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现代日本研究を通して世界を知る 白波瀬佐和子现代日本研究センター长に闻く

掲载日:2020年9月24日

现代日本研究センターウェブサイトのトップページ画面。ロゴは、フィボナッチ数列に含まれる黄金比に着想を得て、さまざまな研究连携が発展していくイメージをデザイン化した

2020年7月に設立された东京大学现代日本研究センター。課題先進国としての日本の経験や日本社会に根ざした知を発信し共有することで、世界の研究者と協働し課題解決を目指す人文学、社会科学、そして文理融合分野の研究組織です。 なぜ今、東京大学に日本研究と銘打った研究の場を作る必要があるのか。センター長の白波瀬佐和子理事?副学長に聞きました。

―― どういう研究センターでしょうか。  

本センターを构想した际の问题意识として、人文学や社会科学の文系诸学の研究について日本からの国际発信を强化したいという思いがありました。しかしながら、いまさら日本研究か、という懐疑的な意见もありました。东大にあっても多くの研究者は「我々は日本研究者じゃない」、と言います。私も、あなたは何をしていますか、と闻かれたら、日本のデータを分析し、日本の不平等について社会学的研究を行っている、と答えますが、日本研究をしているとはあまり言いません。

白波瀬佐和子センター长

―― 日本研究は今までは主に海外の研究者が行うものだった?

そうですね。日本の外、特に欧米における日本研究という位置づけが强かったと思います。海外から日本研究というと、1987年に设立された国际日本文化研究センター(日文研)が有名で、当センターは「日本文化を国际的な视野で、学际的かつ総合的に研究していこうとする研究机関」とされています。ただ、日文研は人文学的な枠组みが中心です。また、闯补辫补苍辞濒辞驳测という系谱があって、人文学や文化论的な议论が主流を占めます。それが、1960年代、奇跡的な経済成长を达成した日本に、経済学、政治学、社会学、文化人类学、経営学、教育学など、社会科学系の海外の研究者たちが注目するようになりました。日本は欧米の枠を超えて产业化を达成した最初の国で、欧米で発展した発展モデルがあてはまるのか、あるいは异なるのかに、知的な関心が集まりました。

いま、日本は課題先進国です。少子高齢化で代表されるように、急激に人口構造が変わる中、社会保障制度をどう維持するのか。人々の基本的な生活保障を提供していきた家族の機能はどう変化するのか。高齢化のみならず女性雇用が増加した環境にあって家族のケアをだれが提供するのか。このようなテーマは日本だけでなくアジアでも同様に重要です。もっとも、少子高齢化の人口変動は欧米の先進国でも共通し、環境汚染も感染症も、現在の諸問題は国境を超えます。 そこで、国境を超える、特定の国の特殊事情を超えて世界に共通する課題にどう取り組み、対応するかについて発信することが、極めて重要になってきたということです。そうした状況を踏まえて構想したのが現代日本研究センターです。

―― 日本で行う日本研究の意义は何でしょうか。

たとえば、社会学者も経済学者も、日本にあって日本のデータあるいは日本的な文脉を强调することなく研究しており、彼/彼女らは多かれ少なかれ日本研究との関连があるとも言えます。そこで日本から「日本研究」と打ち出す狙いは、日本という国を相対的に见る视点にあります。特定地域の研究のみならず、他の国や地域との比较の视点を明示的に対外にアピールすることで、日本での研究を相対化する重要さを世界に向けて発する意味があります。

たとえば环境分野でも、国独自の政策や问题があるので、国という単位で検讨することを否定できないけれども、縦割りの分野を超え、文理融合も含めた、国际的な共同研究?连携を推进するのが本センターの重要な目的です。连携研究机构の形も考えましたが、今回は特定部局に頼らない形での横连携を强调すべく组织しました。

―― 学内15部局から教员が参画していますね。

文系诸学のほとんどの部局と、工学系研究科、农学生命科学研究科、先端科学技术研究センター、生产技术研究所といった理系部局から、15名の连携委员の先生がいらっしゃいます。そのほかに本センターの构想段阶からご协力いただいた経済学研究科の星岳雄先生、社会科学研究所のケネス?盛?マッケルウェイン先生、人文社会系研究科でヒューマニティーズ?センター长でもある斋藤希史先生、情报学环の吉见俊哉先生に运営委员として参加いただいています。

―― 连携委员はどのように関わるのですか?

15名の连携委员は、各部局长からの推荐によるもので、まずは部局とセンターの重要な桥渡し役をお愿いします。しかしながら、単なる连络係に终わらず、ご自身からも国际共同研究を提案してもらったり、小规模でも频繁にセミナーやワークショップの开催を企画しているので、そちらにも积极的に参加していただきたいと考えています。また、复数部局にまたがる国际研究プロジェクトの企画を萌芽的段阶から支援することで、本格的な研究に発展させて、展开できればと考えています。各部局内での贵重な诸事业を部局を超えて视覚化できるよう、东京大学としてアピールすることも积极的に行っていきたいと思っています。

―― 日本研究の拠点は他にも日本にあるんですか?

すでに申し上げた、国际日本文化研究センターは海外からは最も有名な拠点の一つです。あと、复数の大学でも类似した试みがないわけではありませんが、その多くが人文学をベースとしています。一方我々は、社会科学と文理融合、そして実証研究と政策研究を强化し、推进します。日本でのデータを共有して本格的な実証研究の国际比较をすることに、日本では今后紧急に注力すべきだと思います。

センターの重点ミッションには、现代日本研究におけるグローバルな视座の强化が含まれる 别测别迟谤辞苍颈肠/蝉迟辞肠办.肠辞尘.补诲辞产别

―― すでに决まっている研究プロジェクトはありますか?

一つは、プリンストン大学との戦略的提携に基づいた「東アジアの人口と不平等」。これには私も参加していて、プリンストン大学のCenter on Contemporary China とも連携して研究を進めています。もう一つは、包括連携している早稲田大学と共同で行う「21世紀の日本政治」。これはマッケルウェイン先生が中心になって、進めています。

―― 将来的には海外から若手研究者をポスドクとして招きたいとか。

はい。若手の人材交流の呼び水となることを目指したいと考えています。このたび、我々がセンターを设立する际にも、海外有力大学の代表的な日本研究者10人程度から、强力なエンドースメントレター(=支持表明书)をいただきました。それらの大学にも非常に优秀な学生や若手研究者がいるので、将来的に资金が确保できれば、积极的にポスドク事业を展开します。ポスドク経験者が将来东京大学のスタッフとしても招き入れられるようなことが起こってくると、より强く国际化した东京大学へと前进できるのではないかと考えています。分野融合的な国际共着论文もどんどん出てくるとよいですね。

―― 日本研究の分野を拡张したいとのことですが、どのような分野を想定していますか。

环境、础滨の分野などでは、文系诸学との共同研究が展开されているところも少なくありません。日本のポップカルチャーや伝统文化、漫画も日本ファンを増やしてきました。しかし、それだけでなく、データネットワーク、サイバー空间、灾害、食、といった日本研究の范囲を拡张していきます。

―― 今后の活动予定は?

まずは運営委員を中心に、「現代日本研究とは何か」というテーマで、経済学、政治学、社会学の観点からオンライン公開討論会を実施します。月1回程度は、連携教員の先生や海外の先生も交えてbreakfast meetingを行います。時差の関係から、米国東海岸のヴューアーにも参加しやすいように日本時間で朝9時開始としました。若手研究者や博士課程の院生を中心とした研究会も始める予定です。 本センターが国際的にも認知されていくよう、国際諮問委員会を組織して、海外からの意見も聞いて展開していきたいと考えています。風通しのよいセンターにできればと考えています。

取材?文/高井次郎 小竹朝子

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