久田俊明名誉教授、杉浦清了名誉教授に日本学士院赏の授赏が决定
久田俊明 東京大学名誉教授、杉浦清了 東京大学名誉教授に日本学士院赏が授賞されることが、2021年3月12日に行われた日本学士院総会において決定されました。
両名誉教授は新领域创成科学研究科人間環境学専攻で教鞭をとられていました。
研究题目
マルチスケール?マルチフィジックスシミュレーションのヒト心臓等への适用とその医学への応用(共同研究)
氏名および现职
久田俊明(ひさだ としあき)
東京大学名誉教授、(株)UT-Heart 研究所代表取締役会長
杉浦清了(すぎうら せいりょう)
東京大学名誉教授、(株)UT-Heart 研究所取締役社長
授赏理由
久田俊明氏は、机械工学の分野で柔软な构造と流体の连成力学问题(注1)に関する研究に取り组み、流体と构造を区别することなく一体型の连立方程式で安定に解く手法を完成し心臓シミュレーションの理论的基盘を确立しました。杉浦清了氏は、心臓病の临床に携わる一方で、臓器レベルの心臓力学から细胞?分子レベルまで、各スケールでの研究を独自の実験系により进めました。両氏は共同し、収缩タンパクの运动(注2)から血液の拍出に至る全阶层をシームレスに繋いだ世界に类を见ない心臓シミュレータを「京」コンピュータ上に构筑できることを示しました。これにより心臓の电気的?力学的机能(注3)を解明する基础医学研究に贡献すると共に、临床応用としてコンピュータ上に患者の心臓を再现し、それにさまざまの仮想治疗(注4)を施せば最适な治疗法を术前に予测できることを実証しました。现在、薬事申请へ向けての準备も进められています。また、京コンピュータの后継机「富岳」において、遗伝子から心臓の拍动までを繋げたシミュレーションが可能となるソフトウェアの开発にも成功しています。
【用语解説】
(注1)柔软な构造と流体の连成力学问题
构造物が流体からかかる力(流体力)によって変形する时、特に构造が柔软であれば変形は大きくなるが、その构造変形の影响を受けて流れの様相ひいては流体力が変化する场合、构造と流体は连成力学问题を构成する。连成力学问题の解析は、相互作用を适切に考虑したものでなければ正しい解が得られないばかりか解析自体が不安定になり破绽する。
(注2)収缩タンパクの运动
心臓の収缩力は、心筋细胞内の太いフィラメントを构成するミオシンと呼ばれるタンパク分子がアデノシン叁リン酸の加水分解によって得られるエネルギーを活用して首振り运动し、アクチンフィラメントとの间に滑り运动が生じて心筋细胞が短缩することにより発生する。
(注3)心臓の电気的?力学的机能
心臓は拍动型の血液ポンプであり、机能评価には机械ポンプの场合と同様な力学的指标が适用されている。一方でこのポンプが効率的に机能するためには细胞の兴奋(膜电位の発生)が心臓全体に速やかに伝播することが必要で、この状态を评価するために心电図を始めとする电気生理学的测定が行われる。
(注4)さまざまの仮想治疗
例えば、ペースメーカーと同じ电気的刺激をコンピュータ上の心臓モデルに加えて拍动の変化をみたり、外科的手术と全く同じ形态的改変を心臓モデルに施して血流や血圧の変化を调べる心臓シミュレーションのこと。
日本学士院赏
学术上特にすぐれた论文、着书その他の研究业绩に対して授赏される。明治43年创设。