未来地図を描く:大学の新たな役割を | 総长室だより~思いを伝える生声コラム~第20回

东京大学第30代総长 五神 真
未来地図を描く:大学の新たな役割を
2月5日、総长として2册目の着书『』(ちくま新书)を上梓しました。「未来地図」に込めた想いをお话ししたいと思います。
4年前の総长就任以降、特に感じるのは世の中の変化の速さです。経験したことのないゲームチェンジが世界全体で起きつつある今、大学こそがその変化を先取りし、社会を良い方向にむけて変革を駆动すべきであり、それができるはずだと确信しています。私が総长として知っている大学の実像に基づく潜在力の高さがその根拠です。しかし、これは大学外の人が描く大学像とは大きな隔たりがあります。政府の审议会をはじめ、様々な场でしばしば「大学を変えねば」というご意见に接します。大学が进化していることがうまく伝わっていないのです。现在の大学の真の姿を広く伝え、多くの人に「今こそ大学を頼りにしたい」と思っていただくために、この本を着しました。
デジタル革命をきっかけに、経済社会を支える価値観が、これまでのモノから知识や情报へと転换する、知识集约型社会へのパラダイムシフトが起きつつあります。一方で温暖化や环境汚染など地球规模の课题はさらに深刻化しています。その中で、前号でも触れたインクルーシブさの追求こそが、より良い未来へ向かう道筋であることは间违いありません。大学の本领は新しい知を生み出すことですので、その大学こそが変革の中心となるべきというのは、未来から遡って考えるとごく自然な発想です。しかし、我々は过去から现在の延长线として未来を捉える议论に惯れており、未来から逆算して考えることは苦手なのです。
18歳人口がこれから减るので、それに备えて大学の规模を再検讨しようという大学改革の议论はその典型です。知识集约型社会において、大学に既にそなわっている知を创造する资源は极めて重要なのです。団块の世代が后期高齢者となる2025年まで时间はありません。东大だけでなく、日本全国の大学が持つ力を决して过小评価してはなりません。
この4年间、上记のような想いで学内外の多くのメンバーと共に大学改革を进めてきました。その具体的な方法论も本书にまとめています。知识集约型社会における大学の重要性に鑑みれば、これを「日本再兴プラン」と呼んでも过言ではないかもしれません。このプランを広く伝え、賛同者を増やすことで、世界に先がけてより良い未来を选び取る、それが本书で伝えたかった「未来地図」なのです。今こそ大学の出番です。未来へむけて、力を合わせて努力していきましょう。
「学内広报」1520号(2019年3月25日)掲载