现代日本の纷争过程と司法政策 民事纷争全国调査2016–2020
人びとの日常生活における纷争の経験およびそれへの対応行动を実証的に明らかにする研究は、世界各国で活発に行われており、グローバルな法社会学研究の中心テーマの一つとなっている。本书は、现代日本社会における纷争过程の全体像を明らかにする目的で、全国の法社会学の研究者グループが行った大规模社会调査プロジェクト「民事纷争全国调査2016-2020」の成果である。
本書は、具体的には、次の3つの課題に取り組んでいる。第1に、全国的な大規模社会調査 (2つのサーベイ調査およびインタビュー調査) の結果に基づき、人びとの日常生活上の紛争経験およびそれへの対応行動の最新の状況を実証的に明らかにすること、第2に、超高齢社会化や家族?雇用関係の変容など、現代日本のマクロな社会変動と人びとの日常生活における紛争経験との関わりを解明すること、そして第3に、この間の司法制度改革の進展が、人びとの紛争経験およびそれへの対応行動にもたらした影響を明らかにし、司法制度改革の効果を経験的データに基づき検証することである。
本书には合计38本の论文を収録している。冒头の第1章では、本书の母体となった「民事纷争全国调査2016-2020」プロジェクトの概要、とくに、その中心をなす3つの调査の内容を説明して、本书全体への导入を行っている。それに続く37本の论文は、4つの部に分けられている。第1部には、纷争の発生から、専门の助言机関や法専门家の助言?支援を経て、その终结に至る、纷争の一连のプロセスに関する最新の知见を明らかにする论文を収めている。第2部には、诉讼当事者の属性、诉讼をめぐる诉讼当事者の期待と评価、判决と和解に対する诉讼当事者の评価の比较等を行う论文を収めている。第3部には、家族?雇用関係の変化、超高齢社会化、ジェンダーなど现代日本のマクロな社会変动と人びとの日常生活における纷争経験との関係を扱う论文を収めている。第4部では、纷争経験を纷争当事者の视点から问い直す论文を収めている。
本书の特徴としては、第1に、现代日本社会における纷争过程の全体像を社会调査データに基づき実証的に明らかにしていること、第2に、その际、大规模サーベイ调査のデータに基づく定量的研究アプローチとインタビュー调査のデータに基づく定性的研究アプローチとの结合を図っていること、第3に、この分野の世界的な研究动向を踏まえ、グローバルな法社会学研究への理论的?実証的贡献を自覚的にめざしたことがある。
全750页に及ぶ大部な専门书であるが、研究者?法曹実务家?司法政策関係者をはじめ、现代日本の法と社会の在り方に関心を持つ多くの人にご覧いただければ幸いである。
(紹介文執筆者: 社会科学研究所 名誉教授 佐藤 岩夫 / 2023)
本の目次
第1部 紛争の展開と専門機関への相談
纷争の展开过程
第2章 紛争ピラミッドの12年:接触と紛争を発生させるものは何か(杉野 勇)
第3章 トラブル経験の特徴と専门机関相谈の规定要因(佐藤岩夫)
第4章 相談行動?情報探索行動と法的ソーシャルサポート(高橋 裕)
専门机関への相谈行动
第5章 トラブルに際して誰に相談するのか:情報探索行動の傾向とパターン(常松 淳)
第6章 弁護士相談の規定要因(濱野 亮)
第7章 弁护士に対する诉讼当事者の评価:10年で评価はどう変わったか(ダニエル?贬?フット)
第8章 法テラス利用の阻害要因(桥场典子)
第9章 専门家?専门机関に対する利用者の评価(阿部昌树)
纷争の终结
第10章 専门机関への相谈とトラブル终结(鹿又伸夫)
第11章 トラブルの终结(阿部昌树)
第2部 诉讼利用と当事者の评価
诉讼当事者の属性
第12章 本人诉讼の分析(长谷川贵阳史)
第13章 同一事件の当事者の诉讼への态度:事件当事者は同じ梦を见るか(木下麻奈子)
第14章 相手方属性とトラブル経験?诉讼経験(平田彩子)
第15章 民事诉讼における诉讼当事者と弁护士の関係性:2007年调査と2018年调査の比较(太田胜造)
诉讼をめぐる当事者の期待と手続评価
第16章 裁判にかかる費用や時間の認識と裁判利用行動意図の関係:構造方程式モデリングによる未経験者と経験者の比較(森 大輔)
第17章 诉讼利用の総合的満足度の规定要因(斋藤宙治)
第18章 诉讼利用者の裁判に対する意见と期待:自由回答データのテキスト分析を中心に(佐藤伸彦)
和解の选択と効果
第19章 诉讼上の和解に関する当事者および弁护士の意识(佐伯昌彦)
第20章 和解による解决と当事者の诉讼手続评価:2007年民事诉讼当事者调査との比较を中心に(垣内秀介)
第21章 満足度、主観的有利さ、结果の履行、再利用の意向に対する和解成立の効果(今在庆一朗)
第3部 现代日本の社会変动と纷争の诸相
家族?职场の変化と纷争
第22章 超高齢社会における「家族问题」とその当事者(田巻帝子)
第23章 家族に関する问题における负担感の意识と対処行动(吉武理大)
第24章 职场や働き方をめぐる个别労働纷争の男女比较分析(黒川すみれ)
第25章 過払金返還請求訴訟の特徴(飯 考行)
超高齢社会における纷争特性
第26章 高齢者のトラブル経験と対応行动(土屋明広)
第27章 高齢者のトラブル対応への家族による関わりとその関連要因(山口 絢)
第28章 一般人からみた民事纷争における法利用:高齢消费者被害シナリオを用いたサーベイ実験から(前田智彦)
第29章 高齢者にとっての民事裁判(飯田 高)
第30章 裁判に対する高齢者の満足を规定する要因:特に期待との関係で(藤田政博)
ジェンダー视点から见た纷争経験?诉讼経験
第31章 ジェンダーの视点から见たトラブル経験:司法アクセスと文化资本(石田京子)
第32章 トラブル経験とケアの在り処(南野佳代)
第33章 ジェンダーの视点から见た民事诉讼:2006年?2007年调査から変わったこと、変わらないこと(渡辺千原)
第4部 纷争経験をめぐる当事者の语り
第34章 混浊する纷争経験の构筑(仁木恒夫)
第35章 不本意な法的决定を受容する方法:相続をめぐるトラブルで民事诉讼の被告となった当事者の语りから(藤原信行)
第36章 近隣トラブルにおける「トラブル経験」と「相谈行动」(山田恵子)
第37章 「トラブル」の自由记述のテキスト分析:谁が何をどのように记述するのか(菅野昌史)
第38章 「裁判への期待/悬念」はいかに语られたか?:司法経験に関する面接调査データの「质的研究」とその意义(北村隆宪)
むすび(佐藤岩夫?阿部昌树?太田胜造)
関连情报
着者インタビュー:
新刊着者访问 第42回 (东京大学社会科学研究科ホームページ 2022年11月28日)
着者コラム:
佐藤岩夫「法を『測ること』と『聴くこと』──『现代日本の纷争过程と司法政策』刊行に寄せて」 (『UP』610号16-22頁 2023年8月号)