ゲーム理论の〈里口〉入门 ボードゲームで学ぶ戦略的思考法
ゲームのプレイ体験を轴に初学者にゲーム理论の「雰囲気」を掴んでもらうことを狙った入门书です。
ゲーム理論は、複数の主体 (個人?企業?国家など) がそれぞれ自分の利益を最大化しようとするときに何が起きるかを分析する、今日の社会科学の中核をなす基礎理論です。筆者が専門とするミクロ経済学では特に多用されています。
ゲーム理论には、高度な数学などの前提知识はほとんど必要ありません。にもかかわらず、大学で教えていると、最初の理解につまずく学生が多い印象です。これはいったい何故でしょうか? ゲーム理论を理解するためにはゲームの全体を俯瞰する客観的な分析者の视点と、ゲームの参加者として自分の利益を最大化しようとするプレイヤーの视点の両方が必要です。両方の视点が必要なのに、座学や书籍を読んでの独习では客観的な分析者の视点しか得られないことが理解の妨げとなっていると感じています。授业や教科书などでは、学习者の视点はずっと分析者のままであり、プレイヤーの気持ちをイメージすることができません。教科书で説明されるモデルはいわばボードゲームの説明书ですが、説明书を読んだだけでプレイヤーが何をすべきかを想像するのがボードゲーム初心者には难しいのと同じように、教科书を読んでゲーム理论のモデルを理解するのは难しいのです。
ボードゲーム爱好家の多くが賛同してくれると思いますが、説明书を読んでもよくわからないゲームを理解するためには、试しにプレイしてみるのがベストです。ゲーム理论の教科书で出てくるモデルだって、プレイヤーとして1回体験してみれば初学者でも色々なことがわかります。授业でも、题材として扱う「ゲーム」を実际にプレイさせることは「経済学実験」としてしばしば行われます。独习向けの书籍として、代わりに読者がプレイしたことのありそうなゲームを题材にして、ゲーム理论の色々なコンセプトの「雰囲気」を掴んでもらうのが、本书の目标です。
さすがにゲーム理论の教科书でよく绍介される、ありとあらゆるコンセプトを、市贩のボードゲームを使って导入するわけにはいかないため、きちんとゲーム理论を勉强するにあたっては教科书を併用し、特に东大の学生の皆様には授业を履修していただきたいのですが、本书を読んでイメージを掴み、普通の教科书と授业では身に着けられない感覚を楽しく补ってもらえば、きっと皆様の学习の役に立つかと思います。
(紹介文執筆者: 経済学研究科?経済学部 講師 野田 俊也 / 2023)
本の目次
第1章 「パズル」を極める──1人プレイゲーム
第2章 じゃんけんの均衡を探す──同时手番ゲーム
第3章 詰将棋を攻略する──完全情报の动学ゲーム
第4章 ポーカーを解体する──不完备情报ゲーム
第5章 ボードゲームをゲーム理论で攻略する
第6章 ボードゲームで社会をハックする
あとがき
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関连情报
丸山俊一 評「趣味はボードゲーム?異色のゲーム理論入門書」 (東洋経済ONLINE 2023年7月22日)
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Table Games in the World 2023年6月22日
関连记事:
「環境問題のジレンマ?『ゲーム』で構造理解が進む――基本的な構造は?囚人のジレンマ?と似ている」 (
东洋経済翱狈尝滨狈贰 2023年6月28日)
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