蚊の膜タンパク质を用いたヒトの汗の匂いを感知するセンサ 人工の细胞膜に埋め込み、ロボットに搭载


蚊の受容体を用いた匂いセンサを搭载した移动ロボット
ロボット上部にヒトの汗の匂い成分を染みこませた纸をかざすとセンサが反応し、ロボットは右侧に移动した。
© 2016 Shoji Takeuchi research group.
東京大学生产技术研究所の竹内昌治教授と神奈川科学技術アカデミーの三澤宣雄研究員らの研究グループは、住友化学と共同でヒトの汗の匂いに反応する蚊の膜タンパク質(嗅覚受容体)を人工的に作った細胞膜に組み込んだ匂いセンサを開発し、移動ロボットに搭載したところ、匂い物質にセンサが反応し、ロボットを動かすことに成功しました。災害現場などで不明者を探すセンサへの応用が期待されます。
これまで様々な匂いセンサが世界各国で开発されています。しかし、コンパクト性や感度?选択性という面で生物の嗅覚には及ばない、という课题がありました。
研究グループは、グループが以前に开発した、天然の细胞膜を真似て脂质の二重膜(人工细胞膜)を形成する方法を発展させ、蚊の触角に含まれている膜タンパク质でヒトの汗の匂いに反応する嗅覚受容体を人工の细胞膜中に埋め込みました。この嗅覚受容体は、ヒトの汗の匂い成分の一つとされるオクテノールに强く反応し、膜の电気の通しやすさ(导电率)を変化させます。この変化を読み取って蚊はヒトの匂いを感知します。
研究グループは、嗅覚受容体を埋め込んだ人工の细胞膜(センサ)を小型の无线装置に取り付け、移动ロボットに搭载しました。そして、ロボットの周辺でオクテノールを漂わせると、匂いに反応して、ロボットが移动しました。
研究グループは、今回开発したセンサを视界不良のため、画像探査等が不可能な灾害现场などで不明者を探すセンサとして応用することを目指しています。
「蚊以外の别の昆虫の嗅覚受容体を利用することで、麻薬や爆発物の検知に使える可能性もあります。」と竹内教授は话します。「现在、最长约一时间のセンサ寿命を半日程度まで长持ちさせることを目标に开発を进めます」と続けます。
なお、本研究は(国立研究開発法人新エネルギー?産業技術総合開発機構)NEDO の「次世代人工知能?ロボット中核技術開発」のプロジェクトの一つとして行われ、本成果は東京大学、公益財団法人神奈川科学技術アカデミー、住友化学株式会社と共同で得られたものです。また本成果は、2016年10月にアイルランドで開催された国際学会MicroTAS 2016にて口頭で発表しました。
论文情报
Odorant Sensor Using an Insect Olfactory Receptor Reconstructed in Artificial Cell Membrane", The 20th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences (Micro Total Analysis Systems 2016) Oral presentation: 2016/10/10 (Japan time)
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