雷云に隠れた天然の加速器を雷が破壊する瞬间を捉えた 放射线?大気电场?电波による高エネルギー大気现象の観测


雷放电によって破壊される雷云内の加速机构
雷云からのガンマ线ビーム(左)とその放射源を破壊した雷放电(右)。能登半岛の上空を雷云が通过した际に、地上の放射线検出器が雷云内の电子加速によって生成されたガンマ线放射を検知した。电子の加速机构は雷放电によって破壊され、ガンマ线放射とともに消灭した。
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东京大学大学院理学系研究科の和田有希大学院生らの国际共同研究グループは、雷云内で発生した电子の加速现象が雷放电で破壊されたことを、能登半岛における放射线?大気电场?长波帯电波での冬季雷観测により明らかにしました。
近年の研究により、雷云から数分~数十分にわたって放出されるガンマ线が検出されています。雷云の中に存在する强电场は大気中の电子を加速?増幅し、制动放射によりガンマ线を発生させます。この现象は「ロングバースト」と呼ばれていますが、ロングバーストがどのように発生?成长?消灭するか、どのように数十分持続する电子の加速机构を维持するかなど、多くの基础的な性质が明らかになっていません。
今回の観測は金沢大学能登大気観測スーパーサイト (石川県珠洲市) で行われました。2017年2月11日に雷雲の接近を大気電場計が検知し、75秒継続したロングバーストが雷放電によって途絶した様子を放射线検出器が観測しました。富山湾に設置された5台の受信機からなる長波帯雷観測ネットワークは、能登半島の上空を西から東へ進展する雲放電を検出しました。放電路は観測サイトの南東0.7 kmを通過しており、通過時刻はロングバーストの途絶時刻と一致しました。したがって放電路進展が観測サイトの上空にあった電子の加速機構を破壊し、ロングバーストを停止させたことが明らかとなりました。
ロングバーストは雷の前駆現象ではないかと議論されており、今回の観測では世界で初めて、ロングバーストの途絶と雷放電との関係を詳細に明らかにしました。今回のケースでは雷放電はロングバーストの発生位置から15 km離れたところで開始したため、ロングバーストは放電の開始に影響を与えていませんでしたが、継続的な観測により、ロングバーストと雷放電の開始との関係が明らかになると考えられます。
「今回の研究は放射线?大気电场?电波観测のコラボレーションによるもので、その结果が论文としてまとめられたことを大変うれしく思います」と和田大学院生は话します。「ロングバーストの途絶事象は数年に一度の频度でしか観测されていない贵重なイベントであり、放射线?大気电场?电波の同时计测が実现した観测サイトで、このような事象が検出されたことは运が良かったと思います。これまで限定的だった异分野间の连携が进展し、今后の観测でどのような未知の现象に出会えるかを楽しみにしています」と期待を寄せます。
本成果は东京大学、理化学研究所、米国ロスアラモス国立研究所、京都大学、东京学芸大学、神戸市立工业高等専门学校、近畿大学、カリフォルニア大学サンタクルーズ校、名古屋大学、金沢大学、日本原子力研究开発机构の国际共同研究によって得られたものです。
论文情报
Y. Wada, G. Bowers, T. Enoto, M. Kamogawa, Y. Nakamura, T. Morimoto, D. M. Smith, Y. Furuta, K. Nakazawa, T. Yuasa, A. Matsuki, M. Kubo, T. Tamagawa, K. Makishima and H. Tsuchiya, "Termination of Electron Acceleration in Thundercloud by Intra/Inter-cloud Discharge," Geophysical Research Letters Online edition: 2018年5月17日, doi:10.1029/2018GL077784.
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