自然界が多様な化合物を生み出す遗伝子の组み替えメカニズム 抗生物质の生合成“アセンブリライン”をいかに组み立て并び替えるか?
东京大学大学院薬学系研究科の张驪駻大学院生と阿部郁朗教授らの研究グループは、自然界がどのように多様な构造を持つ天然化合物を作り分けているかの遗伝子组み替えメカニズムの一端を明らかとしました。本成果は遗伝子を再构筑して新たな分子を作り出すことに応用できると期待されます。
医薬品の合成はこれまで、有机化合物を人工的に反応させる有机合成が中心的な手法として用いられてきましたが、近年酵素や微生物の発酵生产などの生合成を用いて有用物质を生产する「合成生物学」が注目を浴びています。しかしながら、思い通りに分子を设计して生合成する手法は未だ限られており、自由な分子デザインを可能にする方法论の开発が课题となっていました。
同研究グループは医薬品として重要なポリケタイドの合成酵素に着目し、その机能を解析しました。その结果、细菌のゲノム中より见出した巨大なポリケタイド合成酵素を种の异なる别の细菌(异种)で発现することにより、既知のポリケタイドと似ているものの异なる构造を持つ新しいポリケタイドが生合成されることを発见しました。そこで、自然界がどのように构造の违いを作り分けているかを、遗伝子を解析することにより调べた结果、构造の违いは遗伝子が组み変わることに起因していることがわかりました。そして、遗伝子中で组み换えが起きる领域や组み换えの规则についても部分的に解明することに成功しました。
「ポリケタイド合成酵素は组み立てラインのような构造を取り、遗伝子の配列と得られる化合物の构造が対応するがことが特徴的です」と阿部教授は説明します。「今回の成果は组み立てラインのモジュールを自由自在に并べ変え、多様なポリケタイド化合物を作り出すことへの応用が期待されます」と続けます。
なお本成果は、产业総合研究所の新家一男博士、北里大学の池田治生教授らとの共同研究により、また、文部科学省科学研究费补助金?新学术领域研究(研究领域提案型)「生物合成系の再设计による复雑骨格机能分子の革新的创成科学」の支援のもと行われました。
论文情报
Characterization of Giant Modular PKSs Provides Insight into Genetic Mechanism for Structural Diversification of Aminopolyol Polyketides", Angewandte Chemie International Edition Online Edition: 2017/01/11 (Japan time), doi:10.1002/anie.201611371.
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