重粒子线放射线照射が全身に与える影响 3600枚のメダカ全身连続切片で放射线の组织変化を详细に解析


メダカへの重粒子线照射実験のイメージ図
放射线を照射できる装置(左上)によってメダカ个体の一部に重粒子线を照射后、メダカの全身を连続的にスライスした切片を作製します。得られた切片から肾臓を3次元的に再构筑(左下)すると、重粒子线の照射した部位で血球细胞の减少が観察されました。また、毛细血管の拡张や出血も観察されました。
© 2016 浅香 智美
東京大学大学院新领域创成科学研究科の浅香智美特任研究員、尾田正二准教授、三谷啓志教授らの研究グループは、がんの放射線治療にも利用される重粒子线(炭素イオンを加速させた放射線の一種)をメダカの体表に照射した後、メダカを連続的に薄くスライスした切片を用いて全身組織の変化を細胞レベルで明らかにしました。今回の研究結果ががん治疗などでの局所的な放射線照射時の健康リスク評価に貢献すると期待されます。
放射线を局所的に照射した场合、照射していない部位へどのような影响があるのかという点については长らく悬念されていました。このような影响を调査した従来の研究では注目している组织を摘出して个别に解析する手法が主流であり、全身をくまなく评価することはなされていませんでした。
今回の研究グループは、量研机构高崎量子応用研究所のイオンビーム照射研究施设(罢滨础搁础)を利用して、ヒトと同じ脊椎动物でありながら体が小さく解析が容易なメダカの一部分に重粒子线を照射し、全身を连続切片にして解析する全く新しい方法を开発して、放射线を照射した场合の全身の影响を明らかにしました。その结果、放射线が到达しない组织にも毛细血管の拡张や出血が生じるという现象を新たに発见しました。また、部分的に放射线照射した肾臓の组织像を3次元的に再构筑して详细に分析した结果、放射线が照射されている部分の组织の萎缩に加えて、照射されていない部位の血管にも放射线の影响があることを明らかにしました。
体表から约2尘尘までしか到达しないようにエネルギーを厳密に调整した重粒子线を罢滨础搁础のサイクロトロンで作り出し、全身麻酔を施したメダカの背侧と腹侧から照射できる方法を开発しました。メダカを细胞レベルで全身くまなく観察するには、1匹を5マイクロメーターの厚さで连続的にスライスした切片が约3600枚必要でした。
「重粒子线は、エックス线やガンマ线に比较して、细胞への影响が强く、より精密な照射も可能であることから、がん治疗の现场で利用されています。今回の知见は、このようながん治疗の基础研究の大きな一歩です」と叁谷教授は话します。また、「今后はこのメダカを用いて、毛细血管の拡张を引き起こす炎症反応のメカニズムを解明したいと考えています」と浅香特任研究员は话します。
なお、本成果は量研机构高崎量子応用研究所、北里大学および山口大学の研究グループと共同で得られたものです。また、今回の连続切片データは、山口大学のバーチャルスライドとして公开されています。
论文情报
In vivo 3D analysis of systemic effects after local heavy-ion beam irradiation in an animal model", Scientific Reports Online Edition: 2016/06/27 (Japan time), doi:10.1038/srep28691.
论文へのリンク()