春雨直播app

ARTICLES

English

印刷

ガラス内部で起きるミクロな「雪崩」现象の原因を解明 结晶化とエイジングに共通メカニズム

掲载日:2017年8月4日

© 2017 柳島大輝、John Russo、田中肇粒子运动が局所的に引き起こされた(黄丸)后、「雪崩」のような急激な构造変化が全体に波及する(赤)。雪崩に伴い骨格の组み换えが起きる(赤线)。雪崩前の力のバランスを保っていた骨格构造(青线)の大部分は変化しない。

粒子の「雪崩」と构造「骨格」の変化と相関
粒子运动が局所的に引き起こされた(黄丸)后、「雪崩」のような急激な构造変化が全体に波及する(赤)。雪崩に伴い骨格の组み换えが起きる(赤线)。雪崩前の力のバランスを保っていた骨格构造(青线)の大部分は変化しない。
© 2017 柳島大輝、John Russo、田中肇

東京大学生产技术研究所の田中肇教授、John Russo(ジョン?ルッソ)特任助教(現:英国ブリストル大学講師)、柳島大輝日本学術振興会特別研究員の研究グループは粒子配置が乱雑なまま凍結したガラス状態の固体が、突然、「雪崩」のような粒子運動を経て秩序だった状態に変化する「雪崩」現象の機構を、数値シミュレーションにより解明しました。更に「ガラスの结晶化」と古い窓ガラスの歪みなどに代表される「ガラスのエイジング」が、共通の機構に支配されていることを明らかにしました。本研究は、ガラス状態を安定化するための新たな原理を提供し、今後の新素材の開発につながると期待されます。

近年、液体のような构造を持ちながら固体のようにふるまう「ガラス状态」が注目されています。研究グループは多数の刚体的な球形粒子の配置が乱雑なまま固まったガラスを対象としたシミュレーションを行い、雪崩的な多数の粒子の运动を伴って起きる急激な构造変化が、近接粒子の配置の乱れが大きく隙间の多い、少数からなる粒子集団の运动をきっかけにして起きることを明らかにしました。そして、その少数の粒子移动が、构造骨格が保っていた力のバランスを壊し、その结果、大きな「雪崩」となって系全体に影响を及ぼすことを明らかにしました。

ガラスとは液体の构造を保ったまま冻结した固体材料ですが、长期にわたるゆっくりとした构造変化に伴い、その特性が失われることがあります。构造が変わることで、体内での吸収速度が変わってしまう医薬品、电子特性が着しく劣化してしまう半导体材料、氷の形成によって细胞骨格などが崩れてしまう低温保存中のバイオ试料などの分野で、ガラスの构造変化の机构解明が急务とされてきました。

「これまで、一见极めて安定に见えるガラス状态が、どのように、结晶化したりエイジングしたりするのかについては、十分な理解がされていませんでした。今回の研究は、少数の粒子のわずかな运动がきっかけとなり、系の力学的なバランスが失われ、その结果雪崩现象が诱発され、不可逆的な构造変化がもたらされることを示しています。その意味で、この现象は本物の雪崩とよく似ています」と田中教授は説明します。「この知见が、ガラス状态にある材料や薬の安定化に役立てば」と期待を寄せます。

论文情报

Taiki Yanagishima, John Russo, Hajime Tanaka , "Common mechanism of thermodynamic and mechanical origin for ageing and crystallization of glasses", Nature Communications Online Edition: 2017/06/29 (Japan time), doi:10.1038/ncomms15954.
论文へのリンク()

関连リンク

アクセス?キャンパスマップ
闭じる
柏キャンパス
闭じる
本郷キャンパス
闭じる
驹场キャンパス
闭じる