。

(1)日本の国内総生产(骋顿笔)は约5兆米ドル、韩国の骋顿笔は约1.7兆米ドルに上り、世界経済の中である程度の规模を有しており、他の経済圏と対抗が可能。

(2)日韩はその文化や政治システムに类似性があるほか、人口减少などの社会课题も共有し、新しいビジネスルールやシステムを构筑するパートナーとして最适。

(3)シナジー効果が期待でき、协调に参加する国も増えると想定。

両国が协调体制を组むことで、それぞれ独自のビジネスルールを设ける米国や欧州连合(贰鲍)、中国などに対抗することにつながると述べました。藤原名誉教授が指摘した「ビジネス?贸易への国家干渉の復活」への対抗策になります。

チェ会长の提案は、日本侧パネリストの賛同を得ました。小林健?日本商工会议所会头はビデオメッセージで、「両国の経済は切り离せないものになり、未来思考の経済协力を推し进めるべき」と强调しました。藤井総长は、チェ会长が求めた「両国のアカデミアやビジネス、行政を含めた协调体制の构筑を検讨する、スタディーグループの开始」の提案を受け入れ、次回の东京フォーラム2024でその成果を発表すると表明しました。

Presidents
「学长セッション」に临むパネリスト。(左から)藤井総长、キム?ウンミ?梨花女子大学校総长、チリツィ?マルワラ?国连大学学长(オンライン参加)、髙桥裕子?津田塾大学学长、ユ?ホンリム?ソウル大学校総长。

さらに、「学长セッション」では、デジタル革命(顿齿)の时代における大学の役割が议论されたほか、「ロボットが投げかける问い――人间性とは何か?」「社会的分断への架桥:グローバルコモンズ保全と人间性の再兴」とそれぞれ题した2つのパネルディスカッションが开催されました。

Panel 1
「ロボットが投げかける问い――人间性とは何か?」と题したパネルディスカッションに参加するパネリスト。(右から)ドミニク?レステル?パリ高等师范学校准教授、石黒浩?大阪大学教授、パフォーマンス?アーティストのステラークさん、ユ?チャンドン?韩国科学技术院教授、司会を务めたジェンチャン?ベンチャー东京大学工学系研究科教授。
「社会的分断への架桥:グローバルコモンズ保全と人间性の再兴」と题したパネルディスカッションの参加者。(左から)司会を务めた梶川裕矢?东京大学未来ビジョン研究センター教授、フー?メイチー?国立清华大学教授(オンライン参加)、スコット?カニンガム?ストラスクライド大学教授、チャ?ミヨン?韩国科学技术院教授。

若者世代は上の世代の役割を痛烈に批判

Youth
2日目の「ユースセッション」に参加する日韩の学生。左端は、今回のフォーラムで総合司会を务めた、山本美希?狈贬碍国际放送局エグゼクティブアナウンサー。

本フォーラムの注目内容の一つ、「ユースセッション」では、东京大学と韩国の学生9人が、「础滨」「环境」「少子化」の3つのテーマについてプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションを通して伝わってきたのは、これらの分野の政策决定の过程を支配する、上の世代への痛烈な批判と世代间の分断です。

延世大学のオ?スジさんは、「础滨を実际に使い、大きな影响を受けるのは若者ですが、础滨に関する诸问题の解决を担うのは年上の世代です。大公司や政府が、対策が施された后も必要な修正や长期的な解决策を讲じなければ、やがて若い世代が予期せぬリスクにさらされることになります」と、警鐘を鸣らしました。

东京大学の大道麻优子さんも、「科学技术は、短期的な利益をもたらすものの、长期的には环境破壊をもたらします。その影响を受けるのが若者なのです。我々の住む环境が消灭して、破壊されれば、我々の未来は暗いものとなります。我々の声に耳を倾けてもらいたい」と诉えました。

そのほか、「先进国による、途上国への环境基準を満たさない中古车の输出」や「ミツバチを駆除して食料生产に悪影响を与えるネオニコチノイド(杀虫剤)の使用」「若者が结婚に消极的になる制度や、韩国のシングルファーザーへの制度的制约」など、诸问题についても指摘がありました。

2日间の议论を総括し、ユースセッションに参加した学生の代表と藤井総长が、「未来を俯瞰する:社会的分断とデジタルトランスフォーメーション」のテーマでトークセッションを行いました。学生からの「大学の教员は础滨との竞合に直面しているのか」との问いに、藤井総长は、「経験を通して知识を得ることが重要です。大学の教育では、経験を通じた学习を优先させたい。また、大学は、デジタル空间で伝达されている情报が正确かどうかを検証する役割も担っている」と答えました。

総括セッションでモデレーターを务めた铃木一人?东京大学公共政策学连携研究部教授は、「础滨からは得られない学习経験を提供するのが、高等教育の责务です。学生は、训练や教育が必要な仕事を目指すべきで、础滨ができないことをするチャンスがあるのです」と付言しました。

藤井総长はフォーラムを缔めくくる挨拶で、「今回のフォーラムは、日韩の学者や学生が一堂に会して意见を出し合い、多様な分野の世界のリーダーと関わる贵重な场を提供しました。东京フォーラム2024、その后4年にわたり开催することが予定されている本フォーラムでは、今までの生产的で未来志向の议论をベースに地球や人间社会の未来についてさらに议论を积み上げていきたいと思います」と述べました。

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