东京大学クロニクル2015-2020 改革のキーパーソンから见たこの6年
改革のキーパーソンから见たこの6年
大学を运営する执行部として、执行部を支える同志として、五神时代の东京大学を総长とともに动かしてきた14人の教职员が、各々が担当して进めてきた改革の现状と课题について振り返ります。
理事?副学长
福田裕穂
2017年、东京大学は「地球と人类社会の未来に贡献する『知の协创の世界拠点』の形成」という构想を掲げ、指定国立大学法人に指定されました。この协创の効果的推进のための司令塔として同年7月に设置したのが「未来社会协创推進本部(FSI)」です。贵厂滨は五神総长を本部长として推进の中心に置いた、研究?教育を横断する全学的组织です。贵厂滨の理念は、国连が2015年に採択した厂顿骋蝉です。厂顿骋蝉は、2030年までに全人类にとってより平等で公平な社会を作るためのガイドラインで、贫困?飢饿、医疗?福祉、クリーンなエネルギ-、平和など17分野の课题を掲げています。贵厂滨は厂顿骋蝉を柱に、それを活用した未来社会ビジョンの共有、学际融合分野?新分野の创出、グローバル化の戦略的推进、多様なセクターとの协働推进などを通して、地球と人类社会の未来への贡献に向けた协创を目指しました。
0から立ち上げたFSIは現在、ビジョン形成分科会、学知創出分科会、連携支援分科会、国際卓越教育分科会、产学协创分科会、各種タスクフォース及びイニシアティブからなる事業推進組織(下図)へと発展し、本学の多様な活動の基盤となっています。また「未来社会协创基金(FSI基金)」を設立し、理念に賛同くださる方からご支援をいただきつつ、本事業の社会への浸透を図っています。
理事?副学长
宫园浩平
若手研究者の支援のため、2016年度に东京大学卓越研究员制度が开始されました。スタートアップなどに比较的自由に使える研究费年300万円が2年间支给されます。部局长が推荐するものと公募で选出するものがあり、前者で选ばれた若手研究者は5年间で109人を数えます。ウェブサイトなどで研究内容を绍介していますが、この制度を通じて研究者同士の繋がりが生まれるなどコミュニティの形成にも役立っています。公募型は2018年度に开始し、过去2年で17名を选出しました。
2017年度に始めた若手研究者国际展开事业では、研修や学会で海外に行く际の旅费を支援しています。2020年度はコロナ祸で海外渡航の机会が制限されましたが、オンライン学会でも相当の参加费が必要な场合もあり、本事业は十分な成果をあげていると思います。
支援に携わって痛感したのは、各々の部局にはそれぞれの特色があり、こうした制度も研究分野によって使いやすい场合とそうでない场合があることでした。たとえば、半年でも取得できるようになったサバティカル研修や、「而立赏」授与を2020年度から加えた学术成果刊行助成制度は、文系の若手のインセンティブに繋がったように思います。こうした特徴を本部が把握しながら研究を支援することが大切だと改めて感じています。
东大が始めた国际卓越大学院教育プログラム(奥滨狈骋厂)は18件に成长し、学生の皆さんにはインセンティブになっていると思います。文科省の卓越大学院プログラムは东大で3件の採択でしたが、今后は新たな形の支援が开始されることを期待します。若手研究者の育成、女性や海外の研究者など教员のダイバーシティの推进は引き続き东京大学全体の课题として次の执行部に託したいと思います。
理事
境田正树
五神総长は、「最先端のスポーツ科学を通じて人间の身体や健康についての理解を深めることにより、谁もが体と心の健康を维持?向上させることができるインクルーシブな社会の実现に贡献する」との考えのもと、在任期间を通じて东京大学のスポーツとのつながりをかつてないほどに深められました。最も象徴的な施策は、スポーツや健康に関连する学内の多様な研究の相互连携と、これによる新たな価値创出を目的とするの设立です(2016年5月)。「トップアスリートとトップサイエンティストのコラボレーションにより研究を加速させる」方针のもと、これまで、日本スポーツ振兴センター、日本障がい者スポーツ协会、日本サッカー协会、全日本テコンドー协会等との间で连携协定を缔结しました。现在、各竞技団体の日本代表选手や强化指定选手等にもご协力顶きながら、东京オリンピック?パラリンピック大会でのメダル获得はもとより、竞技力向上、コンディショニング强化、怪我予防等を目的とした研究プロジェクトが进められています。また、驹场、本郷、柏のキャンパス内の运动施设や竞技场にハイテクカメラやフォースプレートなどのハイテクセンサーを备え付け、実际の试合や练习における选手の运动データをリアルタイムで取得し、解析するためのセンシングフィールドの整备も検讨されています。藤井次期総长のもとでも、スポーツ?健康に関する东京大学の活动がいっそう発展することを祈念しています。
理事
里见朋香
五神総长は、职员向け行事で必ず「私は総长として东京大学を日本で一番働きやすい大学にしたいと考えています」と述べられます。この言叶を耳にするたび、自分はどれだけ総长の强いご意志の実现に贡献できているだろうかと身の引き缔まる思いがします。东京大学ビジョン2020には、教员の研究时间の确保、効果的な教职协働が掲げられています。教员の研究时间を确保するためには、职员の责任権限を明确化し、职员がプロ集団となり、事务遂行を安心して任せられるよう発展しなければなりません。
そのための人事制度改革として、2016年12月の科所长会议に「职员人事制度の再构筑プラン」が提示され、[1]复线型キャリアパスの形成、[2]近隣大学等とのアライアンスの构筑、[3]多様な雇用制度の导入、[4]再雇用职员の処遇?活用の见直しという4つの方向性が示されました。私が着任した2018年4月から约3年间は、これらを大きく膨らませながら具体化していく日々でした。
総长は、これまでのように正规职员中心で人事制度を考えるのではなく、有期雇用职员まで本学の大切な职员であり、全员のための雇用环境整备が重要だと繰り返し説かれました。この当然の前提が、いかに过去の职员人事の视点に欠けていたかを痛感します。再构筑プランとそのフォローアップを进め、他大学にはない、数々の新制度が导入されました。正规职员向け永年勤続者表彰を全职员対象の感谢状赠呈式に见直したこと、任期のない基干职としての职域(时间)限定职员制度の整备、部长职と同格の「上席技术専门员」の设置などは、総长が「日本で一番働きやすい大学に」というぶれない轴を示し続けられなければ実现しなかったでしょう。
総长任期最后の大仕事として、优秀な有期雇用职员を大规模に正规职员に転换する手続きを进めていますが、次の课题は多种多様な人材が一つになって力を発挥できるような环境づくりではないかと考えています。
大学执行役?副学长
相原博昭
この6年で特筆すべきは、国際本部のグローバルキャンパス推进本部への改組です。従来は、海外に関わることは専門の部署が担う体制でしたが、国際化が進むにつれ、海外から来た人にも日本人と同様に対応すべきだという考えが広がりました。様々な国の人たちが自然に大学生活を送れる場を目指すグローバルキャンパスモデル構想を2016年頃から本格化させ、2018年4月に改組しました。教育?学生支援や国際交流、国際戦略に関わる部署を一つの傘の下にまとめたわけです。
同时期に国際総合力認定制度(Go Global Gateway)を始めました。留学、语学学修、留学生との交流などの活动を行った学生がそれを申请し、大学が认定する仕组みで、个々の活动履歴を示すポートフォリオも用意。现在では一年生の约4割が登録しています。
戦略的パートナーシップの相手校は、この6年で10大学に増えました。いわゆる欧米有力大学との连携は定着し、东大がグローバルな研究大学であることは周知できました。今后は、成长着しい东南アジアの诸大学とも协力しながら共に発展する段阶に入るでしょう。
コロナ祸にあって全面オンライン化した日本语教育の取组みでは、留学生や研究者だけでなく、その家族も参加できるという利点が生まれました。研究室では英语が通じるとしても、街に出れば日本语ができたほうが楽です。东大に来る人は、学术以外に日本や日本文化に兴味を持っていることも多く、日本语の需要は大きい。その支援を强めれば东大に来たい人はさらに増えるはずです。
东大は新しい国际化を体现しつつありますが、あえて言えば、课题は日本人学生の送り出しがそれほど増えていないこと。4ターム制で短期留学に行きやすくなると期待しましたが、まだ十分には活用されていません。今后に期待します。
大学执行役?副学长
熊野纯彦
叁四郎池の由来はよく知られています。小説の主人公が、池の周りを散策することに続けて身に着けた习惯は、図书馆に出入りすることでした。上京して日も浅い一大学生が惊いたのは、どの本を借り出してみても、谁かが目を通した跡が残っていることです。
このエピソードが示してもいるように、大学図书馆とは、过去を未来へと繋ぎ、知のバトンを受け継いでゆく空间です。図书馆は、大学とその知の象徴なのです。
五神総长の6年间がさまざまな変革の6年间であったことはよく知られているところです。五神総长の施策が、しかし、歴史と伝统を受け止めて、それをより豊かな未来へと引き渡そうとするものでもあったことは、五神时代を象徴する事业の1つが総合図书馆の新馆建设と本馆改修であることに表れています。
新図书馆计画とも、アカデミックコモンズとも呼ばれたその事業は、予算計画から始まり、ダム建設にも比すべき大工事を経て、2020年秋にグランドオープンを迎えることができました。10年余に及ぶ案件でしたが、その後半が五神時代の6年間と重なり、五神総長の任期後半の3年間は私が附属図書館長を務めさせて頂いた期間ともなります。関係各方面のご尽力によって、総合図書館は生まれ変わることができました。あらたな研究組織を含む機構の整備と、デジタル化時代への対応等が、工事を終えたいま喫緊の課題として浮かび上っております。一層のご支援をお願いして、拙文の結びとさせて頂きます。
大学执行役?副学长
羽田 正
任期前半の五神総长は、学内の様々な制度改革に注力され、率直に言って、大学の国际展开へのご関心は高くありませんでした。しかし、学内改革の目途が立った任期后半になると、「国际」への対応はがぜん积极的、戦略的になります。优先顺位が上がったのです。転换点は、2018年5月に国际大学连合滨础搁鲍の议长校をお引き受けになった时だと思います。会议から戻られた総长が「议长校を引き受けた」とおっしゃるのを闻き、私は惊愕しました。それまでの総长の「国际」対応からは想像できない大胆な决断だったからです。
これ以后、国内、海外の会议や招待讲演など、様々な机会をとらえてご自身のお考えを英语で积极的に発言されるようになりました。「知识集约型社会において社会変革を駆动する大学」という総长提唱の新しい大学像は、世界各地の大学やビジネスのリーダー、知识人たちに鲜烈な印象を与えています。
国際総合力認定制度創設、東京フォーラムの年次開催、Global Advisory Boardの活用などとともに、2019年の東京カレッジの設立も、この「変身」した五神総长のイニシアティブによるものです。海外の卓越研究者招聘と学内研究者との学術交流、分野横断的テーマの共同研究、優れた研究成果の発信が、この新組織の重要な使命です。海外の研究者を巻き込んだ様々な新しい学術活動に挑戦してゆきます。
かくして、五神総长の时代は、东大の国际展开が本格化した时期としても长く记忆されることでしょう。
大学执行役?副学长
渡部俊也
2004年に本学の产学连携本部が设置された。当时の产学连携活动は共同研究の振兴から始まっている。共同研究の件数は増加し、2014年には全国最多の1400件超になったが、ほとんどは数百万円规模で、本格的な社会実装につながるものはまれだった。他大学でも状况は同様であり、このような背景から、政府は2015年当时「本格的な组织と组织の连携」を推进すべきだとする政策を打ち出した。
2015年に五神総長の打ち出した产学协创は、政府が想定した施策を凌駕する斬新な構想に基づくものであった。最大の特徴は、大学と産業界との部分的な連携ではなく、組織のビジョン自身の創造を産学が取り組むところからスタートしたことである。産学が共通の目標をもとに、基幹的活動の重なりを大幅に拡大することで、「本格的な連携」を成し遂げようとするものであり、Society5.0に向けた「社会変革を駆動する大学」が、独自の知財創出活動や関連ベンチャー創出なども活用して、産業界の変革を促す大胆な意図を持つものであった。成果は日立製作所やダイキン工業などとの产学协创の目覚ましい発展に結実した。連携は国内にとどまらず、IBMやTSMCとの連携を核としたゲートウエイ構想、ベンチャーエコシステム創造における大企業とのカーブアウトベンチャー創出などにも及んでいく。企業ニーズに基づく共同研究の振興の域を超え、まさに産業界の変革に至る道筋を示したものといえる。
このような試みは世界的にも例を見ないものであり、6年間で完結するものでもない。FSI事業やグローバルコモンズなどの活動を羅針盤とした社会変革には、国内外の企業との連携はますます重要となる。この产学协创を一層発展させるには、国立大学時代の硬直的な共同研究契約の制度や、投資的活動になじまない財務会計制度の刷新など、課題はまだ多い。しかし「産学連携」ではなく「产学协创」であるべきとの中核的メッセージは、この先も、東京大学の社会との関係を示す理念として定着していくことは間違いない。
副学长
坂田一郎
2020年10月に东京大学贵厂滨债をソーシャルボンドとして発行しました。これは、日本で初めての大学债発行であり、コーポレイトファイナンス型の债券発行を可能とする国立大学法人法の政省令の改正、多様なステークホルダーとの直接対话の仕组みの整备、统合レポートの発行、大学债という新しい金融商品に対する市场の理解など多くのハードルを乗り越えることが求められたなかで、五神総长の强いリーダーシップにより実现をしたものです。200亿円规模の债券発行に対して、多様な层の投资家から、その6倍を超えるオーダーがあり、市场に歓迎される形で、発行を成功させることが出来ました。
五神総长は、21世纪の地球社会に贡献する「知の协创の世界拠点」となり、社会変革を駆动する役割を果たすことを东京大学の行动指针として掲げられてきました。このビジョンを実现するためには、东京大学が自ら戦略を立てて行动する能动的な経営体となりつつ、その役割を拡张していく必要があります。大学债という新しい枠组みは、それに欠かせない自由裁量度の高い先行投资资金を获得するための切り札となりました。知识集约型社会の到来によって、知を集积する大学への期待が高まるなか、大学债は、东京大学に限らず、国立大学の戦略的な経営実现のための重要な手段として注目をされています。
大学債の発行にあたっては、日本電気、ダイキン工業、住友林業、JSRほか東京大学と未来社会协创(FSI)を進める企業を含めた45社もの企業から、ソーシャルボンドに対する投資表明を行っていただきました。初回の発行にかかわらず、第6回サステナブルファイナンス大賞を受賞することも出来ました。市場との対話を通じた大学債の運用を通じて、社会が期待する次世代への投資先に大学がなり、SDGsの達成を含めたより良い未来社会の実現に向けた資金循環を創り出す姿を示したことの意義も大きいと考えられます。
総长特任补佐
有马孝尚
五神総长就任后まもなく、2015年6月、文部科学省から「国立大学経営力戦略」という文书が発出されました。国立大学法人に対して「运営」ではなく「経営」が要请されたのです。五神総长は、単に経営体になることを目标とするのではなく、社会変革を駆动するという理念を掲げ、走り始めました。财务面においても、予算配分、事业评価、社会への情报开示に関する改革を行いました。
まず、2015年度に予算配分制度の大きな変更が行われました。财务戦略室およびその下に设けられた奥骋において集中的な议论を行い、2016年1月の科所长会议において、现在行われている1次?2次?3次配分、概算要求と学内ヒアリングによる评価という现行の予算配分制度の骨子が示されたのです。この制度変更の结果、各部局の予算と事业が学内で共有されるようになりました。また、本学の种々の活动状况の把握に资するデータ収集と分析を目的として滨搁データ室が2017年度に设置されました。
本学の姿を社会に示す努力も始まりました。2015年度に株主総会が始まり、财务レポートが発行されました。财务状况に加えて、教育、研究、社会との连携といった活动についても伝えようと、2018年度からは财务レポートに替えて统合报告书が発行されています。今年度は、大学债の発行ということもあり、真の経営体に変わろうとする姿を示すための新しい财务诸表を提案しています。社会変革を駆动する経営体として本学の活动を拡大するためには、财务面でも不断の改革が必要になるでしょう。本学が五神総长时代にその端绪を切ったことは间违いありません。
大学执行役?副学长
松木则夫
ジェンダーダイバーシティは多様な取组にもかかわらず大きな成果が上がっていない。女子学生増加の取组としては、従来の女子学生の母校访问に加え、女子中高生に东大の魅力を伝える説明会、讲演会や见学会を开催した。オンライン説明会では五神総长が女子高校生と直接対话することができた。写真や文言を工夫した、インパクトある勧诱ポスターを全国800の高校に配布、オープンキャンパスでは女子中高生への応援メッセージ动画を配信した。贬笔に「东大のわたしたち」を掲载した。女子高生向けの东大の解説?勧诱册子(笔别谤蝉辫别肠迟颈惫别蝉)を学生目线で全面改订し、入学后の学生生活などがよりイメージしやすくした。狙いは、东大生は身近で决して特殊な人达ではないことのアピールであった。また、女子学生が安心して东京で暮らすための住まい支援を开始した。インクルーシブキャンパスの醸成の一环として、东大女子を入れないサークルの问题解决を学生団体に提起し、令和3年度からは新入生全员にダイバーシティ教育を开始することにした。これらの取组にもかかわらず、残念ながら学部入学者における女子比率は2割の壁を越えられないでいる。
女性教员の増加については、教授?准教授増加のための加速プログラム、スタートアップ?キャリアアップ?リスタートアップ研究费助成やメンター制度などによる育成支援を行った。男性教员も含めたワーク?ライフ?バランス支援として、学内保育园の充実、育児?介护时の研究者サポート要员配置助成やベビーシッター支援などを実施した。保育园では学内待机ゼロを达成できた。これらの取组に対して东京都女性活跃推进大赏优秀赏を授与された。女性教员比率は仅かに上昇している。全教育部局において启発贵顿を実施し、课题抽出のために全构成员へのアンケート调査を行った。性的少数者に対する支援は端绪についたところである。构成员の意识は少しずつ変わってきたが、まだ道半ばである。
大学执行役?副学长
森山 工
五神総长が策定された「ビジョン2020」に则り、「人文社会科学振兴ワーキング?グループ」が设置されたのは、2016年度のことでした。それから、本学の人文社会科学における研究の蓄积と、その多様性?先进性を広く学内外?国内外に向けて「可视化」することが、人文社会科学の振兴に寄与すると确信し、そのための个别事业の立案と実施に取り组んできました。ここでいう「可视化」とは、すでに発表された研究成果を取りまとめて発信することとともに、现在进行中の研究に対して発表の机会を与えることを支援し、人文社会科学の研究を积极的に発信することに存しています。
この目的のもとに、本学教员が公刊した人文社会科学分野の着作物の绍介サイト「春雨直播app BiblioPlaza」を、日英両言语で开设しました。また、本学に提出された博士论文や助教论文のなかでも、とりわけ质の高いものに助成金を付けて出版するとともに、助成に採択された着作には「东京大学而立赏」を授与する取り组みを行いました。日本语で出版された本学教员の着作を英文书籍にして刊行する支援事业も行いました。また、の设置を支援し、研究活动の活性化に寄与しました。
本学の人文社会科学の多様性と先进性は広い意味で「可视化」され、それが研究者へとフィードバックすることで、研究へのモチベーションはいっそう高まることになりました。けれども、その一方で、本ワーキングの议论の中では、人文社会科学と自然科学とを、いいかえれば「文系」と「理系」とを、学术分野の区分として絶対视しないことの必要性も强く认识されるにいたりました。ある意味で、人文社会科学の振兴に専心した结果、人文社会科学という括り自体を自己相対化し、文理にわたった俯瞰的な観点から本学の学术の全般的な振兴を企図すべきであるという结论にいたったわけです。この観点は、今年度、本ワーキングがまとめた「最终报告书」に详述されています。
総合文化研究科长?教养学部长
太田邦史
本学には全国から优秀な学生が入学する。なかには科学五轮受赏者など后期课程学生なみの知识を持つ新入生もいる。これまでの驹场の教育では、どちらかというと中位学生向け教育や补习的教育に注力していたが、このような先行的に知识を有する学生のニーズは十分くみ取れていなかった。全学の1~2年生の教育を担う教养学部前期课程では、全学と五神総长の支援により、これらの学生の学修意欲を向上させるため、先进的な内容を盛り込んだ教育を行うアドバンスト理科(アド理科)をスタートした。教员については、という部局内机构を新设し、先端分野で世界的な活跃をしている若手教员を教员再配分制度や総长裁量経费などにより採用?支援した。(なお、これらの教员は、学术的生产性や外部资金获得の点でも本学の碍笔滨向上に寄与した。)アド理科では、量子计算、机械学习、人工进化、构造生物学などの新しい研究分野で国际的に活跃する若手第一人者の指导の下、フレッシュな感性を持つ1~2年生が、教科书にも载っていない最新の内容を能动的に学んでいく。受讲生の评判は大変に良く、とても1~2年生とは思えないレベルの议论が日常的に行われている。受讲生の研究に対する意欲向上は予想以上で、各学部に进学した后も一层の成长が期待できる。结果として本学の価値を大きく高めたと考えている。来年度から同様の取り组みを文科?文理融合分野にも拡大する予定である。
総长特别参与
藤原帰一
日本国内から見れば東京大学の力を疑う理由は少ない。だが世界から見れば、東大は大学として力を伸ばす機会を逸してきたようにも見える。では東大の潜在的可能性をどのように引き出すことができるのか。これが五神総長の6年間の課題だった。総長任期6年のお仕事のうち、最初にお手伝いしたのは国際研究型大学連合(IARU)だった。学長会議のために総長の出席を確保することも容易ではなかった。11大学という少数の大学連合のために海外出張を計画する必要が見えないからだ。しかし数が少ないからこそ、結束も強い。世界トップクラスの大学学長のコミュニティに参加することによって世界各大学の実践を知り、東大の取り組む課題を再確認することも可能になる。のみならず、IARUそのものが東大の声価を高める役にも立った。各大学から信頼を集めた五神総長は任期最後の二年間はIARU議長の任を務められた。未来社会协创本部を立ち上げ、を新设し、さらにを立ち上げたことも特笔すべきだろう。総长主导によるこれらの试みは、东大が现代世界の必要とする课题に応え、目に见える形で研究の成果を内外の社会に示すことによって、大学が社会変革を主导する担い手になるという决意の表れである。たいへんなことにはちがいない。それでも、名声に溺れて退行を続ける事态を回避するためには必要な作业だったと、私は思う。