栗の名产地で进むハムづくり/李俊佑の畜产学@茨城県 | 広报誌「淡青」35号より
実施日: 2017年09月08日
畜産学 @ 茨城県
イベリコ、パルマの次はカサマ?
栗の名产地で进むハムづくり
イベリコ豚やパルマ豚が有名ですが、ドングリや栗を食べて育った豚はおいしくなるといわれます。そこで立ち上がったのが、栗の名产地?笠间市に位置する牧场に本拠を构える李先生。
市役所や地元レストランとの连携で、栗豚を用いたカサマハムづくりを进めています。
李 俊佑
Li JunYou
助教
东京大学には日本全国に渡って、数多くの附属施设があります。その中で、牛、马、山羊および豚を饲育し、大学の教育?研究に资している附属施设が农学部の附属牧场です。茨城県笠间市に位置しており、弥生キャンパスから约100办尘离れています。笠间市は笠间焼で全国にその名が知られていますが、栗の生产量も日本有数です。よって、栗を使用した商品が数多くあります。生栗?栗甘露煮?栗渋皮煮?栗ペースト?栗菓子?栗焼酎等が挙げられます。ところで、これらの商品を生产する过程では沢山の副产物が出てきます。
熟成が进む「カサマハム」。 |
一方、世界で有名なハムと言えばイベリコハム、そしてパルマハムがあります。これら二种类のハムには共通点があります。共に仕上げ段阶(60~70办驳体重)からドングリか栗を约二カ月以上给与しています。豊富なドングリ畑と栗畑があるから可能なことで、现代の一般的な养豚法と违ってドングリ畑あるいは栗畑に放牧されるのです。元気でストレスが少ない豚の生产体系です。一方、现代の养豚では生まれてから出荷まで(生まれてから约6か月间、体重约110办驳まで)すべてウィンドウレスの屋内で饲育しています。我々の食卓に上る豚肉は豚舎内でトウモロコシと大豆をベースとした饲料で饲育されます。最近、テレビのコマーシャルや焼き肉屋さんでよく闻く叁元豚の豚肉ですが、実は叁つの品种(ランドレス种デンマーク原产(25%)、大ヨークシャー种イギリス原产(25%)、デュロック种アメリカ原产(50%))を掛け合わせて作った豚肉です。その中で、50%の寄与率を占めるデュロック种は主に精肉用で肉质と味が优れています。しかも、この豚は毛色が赤毛(写真)で栗の色ともよく似ています。
附属牧场では毎年秋に一般公开デーを开催しています。见学ツアー、クイズラリー、写生大会、乗马体験などイベントが盛りだくさん。今年は10月28日(土)に开催。 |
我々はこれらのことに着目し、市の行政側と栗商品生産過程で出てくる副産物の再利用の一環として、栗の副産物を飼料に混入して栗豚を生産し、栗豚ハムの研究開発を目的としたプロジェクトを5 年前から開始しました。ハム作りには後腿のみを使いますが、栗豚ハム作成は既に仕込んで半年が過ぎ、出来上がるまでにはまだ1年を必要としています。また、栗投与により豚肉の味がどう変わるのだろうかと考え、試食会を試みました。栗投与豚肉と投与していない対照群の豚肉との比較調査です。参加者は我々附属牧場のスタッフと市の職員、市内のレストラン経営者等で、二つの調理方法、すなわちシャブシャブと焼き肉方式を用いました。30数年間豚の教育と研究に携わってきましたが、このような方法での試食会は初めての体験でした。しかも、予想外の結果で驚きました。シャブシャブ方式では7割近い人が栗を投与していない豚肉のほうが美味しいとの判定でした。ところが焼いて試食した結果は、ほとんどの参加者が栗を投与した栗豚肉のほうが美味しいとの判定でした。要は、豚肉は飼育方法と調理方法の適切な組合せによりもっと美味しく食べられることが分かりました。イベリコハムやパルマハムもそうやって生まれて来たのでしょう。仕込んである栗豚ハムの試食会が待ち遠しくなりました。将来、調理方法で豚肉を選ぶ時代が来るかもしれませんね。研究はまだ進行中で、脂肪諸成分分析、肉質分析など科学的根拠の探究を継続しています。
※本记事は広报誌「淡青」35号の记事から抜粋して掲载しています。笔顿贵版はをご覧ください。