尝骋叠罢蚕学生が抱える困难 ダイバーシティ&インクルージョン研究 03

このシリーズでは、様々な観点からダイバーシティ&インクルージョンに関连する研究を行っている东京大学の研究者を绍介していきます。

広报戦略本部 特任助教 ユアン?マッカイ
―― 研究内容について教えてください。
大学における性的マイノリティのためのキャンパス风土研究を行っています。
キャンパス风土とは、物理的な空间、人々が関わるシステム、同僚や仲间、教员とのやりとりも含めて、私たちがいる大学キャンパス全体のことです。私たちは、学部生や大学院生が大学生活をどのように体験しているか、また、特に性的マイノリティの学生が直面する课题について研究しています。身体的なハラスメントに始まり、何かを相谈したいと思ったときにどの窓口に行けばいいのかわからないといったことまで、様々な问题があります。私たちは、学生がどのような问题に直面し、どのようなメカニズムで対処しているのか、そして自分では対処できないようなニーズは何なのかを研究しています。そこに大学が介入し、十分なサポートを提供する必要があるからです。欧米等では、キャンパス风土の调査は多数行われていますが、日本の大学では、性的マイノリティの学生だけを対象にした大规模で包括的な调査は行われてきませんでした。

――研究を始めた経纬を教えていただけますか?
私は2015年に东京大学の尝骋叠罢蚕+职员の会を2人の同僚と立ち上げました。今では20~30人ほどの会になり、东大だけでなく関东の他大学の人たちも参加しています。また、东大の尝骋叠罢とアライ(理解?支援者)の学生団体である「罢翱笔滨础」と协力し、毎年、东京レインボープライドでブースを出す手伝いをしてきました。そうしたつながりから、3人の博士课程の学生が私のところに来て、「自分たちは东大のキャンパス风土の研究をしているので、これを拡充したプロジェクトとしてやりたい」という话を持ちかけてきました。そこで、一绪に科研费を申请し、2019年から研究を始めました。また、次の段阶として、性的マイノリティの教员に焦点を当てた研究を始めようと、新たに科研费を申请したところです。
―― なぜ大学生に焦点を当てようと思ったのですか?
人生のどのステージも大切ですが、(中等教育の)性的マイノリティの生徒への支援については、文部科学省のガイドラインが作成されています。しかし、国レベルで大学に法的な拘束力があるものはなく、学生へのサポートの提供义务という点で大学は中等教育と差があります。大学向けのガイドラインがいずれ作成される际に政策に反映できるよう、学生がどんな体験をしているかを正确に知ることが必要だと考えています。
もう一つは、大学は、特に学部生にとっては人生の中でとても重要なステージであるということです。初めて家族と离れて、実家から离れた町や都市で生活することもあります。非常に大きな自由を得られる时期なのです。そのため、実家では难しかったセクシュアリティの発见など、これまでになかった自分のアイデンティティを探求することができます。大学はそれまでの束缚から解放される场所なのです。大学は、学生が成长できるよう支援し、安全な环境を提供すべきです。学问的な学びの场を提供するだけでなく、こうしたことを踏まえた心のケアも提供すべきだと思います。
ほとんどの大学は一般的な支援は行っていますが、性的マイノリティの学生は取り残されがちです。そのため、日本の大学の実情を把握して、大学が学生を适切にケアするために必要なことを指摘することがとても重要だと考えています。
―― 研究の結果分かったことは何ですか?
この调査は2部构成になっています。第1部は性的マイノリティの学生へのインタビュー调査。そして第2部は、性的マイノリティの学生とそうでない学生を対象とした全国アンケート调査です。
第1部の调査で分かってきたのは、学生が问题に対処する际の最も一般的な方法が「问题の回避」だということです。これはとても残念なことです。学生がソーシャルな环境から遮断され、仲间や教员と深く强いつながりを筑けていないことを意味しています。
大学の外にコミュニティを求めている场合もあります。例えば、东京であれば、性的マイノリティの人たちが集まる新宿二丁目にコミュニティを探しに行ったり、以前から存在するコミュニティに行ったりしますが、多くの场合、身を守るためにキャンパスから离れることになります。カミングアウトできないと感じているのです。成绩に影响するのではないかという不安、教员から否定的な评価されるのではないかという不安、キャンパス内の友人?知人が自分を受け入れてくれないのではないかという不安などがその要因となっています。今、第2部の全国アンケート调査でもそうした倾向が当てはまるのか调べています。

―― 研究にはどのような理論が使われているのですか?
性的マイノリティをはじめとするマイノリティの研究において着名な理论モデルの一つに、「マイノリティ?ストレス」という概念があります。マイノリティの人たちは、マジョリティの人たちとは违う、何らかのユニークな経験をしています。それは、性的マイノリティや人种的マイノリティのメンバーであるからこそ経験するハラスメントによるものかもしれません。また、そのようなストレスは慢性的で、1日24时间、そして人生のすべての时间に影响します。自分でコントロールできるものではありません。例えば、日本に住む东アジア系以外の人は、外国人として常に人目を引き、外国人としての自己认识をいつも持っています。
もう一つは、マイノリティは何らかの形でスティグマを感じています。自分たちの価値感が、支配的な価値観と衝突する结果、社会构造や社会システムによって抑圧されます。例えば、日本では、ゲイやレズビアンの人が结婚したいと思っても、できません。今の日本の社会制度がそれを许さないからです。単纯に言うと、マイノリティ?ストレス理论とは、こうした特异で、慢性的で社会的な経験が、マイノリティの个人に慢性的なストレスを与えるという考え方です。それが、健康面でネガティブな结果につながることがあります。肾臓や肝臓などの问题や、うつ病や自杀リスク、不安感など、身体?精神両面へのネガティブな影响も引き起こす可能性があることが、研究によって明らかになっています。また、パフォーマンスの低下にもつながる可能性があります。それらを踏まえ、私たちはキャンパス风土やそこでの体験のアウトカムとして学业成绩の调査も行っています。
―― 2015年、一橋大学の法科大学院の学生がパニック発作を起こし、大学の建物から転落して死亡しました。彼が恋愛感情を持っていることを告白した男子学生に「アウティング」されたことがきっかけでした。その後、状況は変わったのでしょうか?
研究者や実务家の间では、よく知られた事件であり、本当に悲しい出来事です。何かがなされなければならないという、警鐘を鸣らす契机になるべきだったと思います。しかし、正直なところ、あれからどれだけ変わったのかはわかりません。性的マイノリティへの支援は、10年前に比べて确実に进展しました。その背景には、渋谷区などでパートナーシップ制度の整备が进んだことがあると思います。しかし、それがどの程度、高等教育における変化の必要性に后押しされているのかはわかりません。
东京大学は以前に比べて性的マイノリティの学生が抱えうる问题に真剣に取り组んでいます。性的マイノリティの学生にも対応できるカウンセリングやサポートを提供したり、新入生のためのオリエンテーションに性的マイノリティに関する情报を少し盛り込んだりしていますが、まだまだごく限られたものです。本学でもダイバーシティ宣言を準备中と闻いていますが、これはとても良いことだと思います。たとえ、「私たちはすべての人を大切にします」というようなシンプルな内容であっても、性的マイノリティや障がい者などが言及されていれば、それは非常に肯定的なものになります。しかしながら、宣言は行动につながる必要があります。
取材日: 2021年8月4日
取材?文/小竹朝子
撮影/ロワン?メーラー