淡青色の注目アーティストたち 切り絵童話の鷲津影織 | 広報誌「淡青」38号より
淡青色の注目アーティストたち
东大と深い関わりを持つ多くの皆さんの中から、注目すべき创作活动を繰り広げているアーティストを4人选び、その横颜を绍介します。
东大の図书馆职员から础搁技术のわかる切り絵作家に
鷲津影织さん Kageori Washizu 切絵童话作家 |
昔むかし、あるところに、手芸と物语が大好きな女の子がいました。戦争帰りの祖父の部屋で「ワヤン?クリ」というインドネシアの影絵人形を眺めていた女の子は、すくすく成长して东大に入学。サークルで古流武术に励むとともに、図书馆ボランティアとして活动し、人と情报をつなげる仕事をしたいと思った彼女は、母校に入职し、晴れて図书馆职员になりました。
「配属された医学図书馆で、窓口业务のほか、学生向けのミニ讲习会を开いたり、馆内に隠された键を集めながら図书馆の机能を発见する脱出ゲームの新企画を苦労の末に実现したりと、充実した日々を过ごしました」
しかし、昔から幻想的なお话を考えるのが好きだった彼女の中で、何かを创りたいという意欲と、新しいことは求められていないのではないかという感触が、少しずつ大きくなっていました。そして、世界を広げようとプログラミングの技术を覚え、ソフトウェア会社に転职。エンジニアとして働きながら、留学する友达に赠るカードを作ったのを机に独学で始めていた切り絵の创作を本格化したのでした。
下絵をもとに、つながらない部分ができないよう、デザインカッターで丹念に纸を切って作る切り絵を、自分で构想した幻想的な童话とセットにして仕上げるのが影织流です。作家名は、切り絵が光と影の芸术であり、ストーリーに影の部分を织り込んだものが多いことから。でも、作品集の中に、黒い色の作品は见当たりません。
「黒ではなく、浓い茶や浓い青の纸を使うようにしているんです。真っ黒の纸で作ると、少しきつい印象になってしまうので」
个展を开催し、作品を雑誌に提供し、册子やポストカードを颁布し、国际絵本原画展にも応募するなど、切り絵作家として活跃するようになったいま、思い浮かべるのは、技术者としても芸术家としても伟大な功绩を残したレオナルド?ダ?ヴィンチ。最近没头しているのは、勤め先で磨いたデジタルスキルをアナログの切り絵术と组み合わせた新しい作品です。现実の风景の中で切り絵が自由に动き出す础搁作品が完成した后、彼女の纺ぐストーリーは、より多彩な色を织り込む新章に突入することになるのでした。とさ。
と題した特集に掲載された3連作「孤独と連帯の回遊 solitude, solidarity」では、人と情報をつなぐ図書館への思いを表現。