伸缩性导体の限界を伸ばす 银ナノ粒子の自然形成により高い导电率を达成
东京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授らの研究グループは、元の长さの5倍の长さに伸ばしても高い导电率を维持する伸缩性导体の开発に成功しました。この新たな素材はペースト状のインクの形态で、センサーを内蔵するウェアラブルデバイス(身体に装着して使用する电子机器)や、ロボットの表面に人间のような皮肤机能を持たせるための伸缩性のある配线として、テキスタイルやゴムの表面に様々な模様を印刷することができます。
心拍数や筋活动のような人间の健康や身体能力を観察するものも含めウェアラブルデバイスの开発が现在进められており、すでに市场に登场している製品もあります。さらに、ロボットが製造业に加えヘルスケアや小売业の分野にも登场しており、伸长による高い歪みにも耐えることができる精度の高い伸缩性导体の材料へのさらなる応用が急ピッチで増加しそうです。
「ウェアラブルデバイスやロボットに対する需要が増えてきているのを目にしました」と、本研究を监督する染谷教授は话します。「その必要性に対応し製品开発を実现するための一助として、印刷できる伸缩性导体の作製がとても重要であると感じました」と続けます。
高い伸长性と导电率を达成するため、研究グループは伸缩性导体の作製に4种类の成分を混合しました。マイクロメートル寸法の银フレーク、フッ素ゴム、液体の表面张力を减少させる物质として一般に知られるフッ素界面活性剤、それにフッ素ゴムを分解する有机溶媒から成る伸缩性导体のペーストが、同グループが2015年に开発した伸缩性导体に比べ性能が际立って优れていることを発见しました。
この新たな伸縮性導体が印刷された配線は、伸長前で、導電率の評価に関する一般的な手法を用いて4,972 S/cm(ジーメンス毎センチメートル)という高い導電率を記録しました。200%(元の長さの3倍)まで伸ばしても、導電率は1,070 S/cmと評価され、従来の伸縮性導体の値(192 S/cm)の約6倍となりました。さらに400%(元の長さの5倍)まで伸ばしても、この新たな伸縮性導体は、この伸長量の記録としては最高水準である935 S/cmという高導電率を維持しました。
この伸缩性导体の性能の高さは、导电性复合ペーストを印刷し加热すると、银フレークの1/1,000の大きさの银ナノ粒子がフッ素ゴム中に均等に自然形成されるためであることが、走査电子顕微镜(厂贰惭)や透过电子顕微镜(罢贰惭)を用いた拡大により示されました。「银ナノ粒子の形成は予想していませんでした。」と染谷教授はこの惊くべき発见についてコメントします。
さらに研究グループは、フッ素ゴムの分子量といった変数を调整することにより、ナノ粒子の分布と密度をコントロールでき、また界面活性剤の存在と加热によりナノ粒子の形成が加速され、その大きさにも影响があることを発见しました。
この伸缩性导体の実现可能性を示すため、研究グループは、テキスタイル上に印刷できる伸缩性导体で配线した、弱い力を感知でき、また体温や室温に近い温度を测定できる、すべて印刷による圧力と温度のセンサーを作製しました。このセンサーは、热と圧力を用いたホットプレス手法により表面に薄くかぶせることで简単に取付けることができ、250%まで伸ばしても正确な测定ができました。これは、快适で身体にフィットしたスポーツウェアの肘や膝といった强い力がかかるしなやかな箇所や、しばしば人间の能力を凌ぐ设计でそのためにより强い负担がかかるロボットのアーム内の関节に适合するのに十分です。
この新たな素材は、大きな表面积をカバーできるステンシルマスク印刷やスクリーン印刷といった高性能印刷技术にも耐久性があり适しており、取付けも简単で、印刷の际に、银フレークに比べわずかな费用の银ナノ粒子を形成する特性により、ウェアラブルデバイスやロボット装置、変形可能な电子机器への幅広い応用を実现するための安価な代替手段となります。研究グループは现在、さらにコストを削减するため银フレークを代替するものを调査するのと同时に、同様の高い性能を持った伸缩性导体を作製するため、非フッ素ゴムのような他の高分子や、さまざまな材料やプロセスにも着目しています。
论文情报
Printable elastic conductors by in situ formation of silver nanoparticles from silver flakes", Nature Materials Online Edition: 2017/05/16 (Japan time), doi:10.1038/nmat4904.
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