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浜名湖畔で进むフグの性染色体研究/菊池洁の遗伝学@静冈県 | 広报誌「淡青」35号より

掲载日:2017年11月1日

実施日: 2017年09月08日

遺伝学 @ 静岡県
 
雌雄を决めるのはたった一个の顿狈础塩基だった
浜名湖畔で进むフグの性染色体研究

昔から渔业が盛んだった浜名湖エリア。そこに位置する水产実験所では、しかし、鱼を获ることよりはむしろ増养殖业につながる研究が行われてきました。高级食材フグの遗伝子を研究する菊池先生が発见した、特にヒトのオスとしては気になる事実をご覧ください。
 
顔写真

菊池 潔/东京出身
Kiyoshi Kikuchi

准教授


 


わたくしの所属する水产実験所は、静冈県にある浜名湖のほとりにあります。败戦前、ちょうど二?二六事件があったころに、当时の养殖先进地帯であった爱知県にふたつの水产実験所がつくられ、その后、高度経済成长のまっただ中に今の场所に移転?统合されたそうです。移転当时を知る先生方の话によると、当时の水产実験所には弥生の农学部からたくさんの学生が実験のためにやってきて、たいへんな盛况だったそうです。日本の水产研究が世界をリードしていた时代だったと闻いています。


トラフグは、食材として有名ですが、ゲノム科学のモデル生物としても利用されています。


 

実験所近くには长大な砂浜が広がっています。学生実习では、海岸侵食について考えます。

実験所から见る浜名湖はしばしば美しい夕焼けに染まります。

さて、実験所がある浜名湖周辺ですが、昔から住みやすいところだったらしく、新石器时代にはすでに集落があったそうです。奈良时代にはヤマト王権の统治机构に组み入れられ、六国史や万叶集といった文献にもしばしば颜をだしますし、渔业荘园などが点在していたという记録もあるようです。江戸时代には、渔业という特徴に加え、东西交通?流通の要所へと変貌しました。现在は自动车产业や农业が盛んな地域ですが、水产の観点からみると太平洋侧の渔业と浜名湖内の渔业があり、いまの日本の中では比较的活気を保っている渔业地域といえそうです。

といったように実験所周辺は渔业がさかんなところなのですが、水产実験所は基本的に海产生物の饲育をする施设なので、地域渔业との直接的なつながりはありません。饲育设备を活用した研究というものは、「増养殖业」に贡献できますが、野生生物を海から取ってくる「渔业」にはさほど役立たないのです。

とはいっても、当実験所が地域との交流活动をしていないわけではありません。例えば、「浜名湖をめぐる研究者の会」を毎年开催しています。その特徴は、大学の研究者のみならず、中高生や在野の研究者といった様々なひとたちが集まってくれていることです。昨年は参加者が80名をこえる盛况となりました。ちなみにこのときは集会终了后に、実験所常驻学生たちが参加者に研究施设内をボランティアで案内してくれました。常驻学生たちは、东日本大震灾のときもボランティアでかけつけていましたし、えらいなあと本当に思います。

水产実験所では、私の他に3人の教员(田角聡志?细谷将?平瀬祥太朗)がいて、协力しながらそれぞれの研究をおこなっています。私が力をいれているのは、鱼の雌雄をきめている遗伝子の研究です。ヒトなどでは、驰染色体をもつ个体がオスとなります。驰染色体は齿染色体が退化した成れの果てともいわれ、齿染色体とくらべると长さが异常に短く、いわゆるジャンクと呼ばれる役立たずの顿狈础配列が多量にたまっており、多くの遗伝子を失っています。ヒトの知见が印象的であったためか、多くの动物でも性染色体の状况は似たようなものだと一般には思われていました。ところが私たちは、フグの驰染色体と齿染色体の违いが、たった一塩基の顿狈础配列の差であることを见つけました。雌雄をきめるスイッチとしては、考えられる中で最もシンプルなメカニズムです。いま、このメカニズムが动物界にひろく存在しているという証拠をつかみつつあります。水产养殖では雌雄の产み分けがもとめられるケースが多々ありますが、その方法开発に私たちの研究成果は活用されています。
※本记事は広报誌「淡青」35号の记事から抜粋して掲载しています。笔顿贵版はをご覧ください。

 


 
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