[ちくま新書] シリーズ ケアを考える 第6弾 长寿时代の医疗?ケア エンドオブライフの论理と伦理
20世纪后半以降、医学?医疗が目指してきた生存期间の延长は寿命革命につながった。1947年に约50年だった日本人の平均寿命は、2019年には女性が88年、男性が81年となった。日本は世界でトップレベルの长生きできる国である。
一方、徐々に进行する老化によって心身にさまざまな変化を抱えながら最期へ向かう过程において、医疗行為がかえって本人に苦痛を与え、自尊感情や自己肯定感を损なう场面もみられるようになった。多くの人にとって人生は长くなったが、老衰の进んだ超高齢者に対し、かえって负担となる医疗行為が行われ、穏やかな最终段阶が阻害されることも多くなった。このジレンマにどのように対処すべきか。いかにすれば长命を长寿にできるか。
これは、「一人ひとりがどのように自分らしく人生の物语りを生ききるか。医疗?ケア従事者はそれをどのように支えるか」を分析し考察する临床死生学の中核のテーマであり、人生の最终段阶の医疗とケアに関する临床伦理上の重要なテーマである。
医疗に関わる事柄を议论する际には、それがどのような分野の议论であっても、その基础として、时代に合った新しい医学的な知见を踏まえることが必须である。医学的に适切な判断が土台となることで、伦理的に适切な判断が可能となる。土台の医学的判断が不适切であれば、伦理的な判断は适切になりえない。医学的な知见は时代に沿って更新されるものであり、そのために学び続けることが必要となる。
しかし、医学的な新知见が语ることは、従来から「常识」とされてきた社会通念や一般的な情绪的反応から乖离していることもある。そうした场合に、临床现场では意思决定上の问题が発生しやすい。
例えば、典型的な长寿の最终段阶である老衰やアルツハイマー型认知症の末期においては、経口摂取が困难となる。そうなったとき、胃ろうや経鼻チューブや点滴を用いて水分と栄养分を人工的に补给すべきか否か。それは医学的および伦理的にどのような意味をもつのか。
笔者はこうした问いを明らかにすべく、まず文献を渉猟したが、国内では先行研究が非常に稀少であったため、社会学の方法论を用い、临床医を対象として质的研究を行い、それによってブラック?ボックスを开け、変数を明らかにし、それらの変数によって仮説を组み、縦断调査による量的研究を行った。それによって独自性の高い研究知见を得た。これらの研究知见は関连の医学会のガイドラインに活かされ、全国の临床现场で一人ひとりの患者の医疗とケアの意思决定に活用されている。
同书ではこのテーマ以外にも、「点滴信仰」や末期の心肺苏生法や抗菌薬投与が意味することや、今世纪に入り急速に展开してきた老化の科学蹿谤补颈濒迟测の评価を活用し、科学的および伦理的に过少医疗を避け、年齢で差别する补驳别颈蝉尘の社会的问题に対して科学的に応答することや、アドバンス?ケア?プランニングなど、超高齢社会の临床死生学と临床伦理学に関わる诸课题について、データと理论に基づき、伦理的に考察している。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 特任教授 会田 薫子 / 2020)
本の目次
第2章 胃ろうが意味すること
第3章 混乱からガイドライン策定へ
第4章 医療とケアの選択 ― どのように意思決定を支援すべきか
第5章 いのちをどう考えるべきか
第6章 事前指示からアドバンス?ケア?プランニングへ
第7章 蹿谤补颈濒迟测の知见を临床に活かす
第8章 终末期医疗とエンドオブライフ?ケアの违い
第9章 尊厳死?安楽死问题とは何か
関连情报
东京大学大学院人文社会系研究科上广死生学?応用伦理讲座
会田薫子 (臨床倫理学、臨床死生学) 长寿时代の医疗?ケア――エンドオブライフの论理と伦理 (SYNODOS 2020年2月17日)
书评:
『朝日新闻』 2019年9月7日
『看护』辫.111 2019年9月号
『ケアマネジャー』辫.90 2019年9月号
関连记事:
后悔せず见送るために実践すべき「家族の终活」【第7回】
「終活」流行のリアル…日本人の97.3%が実践していないこと (幻冬舎GOLD ONLINE 2021年3月21日)
関连书籍:
会田薫子『延命医療と臨床現場 - 人工呼吸器と胃ろうの医療倫理学』 (東京大学出版会 2021年3月5日)