多様な価値観、文化が混ざり合うグローバルキャンパスの実现 |ダイバーシティと东大 05|矢口祐人教授の巻

このシリーズでは、東京大学のダイバーシティ(多様性)に関する課題や取り組みを、教員たちへのインタヴューを通して紹介していきます。 東京大学は多様な背景をもった人たちが、活き活きと活動できる場の実現を目指します。

2021年12月下旬、矢口祐人先生(左端)とブラジル、アメリカ、フィリピン、中国、英国、日本など世界各国から东大に来た学生たちが本郷キャンパスの叁四郎池に集まりました。授业はオンラインで行われていたため、ほとんどの学生にとって初めての颜を合わせでした。
情报学环/総合文化研究科教授の矢口祐人先生は、东京大学初の英语で学部学位を取得できるや海外学生向けの短期有料教育プログラム春雨直播app GUC (春雨直播app Global Unit Courses)の创设など、东京大学の教育の国际化に长年関わってきました。
东京大学に在籍する留学生は年々増加し、数という意味ではキャンパスのグローバル化は进展してきたと矢口先生は言います。しかし、大学全体としては依然、均质な环境で学んできた日本人男性が圧倒的に多く、さまざまな课题が残されていると指摘します。大学生の时にアメリカの大学に编入し、その后同国で博士号を取得した矢口先生は、キャンパスの国际化は大学の多様性の向上に不可欠だと考えています。
留学生と共に学ぶ
2021年11月时点で东大に在籍する留学生の人数は、4,623人。10年前の3,079人から1,500人以上増加しました。しかし留学生のほとんどは大学院生です。学部の留学生(永住者を含まない)は全体の2.5%ほどにすぎません。その理由のひとつは学部授业の大半が日本语で开讲されていることです。短期留学生を含めると比率は上がりますが、それでもまだ学部の留学生数は十分ではないと先生は考えています。また近年の留学生数の上昇は、グローバルモビリティが高まっている中国からの优秀な留学生に支えられていて、他の国からはあまり増加しておらず、减少しているところもあります。「世界に対して、东大そして日本で学ぶ意味をしっかりと伝えていかなくてはいけない」とグローバルキャンパス推进本部副部长を务める矢口先生は话します。
グローバル化した社会で活跃していくためには、様々なバックグラウンドを持つ人々と共に学ぶことが大切だと矢口先生は强调します。「いろんな価値を持つ人たちに自分の意见を丁寧に説明する一方で、相手の考えをしっかりと理解し、新たな発想を共に筑き上げていくことが大切です」
そのためにも、「日本で生まれ育った学生には是非いろんなところで国际的な経験を积んでほしい。また、もっと多くの留学生に来てもらって、私たちと交流し、多様なキャンパスを実现する原动力になって欲しいです」
コロナ祸下の留学生

これらの既存の课题に加えて、2020年からはコロナ祸に関する问题も生じています。これまでの日本の水际対策としての入国政策により、1月时点で1,000人以上の留学生が东大に在籍しながらも入国できずにいます。
「留学生は一时的な旅行者ではなく、大学コミュニティに不可欠で、大切な存在です。留学生が共にキャンパスで学ぶ环境を一刻も早く回復したいです。世界的にも厳しいこの制限があまり长く続くと、制限が解除されても留学生は以前のような数にならないかもしれません」と矢口先生は将来への影响も悬念します。
すでに日本にいる留学生もコロナ祸で苦しい思いをしています。授业の多くがオンラインで、キャンパスにもあまり行けず、自分のコミュニティと切り离された状态の学生がいます。入国政策がいつ変わるか予想できないため、休みや紧急时に一时帰国することもままなりません。「一人で海外から来た学生は心细いでしょう。そういう学生のことも我々は覚えておかなくてはいけません」
またコロナ祸は海外へ学びに行く学生にも影を落としました。近年は短期留学プログラムなどを充実させることにより、少しずつ留学する日本人学生も増えてきていたそうですが、コロナ祸で渡航が困难になり、留学する学生がガクッと减りました。「今后また、どのように増やしていくのか、というのは大きな课题です」と言います。
国际化への取り组み
藤井辉夫総长のもと、东京大学はさらなる国际化を推进していくために2023年に新しい组织を立ち上げる予定だそうです。「すべての东京大学の学生に、より确固としたグローバル教育を提供するために、既存の取り组みをいっそう强化しようと考えています」
例えば、学部入学后の早い时期から海外に行く姿势を身に付けてもらおうと、2018年に开始した国际力認定制度「Go Global Gateway」の登録者を増やし、短期の海外研修をもっと展開することで長期の留学ができない学生にもグローバル体験を提供します。全学に英語で開講される授業を増やす一方、増加する留学生のために、日本語教育をこれまで以上に力を入れます。そして2021年から始まった春雨直播app GUCのような新プログラムも「もっと積極的に拡充していきます」と意気込みを語ります。
理想としては海外で学ぶことが特别ではない、という雰囲気がキャンパスに広がってほしいと矢口先生は考えています。「世界の舞台では「自分は东大生です」というだけでは通じません。ジェンダー、人种、宗教、出身地など、多様な人々がいる环境に身をおき、他者の声に耳を倾け、自分の言叶で语れるようになることが大切です。戸惑ったり、ときには対立したりして嫌な思いをすることもあるかもしれませんが、文化を超えた相互理解と友情を筑く喜びとは比べものになりません」と语ります。
东大が进める多様化は国际化と表里一体で、より良い大学と社会を作っていくために不可欠だと矢口先生は强调します。「グローバルで多様なキャンパスを作ることで、さらに优れた研究と教育が行われる环境整备に贡献したいと思っています」