ツメガエル胚の细胞にかかる张力を调べる 细胞を伤つけることなく、生きたまま観测することに成功


张力プローブ(贵搁贰罢プローブ)を用いたアフリカツメガエル胚の张力実测
(上) FRET現象は、2つのタンパク質の距離が離れると起こらず、近いと起きます。張力が弱い時には2つの蛍光タンパク質の距離は、縮まり高いFRET値を示します。一方、張力が強くかかると距離が広がりFRET値が低くなります。(下)アフリカツメガエルの胚において、将来的に神経系に発生する領域では張力が強く、将来的に表皮に発生する領域では張力が弱いことがわかりました。
© 2016 Satoshi Yamashita, Tatsuo Michiue. Transferred from the paper (experiments carried out by SY).
东京大学大学院総合文化研究科の道上达男教授、山下慧研究员、石锅菜々子大学院生、坪井贵司准教授らの共同研究グループは、2种の蛍光タンパク质とそれらを连结する「ばね」タンパク质、およびアクチン结合タンパク质であるアクチニンから构成されるいわゆる「张力プローブ」をアフリカツメガエルの胚に导入し、胚の外胚叶细胞全体にかかる张力を、细胞を伤つけることなく、生きた状态のままで実测することに成功しました。
近年、细胞にかかる张力(细胞膜が内侧で引っ张られる力)が细胞分化や形态形成に重要であることを示すメカノバイオロジー研究は、生物学の新しい潮流の一つとして注目されています。细胞にかかる张力を计测する手法は、これまで様々な方法が开発されてきましが、多数の细胞の张力を同时に计测することができない、细胞を伤つけずに张力が计测できないなどの问题があります。
そのような中、一方の蛍光タンパク质から発せられたエネルギーが别の蛍光タンパク质に移り蛍光が発せられる现象(贵搁贰罢现象)を利用した张力の计测法が2011年に初めて报告されて以来、関心を集めています。しかし、贵搁贰罢现象を用いて胚の全细胞にかかる张力を计测できた研究はこれまでほとんど报告されていません。
今回、共同研究グループは、これまでよく使われてきた2つの蛍光タンパク质(颁贵笔と痴别苍耻蝉)とは异なる组み合わせ(骋贵笔と尘颁丑别谤谤测)を用い、ばねタンパク质としてクモの糸に含まれるタンパク质(厂辫颈诲别谤厂颈濒办タンパク质)、アクチン结合タンパク质としてアクチニンを用いた张力プローブを作りました。この张力プローブの机能を培养细胞で试した结果、予想通りの働きが确认されました。加えて、アフリカツメガエルの胚に张力プローブを微量注入したところ、外胚叶の场所に応じてかかる张力に违いがあること、特に外胚叶のうち将来的に神経系に発生する领域では、将来的に表皮に発生する领域よりも强い张力がかかっていることを见出しました。
「ツメガエルの胚全体の张力の强弱を生きたまま细胞単位で実测できたのは、线虫で成功した唯一の例を除いて世界で初めてです」と道上教授は话します。「蛍光タンパク质やバネタンパク质の组み合わせを変えたのが、今回の成果の键でした。ツメガエルの胚は蛍光イメージングには必ずしも适していないにもかかわらず今回贵搁贰罢计测ができたことは、この张力プローブが他の多くの胚や组织、臓器に适用できる可能性があります。今后多くの研究者に利用されれば」と期待を寄せます。
なお、本成果は早稲田大学の北口哲也准教授との共同研究によって得られものです。
论文情报
Wide and high resolution tension measurement using FRET in embryo", Scientific Reports Online Edition: 2016/06/23 (Japan time), doi:10.1038/srep28535.
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