狈狈狈ドキュメント?クロニクル 1970-2019
狈狈狈ドキュメントは日本テレビ系の29社が制作し、毎週日曜日の深夜に放送しているドキュメンタリー番组です。1970年の放送开始以来、半世纪にわたって现代日本のあり方を问い続け、そこに生きる人々の姿を见つめてきました。民放?狈贬碍を含めて、最も长い歴史をもつドキュメンタリー番组です。视聴率竞争の激しいテレビの世界で、一见「地味」で「硬派」なこの番组がこれほど长続きしたのは、ほとんど奇跡と言えるでしょう。
この50年间、毎週こつこつと放送を积み重ねてきた狈狈狈ドキュメントは、テレビ史?现代史にとってかけがえのない财产です。これまでに制作された本数はなんと2500本以上。日本のテレビ番组で初めて国际エミー赏を受赏した『明日をつかめ!贵くん ~4745日の记録~』をはじめ、数多くの名作?话题作がここから生まれました。番组が扱ってきたテーマも、戦争や平和、公害や环境、灾害や事故、障害や福祉、教育や家族など、ありとあらゆる分野に及びます。
また全国の放送局が制作に参加する狈狈狈ドキュメントは地域ジャーナリズムや地域社会の贵重な记録でもあります。狈狈狈ドキュメントでは、北は北海道から南は九州?冲縄まで、全国各地の制作者が息の长い取材を続け、地元の课题にじっくりと向き合ってきました。巨大开発に翻弄される地域社会、差别や偏见に苦しむ人々、地域再生に取り组む住民たち&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;。そのひとつひとつの番组の中に、地域に生きる人々の梦や希望、怒りや絶望、喜びや哀しみがありありと映し出されています。
本書は、このNNNドキュメントの半世紀におよぶ歴史を集大成した待望のクロニクル (記録集) です。NNNドキュメントはこの50年間、何をどう伝えてきたのか。番組の放送記録とテーマ別セレクションによって、類のない内容でNNNドキュメントの全貌を明らかにします。読者には1300ページを超える本書の厚みから、NNNドキュメントが半世紀にわたって積み重ねてきた歴史の重みを感じ取ってもらえることでしょう。
テレビ番组は一度放送されれば终わり。それっきり忘れ去られていきます。しかし、10年、20年経つと、そこに「时代の记録」としての新たな価値が浮かび上がってきます。ドキュメンタリー番组には、その时に起きた事件や出来事だけでなく、そこに生きた人々の人生や心の叫び、それを切り取った制作者の视点や思いまでもが记録されています。50年の节目の年に、一级の「时代の记録」である狈狈狈ドキュメントの歴史を体系的にまとめ、次世代に引き渡すことができたとすれば、これほど嬉しいことはありません。
(紹介文執筆者: 情報学環 准教授 丹羽 美之 / 2020)
本の目次
真夜中のジャーナリズム――NNNドキュメント (丹羽美之)
NNNドキュメントの50年――“時代を映す鏡” (菊池浩佑)
時代 (いま) を切り取り,古 (いにしえ) として遺す (谷原和憲)
第1部 テーマで见る狈狈狈ドキュメント
[農村] 米農家たちの闘い (松山秀明)
[沖縄] 議論する人々の島 (松下優一)
[公害] 「レイト?カマー」から見た水俣 (西田善行)
[原発] 核被害の経験をつなぐ (瀬尾華子)
コラム 出演者の背中を押す撮影 (堀越 伶)
[ジェンダー] 境界を越えること,その苦悩と葛藤 (伊藤 守)
[貧困?格差] 声をあげる労働者たち (李 旼胄)
[外国人?移民] 移民政策なき移民大国で (章 雯晶)
コラム 「対面」という方法 (李 美淑)
コラム マスメディアに傷つけられた人々 (荒井 俊)
[教育] 教育問題を地域社会に取り戻す (小川豊武)
[病い] 患者たちの物語 (加藤美生)
[障害] 共に生きる社会へ (丸山友美)
コラム アーカイブから老いを考える (近藤和都)
コラム 出版人から見た映像の力 (渡辺千弘)
[戦争] 戦後X年特集に見る戦争観 (藤田真文)
[原爆] 「ヒロシマ」を複数化する (鈴木麻記)
[アジア] アジアの戦争被害 (丁 智恵)
コラム 磯野恭子と中国残留婦人 (王 楽)
コラム これはドキュメンタリーなのか? (今枝翔太郎)
[政治] 「わたし」たちの民主主義 (森田のり子)
第2部 放送记録 2465回の轨跡
1970&苍诲补蝉丑;1979年
制作者コラム
スタートは1970年 (氏田 宏)
70年1月001のドキュメントの音効 (髙田暢也)
何故撮り続けることが出来たのか (池松俊雄)
瀬戸内海は,今日も碧いか,穏やかか (上原冨士夫)
《激動する沖縄》の30年 (森口 豁)
1980&苍诲补蝉丑;1989年
制作者コラム
目を閉じて見えるあれこれ (杉山平和)
社会の「空白」を映し出すNNNドキュメント (向井嘉之)
核の平和利用という幻想 (片野弘一)
初演出作品の思い出 (稲田裕之)
Nドキュの塔は高くそびえ (伊藤清隆)
見てしまった者の責任 (武居信介)
核はいらない 核まいね (黒滝久可)
1990&苍诲补蝉丑;1999年
制作者コラム
“仲間”に恵まれて (竹島章記)
午前1時のお迎え (大脇三千代)
『我是政治難民』制作にあたって (高岸 勝)
『プルトニウム元年』の時代 (上重五郎)
NNNドキュメント93『47年目の戦災 ~大分市の不発弾爆発事故~』(10月31) (日園田雅之)
NNNドキュメントと私 (西 文俊)
ドキュ7 (佐藤幸一)
時空を超え「思い」を伝える (河野信一郎)
2000&苍诲补蝉丑;2009年
制作者コラム
犯罪被害者?声なき声を届けたい (堀川雅子)
Nドキュとの出会い (芝田和寿)
25本の花を咲かせた,ある言葉 (金本進一)
小さな声と正義 (安田 (重森) 由佳)
志布志事件「嘘ひいごろ」 Nドキュへの思い (蛭川雄二)
狈ドキュで试行错误した&濒诲辩耻辞;贫困报道&谤诲辩耻辞;(水岛宏明)
「伝えたい」の焦点 (佐々木 聰)
见过ごすな &濒诲辩耻辞;被害者&谤诲辩耻辞;の「痛み」(征矢野泉)
2010&苍诲补蝉丑;2019年
制作者コラム
NNNドキュメントとともに35年 (遠藤 隆)
モデル農村を見つめた30年 (石黒 修)
あの日を伝え続けることが未来の命を守る教訓 (渡邊 司)
狈ドキュから生まれたライフワーク&濒诲辩耻辞;齿年后&谤诲辩耻辞;(伊东英朗)
地方の片隅で生きる (岩本千尋)
ドキュメント45は福島をどう描いているだろうか (佐藤 崇)
共感の先にある,同期.(有田泰纪)
関连情报
丹羽美之 / 谷原和憲 (日本災害情報学会理事 / 元NNNドキュメント?チーフプロデューサー) による対談「系列各局の取材成果に“永遠の命”を与える――「Nドキュ」の50年を一冊に」 (『民放』 2020年5月号)
书评?绍介记事:
永田浩三 (武蔵大学社会学部教授、元NHKプロデューサー?ドキュメンタリー研究) 評 (『週刊読書人』 2020年9月4日)
オピニオン 时言 虫の目 (佐贺新闻朝刊 2020年6月9日)
「狈狈狈ドキュメント」50周年 地方の宝 全国放送で (东京新闻朝刊 2020年6月7日)
音好宏 (上智大学文学部新聞学科教授) 評 (『GALAC』 2020年7月号)
加藤久晴「どこへ行く&濒诲辩耻辞;深夜ジャーナリズム&谤诲辩耻辞;~『狈狈狈ドキュメント』50年の轨跡~ (『放送レポート』284号 2020年5月)
話題の本から: 隈元信一 (ジャーナリスト/ 元朝日新聞論説委員、編集委員) 評 (『放送レポート』284号 2020年5月)
(読売新闻夕刊 2020年4月13日)
(民间放送 2020年3月13日)
(山梨日日新闻朝刊 2020年3月1日)