1,000回以上通った现场から见えてきた「広义のものづくり」の本质。| UTOKYO VOICES 059


大学院経済学研究科 教授 / ものづくり経営研究センター センター長 藤本隆宏
1,000回以上通った现场から见えてきた「広义のものづくり」の本质。
経済学の第二の危机が言われた1974年に东大文二の経済学部に入学した藤本は、2年のときに1年休学して渡米。「かつて米国移民の祖父が住んだシアトルから长距离バスでアメリカ中を放浪し、途中、ボストンのハーバード大学に寄ってスペシャルステューデントとして半年间、経済学以外を勉强しました」と、藤本は话す。
帰国后は公司の内部について学びたいと考え、経済学部で経営学を教えていた土屋守章教授のゼミに入り、组织论、戦略论、アーキテクチャ论(レゴ理论)などを勉强した。その流れで、製造公司の现场である工场の细かい実态调査をしたいと思ったが、学生の身分ではなかなか公司から许可が下りない。そこで、「工场と违って屋外空间にあるため自由に出入りできる农业の现场に行こうと考え、八ヶ岳山麓や千叶県印旛沼近辺の集落や圃场、灌漑施设(农业用水路、分水设备、ポンプ场など)に通って、集落间での农业用水の配分の実态などに関する闻き取り调査や现场観察を行いました」。
八ヶ岳山麓は江戸时代からの広域用水路で、集落间の水争いは激しいが、结果的には200年以上、非公式のルールやルーチンで水がうまく配分されてきた。一方、印旛沼では国の助成でポンプ场と地下埋设水路が完成。水争いは消えたが、共同体によるメンテナンスも行われず、目詰まり等すぐに机能劣化を起こしていた。このように水争いが持つ水配分机能を现场から学ぶこととなった。
藤本は调査を元に卒业论文「灌漑システムに関する组织论的考察」をまとめる。「现场で学んだ、意図せざる结果を伴う创発的な进化过程、つまり、必ずしも事前合理性を前提にしない事后的合理性という进化论的な発想は、私の调査研究者としてのベース」となり、その后の生产现场や产业の创発过程を捉える生产システム进化论、そして进化経済学に繋がった。
三菱総合研究所に就職してからは、自動車産業のプロジェクトを中心に、営業?調査?報告に従事。仕事先の米国で企業の受託調査の取材先で出会ったハーバード大学の教授に勧められ、同校のビジネススクール博士課程を受験し合格。世界中の自動車開発現場でデータ収集し、博士論文をもとに『Product Development Performance(製品開発力)』(キム?クラークと共著)を出版した。
その后东大に戻った藤本は、国内外の生产?开発?サービスなどの现场に行き、话を闻き、観察し、そこから、ものづくり経営学や、产业の进化経済学の理论を组み立てる。「広义のものづくりとは、製品の付加価値の流れを作ることであり、その付加価値は设计情报に宿る。生产とは设计情报の転写(设计情报を媒体すなわち直接材料に移転すること)であり、転写の速度?密度?精度で产业现场の竞争力は决まる。この基本论理は、製造业にも非製造业にも通用します」。
「日本公司の隠れた竞争力の一つは、近江商人以来の『叁方良し』。つまり顾客の満足(买手良し)?公司の利益(売手良し)?地域の雇用安定(世间良しつまり地域良し)の3つを同时に追求する経営思想を持つ优良な中小中坚公司が、地域に根差す现场を重视することです」
人件费が高腾した中国は产业高度化のため米国と同様の技术集约モジュラー(标準部品を组み合わせて作る)国を目指した结果、米中の产业は补完関係から竞合関係に変わり、米中技术摩擦となって现れる。潮目が変わった今、米中双方とアーキテクチャが补完的な日本の高度なインテグラル型製品(最适设计された部品を微妙に摺り合わせて作る製品)や部品は両国からの発注が増えてくるので、日本の公司や现场にも胜机はある。
「デジタル化が进展した今、设计思想论や组织能力论に立脚するものづくりの経営学を世界経済の现状に応用すると、こうした予想につながります」
デジタル化时代の今日、现场の能力构筑はいよいよ重要となる。「东大のものづくり経営研究センターは、十数年続く产学连携の『ものづくり経営研究コンソーシアム』や自治体十数カ所と连携する『ものづくりインストラクタースクール』を、さらに継続?强化していきます」。
现场主义の藤本ならではの成果は、论文はもちろん一般书としても発信される。「この分野の研究をやっていて面白いのは、现场の人たちと话をして波长が合った时です」
「市场に向かう良い设计の良い流れを作り、それによって买い手が喜び、売り手が储かり、世间すなわち地域が安定する(雇用が守られる)という叁方良しを実现していくのが、広义のものづくりの本质と考えています」

Profile
藤本隆宏(ふじもと?たかひろ)
1979年东京大学経済学部経済学科卒业、同年叁菱総合研究所入社、1989年ハーバード大学研究员、1990年东京大学経済学部助教授、1998年东京大学大学院経済学研究科教授、2004年ものづくり経営研究センターセンター长。トヨタ生产方式をはじめとした製造业の生产管理方式の研究で知られる。着书に『製品开発力』『生产システムの进化论―トヨタ自动车にみる组织能力と创発プロセス』『能力构筑竞争』『ものづくりからの復活』『ものづくり成长戦略』など多数。
取材日: 2018年12月3日
取材?文/佐原 勉、撮影/今村拓馬