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「もう一声」を追い求め、世界最高性能の超大规模シミュレーションアルゴリズムを开発。| UTOKYO VOICES 051

掲载日:2019年3月27日

UTOKYO VOICES 051 - 地震研究所 教授 市村 強

地震研究所 教授 市村 強

「もう一声」を追い求め、世界最高性能の超大规模シミュレーションアルゴリズムを开発。

ビッグデータ时代の今日、科学技术计算やビジネスなどにおいて、コンピュータの処理速度向上は至上命题だ。半导体の性能が2年で2倍になるという「ムーアの法则」が限界を迎え、コンピュータの処理速度向上の役割はハードからソフトにシフト。そのソフトのアルゴリズムをいかに开発するかが、大きな课题となっている。

市村のグループは、2014年と15年に2年连続でスーパーコンピュータの最高赏ともいわれるゴードン?ベル赏のファイナリストに选ばれ、世界の注目を集める。さらに、16年と17年にはスーパーコンピューティング?カンファレンス最优秀ポスター赏も受赏し、18年には再びファイナリストにノミネートされ、谁も実现したことのない世界最高性能の超大规模な地震シミュレーションの开発に取り组んでいる。

「感覚的に纳得できない时や、しっくりこない时に、疑问を持って追及していく子どもだった」という市村だが、进学に际しては理系あるいは文系に绞ることをせず「入学时に可能性を排除せず、2年生の进振りで行きたい分野を选択できる」ことに惹かれ东大に入学。「文学、経済学、法学などもいいと考えた」ものの、卒论のテーマを选ぶ前に社会基盘学科の少人数セミナーで学び、応用力学研究室に入ったことが、その后の市村を世界最高性能のスーパーコンピュータ追求の道に诱导する。

「95年の阪神淡路大震灾が起きたときに土木分野に进み、目に见えて力学や数学が重要で役立つことがわかりました。卒论のテーマとして地震を选んだことで地震研究所に异动したのですが、『もう一声、もう一声』と研究を続けていたら就职を忘れてしまい博士课程に进みました」

その后、东北大助手や东工大の准教授として研究を続けて地震研究所に戻り、数理计算科学の観点から、固体地球科学、地震学、土木工学に関连する问题を解决するための手法の开発と応用に取り组んでいる。ゴードン?ベル赏のファイナリストに选ばれたのも、スーパーコンピュータ「京」による地震観测データを活用した世界最先端のシミュレーションアルゴリズムの开発だった。

考えて、考えて、考え抜くと、复雑に络んでいたものが解きほぐれてきて违うものが见えてくる时がある。「それは楽しいというよりは根源的なもの、生きていくうえで欠かせないようなものであり、その瞬间を味わってしまうともうやめられません」。

高性能计算アルゴリズムを作って、スーパーコンピュータを活用しながら大规模で复雑な问题を解くことは、「私の中では一贯して目の前にある课题を『もう一声、もう一声』と追求した结果です。だから、今のものが最高ではなく、次に取り组むものが一番だと思ってやっています」。

「梦は、分野を限定しない一般的なアルゴリズムを作ること。将来的には、自分と若い人たちがもっと面白いと思えるような课题を解きたいと思っています」と话す市村の心には、今も「もう一声」が响いているに违いない。

(小物)「方眼紙メモ」

Memento

アイデアや考えをまとめるために、文字やグラフなどが记しやすい方眼用纸は、「指导教员から学生时代に顶いたものと同じものであり、初心に返らせてくれるありがたいものです」。学生には、「自分なりの考え方というものを、时间がかかってもいいから探し出す喜びを追って欲しい」と伝えている。

Message

Maxim

「いろいろな意味が含まれると思います。なにごとも一から始まります。それに気持ちを一つにということも。みんなの気持ちが一つにならないと、强い力を発挥できません。ただ一つ、ですね」

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Profile
市村 強(いちむら?つよし)

1999年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了(社会基盤工学専攻)、2001年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了(社会基盤工学専攻)、同年東北大学助手、2005年東京工業大学助教授、2009年東京大学准教授、2019年同教授。文部科学大臣表彰科学技術賞 若手科学者賞、2014年?2015年ゴードン?ベル賞ファイナリスト、2016年?2017年スーパーコンピューティング?カンファレンス最優秀ポスター賞、2018年ゴードン?ベル賞ファイナリスト

取材日: 2019年1月18日
取材?文/佐原 勉、撮影/今村拓馬

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