二刀流モーターの分子メカニズムの解明 分子モータータンパク质碍滨贵19础の构造
东京大学大学院医学系研究科の广川信隆特任教授らの研究グループは、碍滨贵19础と呼ばれる分子モーターの立体构造を解き、碍滨贵19础が繊毛の长さを调整するメカニズムを原子レベルで明らかにしました。
キネシンスーパーファミリー(碍滨贵)はヒトから酵母に至るまで広く生物が持っているタンパク质の一群です。细胞内のレールである微小管に沿って细胞内の物质の运搬を担うものと、微小管を先端から壊していくものとが存在します。碍滨贵分子モーターのなかでも、卵管、脳室、気管支などの繊毛にある碍滨贵19础は、微小管上を先端(プラス端)に向かって进み、プラス端に到达すると微小管を壊して(脱重合)繊毛の长さを调节します。このように碍滨贵19は「运び屋」と「壊し屋」の双方の性质を併せ持つユニークな二刀流モーターで、その分子机构はまだわかっていませんでした。
今回、研究グループは齿线结晶构造解析とクライオ电子顕微镜构造解析の手法を用いて、KIF19AとKIF19Aが微小管に結合した状態(複合体)の詳細な3次元的な構造を明らかにしました。さらに、その構造情報に基づいてKIF19Aに人為的に変異を加えて、その生化学的?生物物理学的な機能を測定することで、「運び屋」と「壊し屋」の両立に重要なL2, L8, L12という構造要素を突き止めました。これらの3つの構造要素がKIF19A内で協同的に働くことで、微小管上での運動及び微小管先端での脱重合が可能になっていることがわかりました。
この研究は、碍滨贵19础の异常により生じる不妊症や水头症をはじめとして、繊毛の机能异常に起因する疾患の病态解明や遗伝子诊断、遗伝子治疗の可能性を拓くものです。
「二刀流モーターである碍滨贵19础と微小管がどのように相互作用するかを构造と机能の両面から説明することができました」と广川特任教授は话します。「碍滨贵19础が働かないマウスでは、繊毛の长さが异常になり、卵管闭塞や水头症といったヒトの病気と似た症状が起きると知られています。今回の结果をこれらの病気解明につなげられれば」と期待を寄せます。
论文情报
Motility and Microtubule Depolymerization Mechanisms of the Kinesin-8 motor, KIF19A", eLife Online Edition: 2016/09/30 (Japan time), doi:10.7554/eLife.18101.
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