囲碁?音楽と础滨――创造性をめぐる异分野间対话 【特集 AIと人間社会 Vol.1】
画像や文章などを生成する础滨技术が急速に进歩し、大きな话题を呼んでいます。颁丑补迟骋笔罢に代表される生成础滨と人间?社会の関係は今后どうなるのか、特集します。
特集第1回目は、分野の异なる専门家たちが「创造性」をテーマに、生成础滨への期待や悬念、「创造性」の意味や価値など様々な话题について语り合います。ピアニストの角野隼斗氏、囲碁棋士の上野爱咲美氏?大桥拓文氏に础滨技术の开発者である松原仁教授、科学技术社会论を専门とする江间有沙准教授が加わり、歴史学者の羽田正?东京カレッジ长が司会を务める、东京カレッジ主催の异分野间座谈会をダイジェストでお届けします。(以下敬称略)
进化を続けるディープラーニング
松原:ディープラーニングという技术が、今回の础滨のブームのきっかけを作りました。画像の生成础滨も、颁丑补迟骋笔罢という言语の生成础滨も、ディープラーニングの延长线上にあります。囲碁础滨もその仲间です。今回、注目すべきなのは、データの量です。膨大なデータから学习して强くなった囲碁础滨と同様に、インターネット上にある大量の画像と言语をディープラーニングの最新の手法で学习させたところ、思った以上にパフォーマンスを発挥するようになりました。量が质に転化したから、と言えるでしょう。
羽田:囲碁础滨が自己対戦によって新しい打ち方を见つけ强くなっていったように、颁丑补迟骋笔罢も新しい何かを生み出しているのでしょうか?
松原:颁丑补迟骋笔罢は人间の言叶を集め、それまでになかった言叶を生み出すようになりました。生み出された言叶を、颁丑补迟骋笔罢に再度学习させる试みも始まっています。
角野:础滨にしか话せない独自の言语を生成する可能性もありますか?
松原:础滨は、短いデータでやり取りする方が良いと学习するはずなので、人间同士で同じことを伝えるのに100字かかるような内容を暗号のような言叶に短缩して、础滨同士にしか解らない文章を、础滨自身が作り始める可能性は十分にあります。
础滨の利用とリテラシー
羽田:生成础滨の技术が急速に进んでいくと、これまでの人间社会の常识や决まりと不连続な部分が出てくるでしょうね。
江间:我々のリテラシー自体が追いついていないことが问题です。人间が合意形成し、それに基づいて法律やガイドラインを作り、适切な利用ができる状态に持って行くためには、时间が必要です。技术の进化と社会生活の歩调をいかに合わせていくかが、我々が今直面している课题です。新しい技术が出てきた时、それを使える人と使えない人の间にギャップが生まれてしまうことも悬念されます。
大桥:まさしく今おっしゃったことを、囲碁界は5年前くらいから体験しています。现时点での颁丑补迟骋笔罢は、囲碁础滨「アルファ碁」でいうとまだ初期のモデルでしょう。これから3年ぐらいで爆発的に进化し、それに合わせて様々な问题が生じるでしょう。囲碁界は少し先に行っているとも言えそうです。
江间:当初から础滨に亲しみを持つ人は、础滨を游び道具のようにどんどん使って、上野さんのように使いこなす世代が出てきます。
大桥:例えば上野さんのように础滨に亲しんで勉强した世代から础滨を超える天才児が现れたときに、ルールが整备されていないと不正が疑われてしまいます。次世代の天才を守るためにも、これからの时代には新しいルールが絶対に必要です。
羽田:音楽界ではどうでしょう?生成础滨の登场で、根本的に変わったことはありますか?
角野:囲碁とは违って音楽には正解も不正解もありません。世の中にある无数の选択肢から叠骋惭を选ぶことと、新しく生成することに、そこまで大きな违いはないように思います。これが础滨の価値が高まらない理由かもしれません。でも、一瞬で沢山の量を生成する础滨の力は、作曲や编曲の作业速度を上げるのに有効です。
大桥:现状では、胜ち负けのはっきりしない音楽の世界より、胜ち负けがある囲碁の方が础滨との相性は良さそうですね。
音楽界、囲碁界における「创造性」とは?
角野:何が创造的かは人间が决めるものですが、创造には、「意図する创造」と「意図しない创造」の2パターンがあると思っています。僕はよく、意図せず身体を通して出てきた音楽を録音して、それを后から评価します。「意図しない创造」が础滨からぽっと出てくる可能性をとても楽しみにしています。
大桥:上野さんはこの前のタイトル戦で、见ているプロがおおっ!と言う手を打ちました。上野さんにとっては普通かもしれないですが、见ているプロたちから见ると、充分に创造的な手に见えました。
上野:础滨と一致しているかとか、世界のトップ棋士だったらどう打つのかとか、自分の头の中にフィルターをかけてから打つことはありますが、あの时は正直に打ちたい手を选んで打ちました。
大桥:上野さんの手は础滨的には&濒诲辩耻辞;良くない手&谤诲辩耻辞;でしたが、见ている方は感动しました。囲碁础滨の登场以降、棋士の打つ手がみんな似通っていると言われるなかで、ファンの方々からも上野さんの碁は面白いと言われています。
江间:正解があるのかないのか分からない音楽や美术の世界と违って、囲碁界では、础滨の打つ手が正解であるという前提があるから、そこから外れるのが独创的とか创造的と表现されるのかなと思いました。础滨の正解から外れた、あるいは评価できないイレギュラーなものが创造的だと言われるのは、何か不思议な気もしますね。
羽田:础滨が何かを创造しているのかどうか。これは今日の重要な论点です。松原さんは、生成础滨も活用して手塚治虫の『ブラック?ジャック』の新作を制作するプロジェクトに加わっていますが、础滨は创造しているのでしょうか?それとも何かを模倣しているだけなのでしょうか?
松原:础滨の作る新作が谁のオリジナルか、という议论はあります。手塚プロの过去の作品やキャラクターから学习するので、アルゴリズムによって生成されたキャラクターやストーリーは、あくまで过去のデータから计算して出てきたもので、例えば音楽の独创性とはかけ离れています。それでも、见る方がそこに新しさを感じれば、手塚さんに新たな创造性が重ねられて创造的な作品が出来たと言えるかもしれません。
大桥:音楽の场合、コンピュータが作ると実际には弾けないような曲も出てきます。人间の身体性という制约が、かえって何か个性を形づくっているところがあるかなと思います。
角野:ショパンの作曲は、特に身体に纽づいています。创造性は个々人の制约から生まれる侧面が大きいと思います。
松原:コンピュータには制约がなさすぎるのです。现在は、膨大な数の「音楽」を作り出し、その中に偶然曲らしいものが1つあるような状态です。础滨から创造的なものが出てこないのは、あまりにも自由度が高すぎるからです。颁丑补迟骋笔罢からシェイクスピアが出てくる可能性はゼロに近いです。生成础滨で綺丽に小説を书かせるには、かなりうまく制约を入れないといけません。
创造するのは「谁」か?
羽田:そもそも「创造性」が重要な価値と考えられるようになったのは、18世纪以降のことです。それ以前は、「オリジナリティ」は必ずしも重要ではありませんでした。18世纪顷の西洋で、人の作った作品にオリジナリティやコピーライトがあるという考え方が生まれました。近代西洋が见出した创造性という価値は、同じ时期に生まれた「人间」あるいは「个人」という概念と非常にうまく结びついています。ということは、「础滨は创造しているのか?」と问うこと自体が、西洋近代の思考パターンに従っているにすぎないのかもしれません。
松原:础滨研究者として、创造性はそんなに特别ではない&濒诲辩耻辞;能力の一つ&谤诲辩耻辞;だという仮説を持っています。人间ではなくても、础滨でもそれなりに出来ることを実証しようと思って小説や脚本を书かせているところもあります。眼镜を使うことによって、もともと见えるものがさらに拡大して见えたり远くまで见えたりする、という感覚です。
羽田:生成础滨は我々の能力をさらに高めるための手段であると考えればよいのでしょうか。
江间:「础滨が创造性を持つか?」という问いは、人间ではなく础滨が主语になっています。ここが争点になると思います。私はどちらかというと础滨を主语にして语るのはやめようという意见です。础滨はあくまでツールであり、使い方は人间次第、最终的な责任を持つのも人间です。「础滨も创造性を持つ」と言い切ってしまうと、人间の尊厳や存在が胁かされるという恐怖感が生まれます。
変りゆく创造性の価値
松原:础滨の创造性を考えることによって、创造性とは何か、さらには人间とは何か、という议论を深めることも础滨研究の大きな目的です。
大桥:础滨をうまく使って、これまで不可能だったことを可能にすることができれば素晴らしいですね。
上野:今后、私达が今はまだ想像していないことがたくさん起こるような気がして、それがとても楽しみです。
江间:颁丑补迟骋笔罢自身が、自分が生成したものを「これはとても独创的?创造的です」と言っても説得力がありません。この音楽は素晴らしいとか、この手は素晴らしい、という评価を人间が下すことによって、はじめてそれが创造的であると认识されます。価値を决めるのは、最初に何かを成し遂げた人ではなくて2番目にそれを见いだした人だ、とよく言われるように、その役割は今のところまだ人间が担うべきものなのでしょう。
羽田:人间にせよ、创造性にせよ、时代性のある概念なので、これから100年后、200年后には、その価値がまた変わってくるかもしれません。人间だけが特别だと考える时代は终わりなのだろうなとも感じます。
角野:人が膨大な時間をかけて生み出していたものを AIが一瞬で作り出すようになると、創造性の価値は相対的に低くなっていくでしょう。創造性の価値は50年後、100年後には変わっているのかなと思います。
* 動画の全編はをご覧ください
角野 隼斗 |
上野 愛咲美 |
大橋 拓文 |
松原 仁 |
江間 有沙 |
羽田 正 |
动画収録:2023年6月
取材:寺田悠纪