微弱な电流で、高齢者の体のバランスが长期に改善 痛みや不快感が生じない程度の微弱な电流を耳から加える


苍骋痴厂によるバランス改善効果
苍骋痴厂の30分间刺激を、4时间の间隔で2回加えた际の身体のバランス感覚の改善効果を示す。刺激前の点线で示した値よりも刺激后の青线で示したバランスの指标が下回っており、改善の効果が见られる。
© 2017 藤本千里
東京大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科?聴覚音声外科の藤本千里助教、岩﨑真一准教授、山岨達也教授らの研究グループは、健康な高齢者に微弱な電流を耳から加えたところ、刺激を停止した後も数時間にわたって、加齢とともに悪化する身体のバランス感覚が改善する、という新しい現象をとらえました。本成果は、治療困難な身体のバランス機能の障害の新しい治療法開発の礎となるものと期待されます。
耳の奥にある平衡感覚を司る前庭器官は、身体のバランスを保つのに重要な役割を果たしています。前庭の働きが悪くなると身体のバランスが悪くなり、特に高齢者の前庭障害は、従来の治疗では改善しないことが多く、有効な治疗法がありません。
本研究グループはこれまでに、耳の后ろに装着した电极によって痛みや不快感が生じない程度の微弱な电流、経皮的ノイズ前庭电気刺激(苍骋痴厂)を加えると、健康な成人群や前庭の障害が认められる患者群において身体のバランス感覚が改善されること报告しています。しかし、この研究では、30秒间という短い时间の苍骋痴厂刺激中における改善が示されただけであり、苍骋痴厂による长期的な改善の有无については明らかになっていませんでした。
今回研究グループでは、64~70歳の健康な高齢者30名に、苍骋痴厂の刺激を30分间与えた场合と3时间与えた场合のバランス感覚の改善を调べたところ、どちらの场合でも刺激终了后、数时间にわたり、バランス感覚の改善が持続することが明らかになりました。さらに、30分刺激を4时间の间隔をあけて繰り返すと、刺激终了后の改善効果が强まる倾向が见られ、改善効果の持続时间にも1回目の刺激に比べ延长していました。
本研究では、苍骋痴厂がその刺激を停止した后も长时间にわたって身体のバランス感覚が改善し続けるという、新しい现象を见出しました。常に电流の刺激をしなくても身体のバランス感覚の改善が持続することを示しており、今后の治疗への応用に向けて期待が高まります。
「これまでの一连の苍骋痴厂の研究は、治疗が困难であった身体のバランス障害に対する新しい治疗法开発の础となる」と藤本助教は话します。「今后、苍骋痴厂が前庭障害の患者において长期的な身体のバランス感覚の改善がみられるどうかをさらに検証するための临床试験を予定しています。この临床试験で苍骋痴厂の効果が証明できれば、苍骋痴厂が世界で初めて科学的に信頼性の高い、前庭障害による难治性の身体のバランス障害の治疗法となりえるだろう」と続けます。
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论文情报
Noisy galvanic vestibular stimulation induces a sustained improvement in body balance in elderly adults", Scientific Reports Online Edition: 2016/11/21 (Japan time), doi:10.1038/srep37575.
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