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観测データから见るトルコ?シリア地震 「数百年に一度」にどう备えるか

掲载日:2023年4月20日

トルコ?シリア地震において确认された死者数は5万人を超えました。陆域で発生したきわめて大规模な今回の地震の特徴について、地震の揺れを研究している东京大学地震研究所の叁宅弘恵准教授に闻きました。

Seismic Monitoring System
© Negro Elkha / Adobe Stock
 

トルコ?シリア地震は「想定」できたのか

── 今回の地震の特徴は何ですか?

一番の特徴は、大规模な陆域の地震であったことです。地震波の记録データから地震の大きさをほぼ正确に计算?観测できる机器が世界各国で导入されるようになり50年ほどが経ちますが、この间、これだけ大きな地震が陆地に存在する断层で起きたことは、数えるほどしかないのです。同じような陆域の地震としては、2008年に中国の四川で発生したものがあり、死者?行方不明者は约9万人でした。今回のトルコ?シリア地震は、日本でいえば九州から関西にまたがる最大级の断层、中央构造线が全部ずれるのと同程度の规模に相当します。これだけ大きな地震が、人が住んでいる陆域で起こると、当然、被害も多く出てしまいます。

もう一つの特徴は、揺れの强さです。観测装置にも、连続的かつ広い范囲で?大きな揺れが记録されていました。

Türkiye earthquake hazard map
トルコ地震ハザードマップ
&肠辞辫测;内务省灾害紧急事态対策庁(础贵础顿)&苍产蝉辫;

── これほど大きな地震が起こる可能性は、これまでも認識されていたのでしょうか?

地震が発生した场所としては、想定外というわけではありませんでした。最新版のトルコのハザードマップを见ると、北アナトリア断层が东西に、东アナトリア断层が南西から北东に伸びていることが明らかです。断层掘削调査で、古くから地震が繰り返し起きていたことが知られているだけでなく、宗教的施设や世界遗产などが多いトルコでは、地震が起きたことを示す文献资料もよく保存されています。东日本大震灾の时、日本では平安时代の贞観地震(869年)が史料で确认できる地震として知られるようになりましたが、トルコに残っている歴史地震(*注)の记述には?西暦521年あるいはそれ以前まで遡るようなものもあります。

ただ、今回の地震の规模は?これまでの想定をはるかに超えてしまいました。一つ目の地震発生から9时间后に、さらにもう一つ大きな地震が起こり、こちらも非常に大きい规模でした。余震活动が続き、これから新たな地震がトルコ以南に広がって発生する可能性も示唆されています。死海沿いに発达している死海断层帯では过去に繰り返し地震が起きており、一部の研究者は今后そちらに连锁する可能性も悬念しています。

地震を测り、备えるということ

── もともと地震が起こりやすい場所には、観測装置が置かれていたのでしょうか?

地震発生直后、一般の人々が必要とする情报がすぐに提供されなかったことが指摘されていますが、専门家向けの地震観测データの収集に関して言えば、トルコは优れていたと言えます。大统领府直辖の组织が、それなりに予算をかけて自然灾害に备え、あらかじめ非常にたくさんの観测装置を设置していたため、今回の地震でも记録が确実に取れています。

Strong motion stations in Turkey
トルコの强震観测点分布
&肠辞辫测;内务省灾害紧急事态対策庁(础贵础顿)

また、収集された记録は地震発生翌日ごろには、ウェブサイトで世界に向けて発信されていました。日本の场合、1995年の阪神?淡路大震灾の际には観测点が少なく、その反省を踏まえて新たな観测点が设けられるようになりました。また、2011年の东日本大震灾では陆に観测点を置くだけでは不充分ということが分かり、海底にケーブルを张って海にも観测点を设置するきっかけとなりました。膨大な费用がかかりますが、计测することは地球科学の基本ですので、日本がトルコに见习うことは多いでしょう。

── 観測はしっかりとできていたにも関わらず、なぜ甚大な被害が出てしまったのでしょうか?

今回の地震の被害地域に住む人々も、东アナトリア断层の存在は知っていたはずです。トルコでは、过去に1939年のエルジンジャン地震で非常に多くの方が亡くなりました。その発灾日(12月27日)を记念して、地震の教训が语り継がれています。今回の震源から1000办尘以上离れたイスタンブルや他の都市でも、近年は地震に备えて防灾训练や教育が行われているという话を闻きます。しかし、津波と违って陆の地震の场合には大きな揺れが来るとすぐに建物が倒れてしまい、どうしても逃げるための时间が稼ぎにくいことは否めません。

このような特徴のある地域において考えられる大切な対策としては、病院や学校の建筑の耐震性を强化することでしょうか。実际、トルコの公共建筑はしっかりと造られているケースもあったと闻いています。ただ、人生の长さと、地球の动く时间のスケールはあまりにも违います。难しいのは、数百年に1度しか起きない大规模な陆の地震に个人と社会がどのように备えるか、ということです。

今后の调査に向けて

気になる点が二つあります。一つは、なぜ非常に强い地震动が観测されたのか。今回の地震の规模からすると、当初は、高层ビルに被害が出るような少しゆっくりとした周期の长い波が卓越した、つまり大きな振れ幅で発生していたのかな、と思っていました。しかし、実际の记録では予想に反して、周期が1秒から3秒程度のやや短めの卓越した波が観测され、それほど高层ではない建物も数多く倒壊しました。

もう一つは、被灾したエリアのうち北部と南部の性质の违いです。卫星画像などを见ると、北部では地面が10メートル近くずれていることが分かりますが、南部ではそういった报告は顕着に闻かれるわけではありません。一方で、南部では揺れの强さの记録や建物の被害が非常に大きく出ています。地球科学的に観测できている地震による地盘のずれの大きさと、揺れによる被害の大きさが南北でいわばあべこべになっているのはなぜか、これから调査したいと考えています。

*注:「歴史地震」とは、観测机器のない时代に発生し、文书による记録や、遗跡?地质に残された痕跡により确かめられる过去の地震のこと。

 
Hiroe Miyake

叁宅弘恵
东京大学地震研究所准教授

京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻博士课程修了、博士(理学)。东京大学地震研究所、东京大学大学院情报学环総合防灾情报研究センターを経て、2020年より现职。

取材日:2023年3月9日
取材:寺田悠纪、ハナ?ダールバーグ=ドッド

 
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