见る方向や光の偏光によって叁色に変化する物质を発见 重い迁移金属元素を含む物质が生み出す新たな机能性


今回発见した新物质の结晶とその结晶构造
今回発见した新物质颁补3ReO5Cl2は见る方向や入射する光の偏光方向によって色が変わる多色性という性质を示します。この物质では、重い迁移金属元素のレニウム(搁别)を含むことと、レニウムに5つの酸素が歪んだピラミッド型に结合していることが、多色性を示す键になっています。
© 2017 平井大悟郎
东京大学物性研究所の平井大悟郎助教、广井善二教授らの研究グループは、原子番号の大きな重い迁移金属元素であるレニウムを含む新物质の合成に成功しました。この物质は、见る方向によって色が緑からオレンジに変化し、さらに光の偏光により、赤?黄?緑の3つの全く异なる色を示すことを発见しました。本研究で得られた知见は、今后より强い色の変化や、异なる色の変化を示す物质を开発するための指针を与えることが期待されます。
本物质では、含まれるレニウムのd电子がエネルギーのより高い状态に励起されるときに、光を吸収することで色を示します。光学测定や理论计算を行った结果、入射する光の偏光によって吸収されるエネルギー(光の色)が异なるため、色の変化が起こることを明らかにしました。また、この性质は、5d电子をもつ元素であるレニウムを含むことと、レニウムのまわりに酸化物イオンと塩化物イオンという2种类の阴イオンが存在するため现れることがわかりました。今回発见された新物质の特异な光学特性は、5d电子を含む物质の新たな可能性を示します。
「この物质は、他の物质を作ろうとして偶然に合成されました。最初は色の异なる复数の物质が得られたと思いましたが、ピンセットで结晶をつまんだときに方向によって色が変化することに気づき、これまでの研究生活のなかで一番兴奋しました」と平井助教は话します。「重い迁移金属元素を含むことが重要なポイントですが、そのような物质の研究はまだまだ発展途上です。今后さらに重い迁移金属元素を含む新物质を合成し、新しい物性や机能を见出していきたいと思います」と続けます。
论文情报
'Visible' 5d orbital states in a pleochroic oxychloride", Journal of the American Chemical Society Online Edition: 2017/07/17 (Japan time), doi:10.1021/jacs.7b05128.
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