光文社新书 础滨とカラー化した写真でよみがえる戦前?戦争
本书は、本学学生の庭田杏珠さんと、情报学环の渡邉英徳教授が共同で进めている「记忆の解冻」プロジェクトの、2020年春までの成果をまとめたものです。このプロジェクトは、庭田さんが広岛市内の高校に在学していた2017年にスタートし、発展しながら続けられてきました。
戦前から戦后にかけての写真は、もっぱらモノクロです。カラーの写真に眼が惯れた私たちは、无机质で静止した「冻りついた」印象を、白黒の写真から受けます。このことが、戦争と私たちの距离を远ざけ、自分ごととして考えるきっかけを夺っていないでしょうか。
この「問い」から、カラー化の取り組みがはじまりました。庭田さんと渡邉教授はいま、AI (人工知能) と人のコラボレーションによって写真をカラー化し、対話の場を生み出す「记忆の解冻」プロジェクトに取り組んでいます。
「记忆の解冻」は、人工知能技术で自動カラー化した写真をもとにして、対話の場を生み出す試みです。過去から“ストック”されてきた資料の「凍りついた」イメージが、最新技术で「解凍」されて“フロー”化し、コミュニケーションが創発することによって、過去の記憶が未来に継承されます。
「记忆の解冻」では、まずモノクロ写真を「自动色付け」したのち、戦争体験者との対话?厂狈厂のコメント?当时の资料などをもとに、手作业で「色补正」していきます。この过程で、できごとについての记忆が人々の心のなかでよみがえり、対话の场が生まれます。
庭田さんを中心とした、中島地区 (現在の広島平和記念公園) における活動は大きく拡がり、元住民との対話でよみがえった、ゆたかな「記憶の色」を再現しています。また、渡邉教授がSNSに日々投稿するカラー化写真は広く拡散され、過去のできごとにまつわる対話に、多数の人々が参加しています。こうした対話の場においてさまざまな情報が寄せられ、さらなる事実も明らかになってきました。
本书には、こうした「记忆の解冻」の活动成果であるカラー化写真355点を収録しました。戦前の広岛?冲縄?国内のようす、そして开戦から太平洋戦线,冲縄戦?空袭?原爆投下?终戦にいたる、戦争の记忆を伝えるためのトリガーとなるはずです。
これまで无関心だった人にも「戦争?平和」を自分ごととして捉え想像し、それぞれが感じた想いを発信してもらうことが、本书の目的です。憎しみや悲しみを乗り越えて、「もう谁にも同じ思いをさせてはならない」と平和を愿う戦争体験者の崇高な想いが、よみがえった「记忆の色」を通して共感とともに社会に拡がり、未来へ継承されていくことを愿っています。
(紹介文執筆者: 情報学環 教授 渡邉 英徳 / 2020)
本の目次
1941 PREWAR
1941 WAR BEGINS
1942
1943
1944
1945
1945-1946 POSTWAR
ふたりが见つめた未来
「时を刻みはじめる」
関连情报
new! 第11回広岛本大赏 (2021年8月10日)
令和2年度学生表彰「东京大学総长赏」受赏
庭田杏珠 (教養学部1年)『記憶の解凍』
/ja/students/events/h12_03.html#
中央公论社新社「2021新书大赏」ベスト20 (中央公论新社 2021年)
ACM SIGGRAPH ASIA 2019 Art Gallery/Art Papers (Full art papers), Accepted: Anju Niwata and Hidenori Watanave: "Rebooting Memories": Creating "Flow" and Inheriting Memories from Colorized Photographs; (ACM SIGGRAPH ASIA 2019 Art Gallery/Art Papers 2019年11月)
第66回 国際理解?国際協力のための高校生の主張コンクール 外務大臣賞
庭田杏珠「世界の平和のために日本と国連ができること - AIと対話で、戦前の白黒写真の「記憶の色」を蘇らせる活動を通して -」 (公益財団法人日本国際連合協会 2019年10月15日)
アーバンデータチャレンジ2018,アクティビティ部门入选
渡邉英徳、庭田杏珠、山浦徹也、中川幹朗、與那覇里子、久松弘樹、土居剛幸:「记忆の解冻」(アーバンデータチャレンジ (UDC) 2019年3月16日)
国际平和映像祭(鲍贵笔贵贵)2018 学生部门赏
庭田杏珠?山浦彻也:「记忆の解冻~カラー化写真で时を刻み、息づきはじめるヒロシマ~」 (国际平和映像祭 2018年9月22日)
TV放送:
狈贬碍又吉直树のヘウレーカ! (狈贬碍 2021年2月24日放送)
探求の階段?71「時が動き出す~「记忆の解冻」前編 / 渡邉英徳 (東京大学大学院 情報学環 教授) 」 (テレビ東京 2021年2月18日放送)
着者インタビュー:
戦時の白黒写真をAIでカラー化:広島出身の大学生と東大教授が挑む「记忆の解冻」 (ニッポンドットコム 2020年11月4日)
『この世界の片隅に』のもとになった写真も 戦前?戦後の白黒写真をAIと人の手でカラー化 (BOOK STAND 2020年9月3日)
戦前?戦中のモノクロ写真をAIでカラー化、資料や対話で色補正 「记忆の解冻」プロジェクト?庭田杏珠 (ITmedia NEWS 2020年9月2日)
写真集「础滨とカラー化した写真でよみがえる戦前?戦争」 戦争の記憶を継承するため「対話」を生み出す (好書好日 2020年8月28日)
【ぴいぷる】「记忆の解冻」プロジェクト?庭田杏珠 戦前?戦中のモノクロ写真をAIによりカラー化、資料や対話で色補正 (zakzak by 夕刊フジ 2020年8月28日)
特攻队にサヨナラする女生徒、富士山を见物する叠-29爆撃机&丑别濒濒颈辫;モノクロ戦争写真をカラー化して何が分かった? (文春オンライン 2020年8月15日)
あばら骨と皮だけの日本兵、焼け野原で談笑する広島のカップル――敗戦を実感する“10枚の写真”とは? (文春オンライン 2020年8月15日)
ビジュアライゼーションからストーリーテリングへ——「记忆の解冻」プロジェクト?インタビュー (HILLS LIFE 2020年8月14日)
被爆前の街 色鲜やかに 戦前?戦争 355枚を础滨でカラー化 写真集 东京大の庭田さんら出版 (中国新闻 2020年8月3日)
事例&対談: 渡邉英徳 (情報アーキテクチャ)「カラー化が記憶を解凍するトリガー」 (2018年7月13日)
戦争は本当に「白黒」か? モノクロ写真に命を吹き込む自動着色AI (五反田バレー 2018年2月13日)
书评:
井上寿一 (学習院大学教授) 評 「歴史書の棚 戦争とは何なのか 視覚伝達による体験継承=井上寿一」 (週刊エコノミストOnline 2020年8月28日)
藤代冥砂 (写真家) 評「久しぶりにパラパラとめくることが許されない一冊に出会った」 (本が好き 2020年8月24日)
平山賢一 (東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長) 評 「『础滨とカラー化した写真でよみがえる戦前?戦争』」 (週刊エコノミストOnline 2020年8月21日)
本よみうり堂: 木内昇 (作家) 評「人々の光景に血が通う」 (読売新聞 2020年8月16日)
成田全 評「戦後75年の2020年に蘇る、色と記憶【写真あり】『この世界の片隅に』片渕監督の助言で着色も」 (ダ?ヴィンチニュース 2020年8月25日)
「今週の本棚」 (毎日新闻 2020年8月15日)
约350枚のカラー化写真で解冻される戦前?戦争の记忆 (西日本新闻 2020年8月7日)
戦前?戦場写真約350枚がカラーに|書籍『础滨とカラー化した写真でよみがえる戦前?戦争』が出版&累計2万部を記録 (qetic 2020年7月31日)
论文:
Anju Niwata and Hidenori Watanave: "Rebooting Memories": Creating "Flow" and Inheriting Memories from Colorized Photographs; Proc. of SIGGRAPH ASIA 2019 Art Gallery/Art Papers (Full art papers), Article No. 4, 12 pages, 2019.
渡邉英徳,庭田杏珠:「「记忆の解冻」:カラー化写真をもとにした“フロー”の生成と記憶の継承」;デジタルアーカイブ学会誌 第3巻 第3号,pp. 317-323,2019年6月