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人々の话(ストーリー)の中から现代人の死生観や伦理観が浮かび上がる。 | UTOKYO VOICES 006

掲载日:2018年1月30日

UTOKYO VOICES 006 - 人々の话(ストーリー)の中から现代人の死生観や伦理観が浮かび上がる。

大学院人文社会系研究科 死生学?応用倫理センター 准教授 堀江宗正

人々の话(ストーリー)の中から现代人の死生観や伦理観が浮かび上がる。

4才の顷の堀江は、「自分はどうして生まれてきたのだろう」と考えた。

その时に「人间の幸福のために生きろ」という启示のようなものが浮かんだという。「そんなことを考えるなんて普通ではないかもしれませんね。ただ振り返って见れば、结局、その时から今に至るまで、『では人间の幸福とはなんだろうか』ということを考え続けてきたわけです」。

中学生になると、ドイツの文学者ヘルマン?ヘッセを読むうちに、そのつながりから心理学者ユングに関心が出てきた。高校时代には心理学の本を読むようになり、信仰や凭依などの现象の宗教的な説明と心理学的な説明を统合できないかと考えるようになった。

大学では精神分析家であり、社会学者であるエーリッヒ?フロムを知り、学部では心理学を専攻したが、宗教心理学という分野があることを知り、大学院では宗教学の岛薗进教授に学び、その指导のもとで博士论文を书いた。

学生时代、周囲では死生学への関心は高くなく、宗教は葬式などより、人间の生き方に影响しなければ意味がないという考え方が一般的だった。「私自身は霊的なものへの関心から、死生学は重要だと漠然と考えていましたが、一方で死と生に関する経験がないうちにやるのは限界があると感じていました。それでも死生学の理论や思想の研究を続け、身内の死も体験したあとに、东日本大震灾が起こりました。それが本格的に踏み込む契机でした」。

最初は支援のために被灾地に出かけていたが、亲しい人を亡くした人たちから、自然に死者の霊の话が出てきた。研究しなければならないという思いで、东北大学の研究者と100人に话を闻いて论文にまとめた。そこでの一番大きな発见は、未知の霊についての怖い话と身内の霊についての心温まる话の二种类の话があるということだった。

「共同体が壊れたままの地域は浮かばれない霊が出るという話が多い。逆に寺院や墓が高台にあって助かり、人々の結びつきも強い地域では、霊が出たという話を聞くと皆が『どこだ? 会いに行きたい』という雰囲気だった。死者を住民として考えているのです」。

また、「死んだ人はどこにも行っておらず、ここにいるのだ」という人にも何人か出会った。「生き残った人たちはただ生きているだけでなく、死者たちとともに生きている。そのような语りから、谁もが伝えるべき死生観や伦理観を持っており、それを掘り起こしていきたいと考えるようになりました」。

その后も、反原発デモの参加者100人に闻き取りを行い、集计?分析を続けた。最近では人の死生にかかわる领域でケアを行うようになった人たちの価値観やライフストーリーの调査を进めている。

东日本大震灾后、人を助けるために活动しようという人がとても増えたと堀江はいう。一方で、弱っている人を自己责任だと攻撃する人もいて、世の中が二极分解している。

「なぜ自分の役に立たないのに、人助けをしようとする人が出てくるのか。生存を胁かされている人たちをケアすることは自然に、死生学の问题に结びつきます。人助けをし、ケアする人格はどうして形成されるのか。それが今、最大の研究テーマです」。

堀江は2011年に『スピリッチュアリティのゆくえ』(岩波书店)という本を书いている。「死と生や霊の问题、要するにスピリチュアリティ(霊性?精神性)に関心がある若者たちへのインタビューなのですが、彼らの多くはそれを友だちには话せないでいる。语ると引かれたり、いじめられたりすると恐れるのです。振り返れば、自分にもそういうところがあった。反论があるのは良いとしても、语ることすらできない状况はおかしい」。自分にとって大事な生き方や考え方の话を、普通に语れる世の中にしたいと语る。

「人间の幸福とは何だろうか」と问い続ける堀江の挑戦は続く。

取材?文/菊地原 博、撮影/今村拓馬

Memento

堀江が描いた宗教学者?姉崎正治の肖像画(作成中)。姉崎は明治26年に东京大学文学部哲学科に入学、井上哲次郎、ケーベルに学んだ人物。明治37年には东京帝国大学教授となり、翌年宗教学讲座を开设、日本の宗教学研究の発展の基础を筑いた

Message

Maxim

「『星の王子さま』からの一文を5?7?5で訳してみました。信仰などないという人でも、何か目に见えないものを大切にしています。爱も心もいのちも。それを探り当てたいという気持ちが私を研究に駆り立てています」

プロフィール画像

堀江宗正(ほりえ?のりちか)
1995年、东京大学大学院人文科学研究科修士课程を终了、2000年3月に同大学博士课程を単位取得退学。2001年から2013年まで、圣心女子大学にて専任讲师、准教授。2008年に东京大学大学院人文社会系研究科にて博士(文学)。2013年から同研究科人文社会系研究科の死生学?応用伦理センターで准教授。着书に『歴史のなかの宗教心理学』(2009年)、『スピリチュアリティのゆくえ』(2011年)。研究テーマはスピリチュアリティ、死生観。今后は世代间正义、未来伦理などにテーマを広げる予定。

取材日: 2017年12月19日

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