生物の持つ多燃料エンジンが働く仕组み べん毛モーターのイオン透过机构を解明
东京大学大学院総合文化研究科の西原泰孝特任研究员と同分子细胞生物学研究所の北尾彰朗准教授は、大肠菌が持つべん毛のモーターを构成する「固定子」にあたるタンパク质复合体の立体构造モデルを実験データと计算机シミュレーションによって初めて构筑し、水素イオン(プロトン)などのイオンが固定子の内部を透过する机构の一端を明らかにしました。
大肠菌やサルモネラ菌などの细菌は、细胞内外のイオン浓度の差に起因するエネルギーを非常に効率よく利用して、べん毛のモーターとスクリューにあたるべん毛繊维を回転させ泳いでいます。细菌のべん毛モーターには、プロトンを固定子に透过させて回転のために必要なエネルギーを作り出すものや、ナトリウムイオンや复数のイオンを利用するものもあります。しかし、细菌のべん毛モーターの原子构造はこれまで未解明で、イオンを透过する详しい仕组みも明らかになっていませんでした。
今回、西原泰孝特任研究员と北尾彰朗准教授は、これまで未解明だったべん毛のモーターの固定子であるタンパク质复合体惭辞迟础/叠の立体构造モデルを构筑し、プロトンがヒドロニウムイオンとしてこの膜贯通タンパク质の内部を透过する机构と、プロトンの透过がモーターの回転方向を一方向に制限するラチェットレンチのような动き(ラチェット运动)を生み出すことを明らかにしました。
このような高効率なエネルギー変换の机构を明らかにすることは、エネルギーを有効に利用できる生物の仕组みを理解するために重要です。
论文情报
Gate-controlled proton diffusion and protonation-induced ratchet motion in the stator of the bacterial flagellar motor", Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America Online Edition: 2015/6/9 (Japan time), doi:10.1073/pnas.1502991112.
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