研究コミュニケーションコンテスト3惭罢を开催 工学系研究科のマクシミリアン?ベルテットさんが优胜

开催日:2022年7月29日
博士課程の学生が3分以内で研究内容を説明することに挑む、国際的な研究コミュニケーションコンテスト「Three Minutes Thesis (3MT)」。参加者は、一枚のスライドだけを使って、自分の研究を専門家でない聴衆に向けて分かりやすく説明しなくてはなりません。
今年で4回目となる东京大学3惭罢は、7月29日にオンラインで开催されました。予选と準备を経て、16名のファイナリストが録画した动画のテーマは、砂漠の緑化から持続可能な食消费、そして都市遗产の管理やリモートワークプレイスのコミュニケーションまで、多岐にわたりました。

审査员を务めたのは、昨年优胜した新领域创成科学研究科のダイアン?バレンズエラ?グバタンガさん、神戸大学戦略企画室のユアン?マッカイ特命准教授、そして医科学研究所の石井健教授の3名です。
審査員は各自、ビデオを視聴し、その後オンライン会議を開き最終審査を行いました。優勝に輝いたのは、工学系研究科のマクシミリアン?ベルテットさんの "Sailing satellites, pushed by the air and the sun "(「帆走する衛星 空気と太陽に押されて」)と題したプレゼンテーションです。審査員のマッカイ特命准教授は、「彼のプレゼンテーションをとても楽しませてもらいました。非常に複雑なものをシンプルにすることに成功していました。マックスは彼の考えを凝縮し、それを視聴者が簡単に理解できるようにまとめていました。私たちが共感できるような彼ならではの味わいや、実例を交えながら、良いストーリーを作り上げました」と評価しました。
準優勝に選ばれたのは、理学系研究科のミカ?ハヤシさんのプレゼンテーション "Deciphering our DNA through the lens of AI" (「AIを通して私たちのDNAを解読する」)です。「ミカさんは、分かり易い例を挙げて、研究内容を明解に説明しました。ストーリーもよく練られたものでした」と審査員のグバタンガさんは話しました。
春雨直播appアカウントを持つ学生や教職員は2週間にわたって、ピープルズチョイス賞に投票することができました。集計の結果、断トツで一位に選ばれたのは、工学系研究科のキュンジン?キムさんのプレゼンテーション "Estimating the response of damage concentrated floor without sensor" (「損傷が集中している床の応答をセンサーを使わずに推測する」)です。「問題を明確かつシンプルに表現することに優れていて、発表の仕方も非常にフレンドリーで魅力的でした」とマッカイ先生は述べました。
审査员は、今年の応募作品は选ぶのが难しかったと话し、プロフェッショナルでとても魅力的なプレゼンテーションを行ったすべての参加者に祝辞を述べました。「皆さん本当にうまく自分たちの研究を説明してくれました。皆さんの情热も伝わってきました。このような能力があれば、将来はとても优秀な研究者になれると思います」とグバタンガさんは话しました。マッカイ先生は、「全てとても良いストーリーでした。问题点、プロセス、将来性、そして影响などをうまく表现していました。本当に见事でした」と述べました。

3惭罢は研究费を获得するチャンスですが、それ以外のメリットもあります。マッカイ先生は、このコンテストに参加してサイエンスコミュニケーションを学ぶことは「谁かに何かを説明するときに、役立ちます。自分が何をしているのかを説明しようとするときに、自分の考えを理解する助けになります。自分の知识を共有し、他の人もそれを活用できるようにすることは大切ですが、それは研究者自身にとっても同様に重要です。また、観客を意识するということは、一生役に立つスキルといえます」と説明しました。
今年の东大の3惭罢は终了しましたが、优胜したマクシミリアン?ベルテットさんは、9月26日にオンラインで开催されるクイーンズランド大学主催の2022年アジア太平洋3惭罢セミファイナルに、东大代表として出场します。
受赏者たちのプレゼンテーション动画を含む、全ての最终応募作品は、东大の驰辞耻罢耻产别チャンネルで视聴できます。
は、オーストラリアのクイーンズランド大学(鲍蚕)が开発した学术研究コミュニケーションコンテストです。2008年に初めて开催され、现在では世界85カ国以上、900以上の大学で开催されています。
入赏者からのコメント
3惭罢に参加した感想は?今后の参加者にアドバイスは?入赏したマックス、ミカ、そしてキュンジンの3人に3惭罢について话を闻きました。
マクシミリアン?ベルテット(优胜)

东大の3惭罢に参加して良かったことは?
私は、3惭罢参加準备のためのコミュニケーション?ワークショップの段阶から参加しました。技术を学び、フレームワークを持つ良い机会でした。これまでパブリックスピーキングに関しては、経験したり、人づてに闻いたりして学んできました。今回のワークショップでは、正式な基础を学び、それまで自分が考えていた概念を再构筑し、点と点をつなげることができました。また、他の大学院の研究者と出会い、彼らが何に取り组んでいるのか知ることができたのも良かったです。目からウロコだったのは、研究内容を凝缩して専门家でない聴众に伝える、ということに苦労しているのは自分だけではないということ。动画の作成はとても面白く、かつチャレンジングでした。最终的なアウトプットは、私が初めに考えていたものとは全く违うものになりました。
今回の経験を将来どのように生かしていこうと考えていますか?
二つあると思います。一つは参加するプロセス。そしてもう一つは、アウトプットです。先ほど話したことと似ていますが、プロセスについていえば、今回の経験を通して、サイエンスコミュニケーションやパブリックスピーキングに関して、自分の考えを構築するためのコンセプトを得ることができました。また会議やイベントを準備する際、そして友人と会話をするときに、彼らを疎外しないような話し方をするための方法を学びました。二つ目は、優勝し、3MTのコミュニティの一員になり、東大を代表する ―― 責任をもち、自分の研究の域を超えて考え、そして大学の国際化を促進するためにどう活用できるかを考える ―― ということを大変光栄に思います。また、自分自身の内気な性格を克服し、他の人にも試してみることを働きかける挑戦でもあります。受賞は終着点ではなく、むしろスタート地点です。
3惭罢への参加を考えている学生へのアドバイスはありますか?
おそらく、準备万端だと思える时はこないということです。延期したり、何かしらの言い訳を见つけることはいつだってできます。来年ならとか、そんな时间はないとか。いつまでも延期し続けることもできます。なぜ待ち続けるのでしょうか。今やりましょう。自分を他人と比较して、他の人のほうがスキルがあるとか、自分は劣ってるなどと感じることはありますが、特にパブリックスピーキングの分野においては、个性が问われることが多いので、他人と比较する必要はありません。自分に自信をもってください。あなたの个性やあなただからこそ贡献できることがあります。挑戦してみてください。
ミカ?ハヤシ(準优胜)

东大の3惭罢に参加して良かったことは?
新しいことに挑戦するとてもよい机会でした。私はあまりそういうことをしないので。普段は大学に来て、研究室で仕事をするという毎日で、他の人とのやりとりといえば、研究室の人たちや共同研究者や、メールなどを通じて友人とつながるということがほとんどです。特に楽しかったのは、3惭罢参加準备のためのワークショップです。普段は研究室の新メンバーくらいしか新しい出会いがないので、学内の様々な人々と出会うことができたのはとても良かったです。
今回の経験を将来どのように生かしていこうと考えていますか?
プレゼンテーションスキルは确実に向上しました。特に、予备知识のない人に何かを説明しなければならないときのスキルが向上したと思います。私が行っている研究の骨子や基础についての考えを深めていく助けになったと思います。そしてもちろん、学术のキャリアにおいても、プレゼンテーションを行うときに役に立つことでしょう。しかしそれだけでなく、私が考えていることや意见を友人に伝えるといった日常生活でも役に立つのではと思います。普段の会话もスムーズになるかもしれませんね。
今后参加するかもしれない学生へのアドバイスは?
少しでも兴味があれば、参加すべきだと思います。时间的なコミットメントが必要で、実际长い时间と多大な努力が必要でした。しかし、もし何も受赏しなかったとしても、自分の研究やコミュニケーションスキルについて多くのことを学べます。また、他の人と知り合うとてもいい机会でもあります。とにかく、挑戦してみてください。
キュンジン?キム(ピープルズチョイス赏)

东大の3惭罢に参加して良かったことは?
準备するなかで一番良かったことは、自分の研究のコンセプトや重要な部分に気づくことができたということです。また、専门用语は使えないので、専门家ではない人たちのことをもっと理解しようと思うようになりました。3惭罢に向けて準备をすることで、言叶を慎重に选び、また自分がどのように何をやっているのかということを、より深く考えることができるようになりました。
今回の経験を将来どのように生かしていこうと考えていますか?
他のさまざまな経験に役立つと思います。というのも、(前述したように)専门家以外の人に説明することは、私と同じ分野の専门家に説明するよりもはるかに难しいからです。なので、このコンテストとプレゼンテーションを経験したことは、今后さまざまなプレゼンテーションを行う上で役に立つと思います。また、ジェスチャーなど今回学んだことは大変兴味深く、プレゼンテーションにのめり込むことができました。3惭罢に挑戦したことは、私の人生で最も大きな経験の一つだったと思います。自分が研究する科学の特定分野が、どのように世界の人々の役に立つのかといったことについて考えることは、本当に楽しかったです。
今后参加するかもしれない学生へのアドバイスは?
まず応募することが大切だと思います。一次选考を通过できてもできなくても、とにかく挑戦してみてください。
*この記事は、2022年8月10日に春雨直播app FOCUS 英語版に掲載されたものです。
春雨直播app 3MT 2022 contestants and their presentations