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薄クリームイエローの表紙

书籍名

岩波讲座 日本経済の歴史 (全6巻) 1 中世 | 2 近世 | 3 近代1 | 4 近代2 | 5 現代1 | 6 現代2

着者名

深尾 京司、

判型など

础5判、上製、カバー

言语

日本语

発行年月日

2017年

ISBN コード

9784000114011
9784000114028
9784000114035
9784000114042
9784000114059
9784000114066

出版社

岩波书店

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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中国から先進的な技术と制度を導入することによって国内覇権を確立した朝廷は、8世紀初頭、中国の律令制の移植を完了し、中央集権国家を確立した。しかし、中間支配者に利益の獲得を認めない律令制は農地の開発と維持の誘因を削ぎ、農業の荒廃を招いた。農地の開発と維持のための誘因を支配者に与えるために形成された仕組みが荘園制であり、11世紀までに日本全土を覆うに至る。荘園制は農地の荒廃を防ぎ、緩慢な成長をもたらした。

一方、14-15世纪には、连作の水田耕作を実现する集约的な农业が确立され、耕作者の定住化が进んだ。さらに、15-16世纪の戦国时代、京都に所得を移転し続けてきた荘园制はついに崩壊し、戦国大名の支配が确立した。统治と所得分配の剧的な分権化は、既に确立していた集约农业の生产性を高める社会资本投资を促し、戦国期に日本の一人当たり生产高は上向くことになる。

このように、中世期、日本は、荘园制の下に、中国から移植した経済制度を离脱し、独自の経済発展の道を歩み始めた。荘园制は、依然として、荘园领主として君临する天皇家を含む贵族や寺社に多くの所得配分をもたらしたとはいえ、武士、农民层の利得を増やし、彼らに诱因を与えることに成功した。そして、集约的农业が発达するとともに分権化の利益は増加し、実际の统治机构も、戦国期に彻底した分権制を実现する。

戦国期に形成した分権的な统治机构を幕藩体制として安定化させるとともに、个々の农民の所有権を保障することによって生产性向上への强い诱因を与えたのが、江戸幕府であった。幕府と大名が戦争から社会资本投资へと税収の使途を転换した17世纪には、全国の大河川中下流域の冲积平野において新田开発が进められた。大规模な开発が终息する18世纪以降には、所有権を保障されることによって生产性向上への强い诱因を与えられた农民の努力によって生产性が上昇した。その结果、18世纪、日本は、一人当たり国内総生产において、その歴史上初めて、中国を抜き、19世纪半ばには、ポルトガルやポーランドといったヨーロッパ后発国に追い付く。

一方、イギリスに始まった产业革命は、北西ヨーロッパに不連続な生産性上昇をもたらしていた。これに追い付くためには、開国と明治維新は不可欠であった。明治維新から第一次世界大戦までの労働生産性上昇において最も重要な役割を示したのは、欧米からの技术の移転や、教育の普及による労働の質の改善を反映する全要素生産性の上昇であった。第一次世界大戦後、日本においても重化学工業が本格的な成長を始め、一人当たり国内総生産の上昇率がさらに上向くと共に、労働生産性上昇に対する資本装備率の貢献も大きくなった。その延長上、1970年代初頭に、日本は、一人当たり国内総生産において、イギリスやフランス、ドイツといった普通の先進国に追い付いた。1970-1980年代を通じて安定成長が続いたが、1990年代以降、少子高齢化にともなって国内総生産の成長が頭打ちとなるのみならず、全要素生産性が低下し続け、2000年代にはほぼ明治時代に戻ってしまった。日本は、19世紀末以降から第一次世界大戦までの「第一のグローバル化」時代に、その波に乗って生産性を上げることに成功したが、20世紀第4四半期以降における「第二のグローバル化」時代の波を掴んでいるとは言いがたい。

本講座は、2000年にわたる日本経済の歴史を数量的かつ記述的に回顧する企画である。各巻序章と国内総生産と人口の推定が与えられ、第1章 (労働と人口)、第2章 (金融)、第3章 (農業)、第4章 (鉱工業)、第5章 (サービス業) において、各時代の経済成果の背後にあった制度変化が、部門毎に分析される。国内総生産と人口の推定データは各巻巻末付録として提供される。日本経済の現在位置が歴史的な文脈に位置づけられ、日本経済の達成と、日本経済が直面している課題を考察する根拠を与えることが私たちの目的である。特に、巻末付録に収録されたGDP諸元の推定データは、今後、日本経済の長期的動向を分析する際の基盤となると自負している。

 

(紹介文執筆者: 社会科学研究所 教授 中林 真幸 / 2019)

本の目次

岩波讲座 日本経済の歴史1 中世 ―11世紀から16世紀後半―


序 章
 第1節 成長とマクロ経済 (高島正憲?深尾京司?西谷正浩)
 第2節 政府の役割 (西谷正浩?早島大祐?中林真幸)
 第3節 所得と資産の分配 (西谷正浩?中林真幸)

第1章 労働と人口 人口と都市化と就業構造 (斎藤 修?高島正憲)
 第1节 问题の所在
 第2节 人口史における中世
 第3节 都市の発展
 第4节 就业构造の変容
 第5节 17世纪へ

第2章 金融 鋳造の自由と金融の自由 (本多博之?早島大祐)
 第1节 中世货币――渡来銭の时代
 第2节 中世の金融

第3章 農業と土地用益 農民の定住化と土地の証券化 (西谷正浩?貴田 潔?早島大祐)
 第1节 中世の农业构造
 第2节 中世における不动产価格の决定构造
 第3節 15~16 世紀における土地売買の保証――民事も裁く権力の誕生とその後

第4章 鉱工業 中世の諸产业 (鈴木敦子)
 第1节 醸造业
 第2节 製纸业
 第3节 繊维业
 第4节 鉱业
 第5节 銃砲?弾薬业
 第6节 近世への展望

第5章 商業とサービス 中世の交易 (綿貫友子)
 第1节 中世社会构造の特质
 第2节 贸易の诸相
 第3节 国内商业の展开
 第4节 交易の场と商品
 第5节 近世都市へ

巻末付録 生産?物価?所得の推定 (深尾京司?斎藤 修?高島正憲?貴田 潔)


岩波讲座 日本経済の歴史2 近世 ―16世紀末から19世紀前半―


序 章
 第1節 成長とマクロ経済 (高島正憲?深尾京司?今村直樹)
 第2節 政府の役割 (中林真幸?森口千晶)
 第3節 所得と資産の分配 (今村直樹?中林真幸)

第1章 労働と人口 人口と都市化,移動と就業 (斎藤 修?高島正憲)
 第1节 全国人口の成长と钝化
 第2节 都市化の进展とその帰结
 第3节 移动と就业
 第4节 明治初年の就业パターン

第2章 金融 農業金融の矛盾と公債市場の安定 (高槻泰郎?牧原成征?柴本昌彦)
 第1节 金融概観――资产?送金?资金贷借
 第2节 农村金融?地方都市金融
 第3节 米切手取引市场

第3章 農業と土地用益 経済成長と社会的安定の相克 (萬代 悠?中林真幸?鷲崎俊太郎)
 第1节 近世の土地法制と地主経営
 第2节 近世都市の土地市场と不动产経営

第4章 鉱工業 農村工業の拡大と鉱業の自立 (谷本雅之?今村直樹)
 第1節 需要変化?技术普及と土木建設?鉱業?製造業
 第2节 鉱工业生产の数量的接近

第5章 商業とサービス近世日本の市場と商業 (宮本又郎)
 第1节 近世は市场経済社会か
 第2节 幕藩制と市场?商业
 第3节 循环构造?流通机构?その担い手
 第4节 市场経済のワーキング

巻末付録 生産?物価?所得の推定 (深尾京司?斎藤 修?高島正憲?今村直樹)


岩波讲座 日本経済の歴史3 近代1 ―19世紀後半から第一次世界大戦前(1913)―


序 章
 第1節 成長とマクロ経済 (深尾京司?攝津斉彦)
 第2節 政府の役割 (中村尚史?中林真幸)
 第3節 所得と資産の分配 (南 亮進?牧野文夫)

第1章 【労働と人口】 移動の自由と技能の形成 (中林真幸?森本真世?神門善久)
 第1節 自由労働市場の確立と内部労働市場の形成――工業 (中林真幸)
 第2節 近代鉱山業における労働市場と労働組織――鉱業 (森本真世)
 第3節 教育投資 (神門善久)

第2章 【金融】 近代的金融システムの形成と企業金融 (寺西重郎?結城武延)
 第1节 金融制度の构筑と発展――金融概観
 第2节 明治期の公司金融

第3章 【農業と土地用益 明治の農業と都市不動产业 (坂根嘉弘?有本 寛?粕谷 誠)
 第1節 工業化期の日本農業 (坂根嘉弘?有本 寛)
 第2節 都市の土地所有と不動産経営 (粕谷 誠)

第4章 【鉱工業】 产业革命期の鉱工業 (中林真幸?森本真世)
 第1節 資本主義的な生産組織の形成――工業 (中林真幸)
 第2節 漸進的な技术導入――鉱業 (森本真世)

第5章 【商業とサービス】 交通革命と明治の商業 (中村尚史?大島久幸)
 第1节 交通革命と日本
 第2节 汽船海运と外国贸易
 第3节 国内输送インフラの形成――道路?鉄道?港湾
 第4节 通信事业の展开――邮便?电信?电话
 第5节 近代的交通机関の発达と商业

巻末付録 生産?物価?所得の推定 (深尾京司?攝津斉彦?中林真幸)


岩波讲座 日本経済の歴史4 近代2 ―第一次世界大戦期から日中戦争前(1914-1936)―


序 章
 第1節 成長とマクロ経済 (深尾京司?攝津斉彦)
 第2節 政府の役割 (寺西重郎?中村尚史)
 第3節 所得と資産の分配 (南 亮進?牧野文夫)

第1章 【労働と人口】 戦間期の労働市場?雇用関係?人的資本形成 (神林 龍?菅山真次?神門善久)  第1節 労働市場政策の展開 (神林 龍)
 第2節 社員の世界?職工の世界――雇用関係の日本的展開 (菅山真次)
 第3節 中等実業教育を通じた人的資本形成 (神門善久)

第2章 【金融】 銀行業の产业組織と产业?企業金融 (岡崎哲二)
 第1节 戦前日本の金融システム――选択的文献サーベイ
 第2节 金融システムの长期的概観
 第3節 銀行業の产业組織と「機関銀行」
 第4节 银行退出の波と金融システムの変化
 第5节 金融システムの构造?机能?进化

第3章 【農業と土地用益】 戦間期の農業と土地所有 (有本 寛?坂根嘉弘?粕谷 誠)
 第1節 日本農業と農村問題 (有本 寛?坂根嘉弘)
 第2節 都市の土地所有と不動産経営 (粕谷 誠)

第4章 【鉱工業】 戦間期における产业構造の変遷と国際競争 (阿部武司?結城武延?白井 泉)
 第1节 工业化の深化と国际竞争
 第2節 产业構造と動力?エネルギーの変遷
 第3节 グローバリゼーションの进展と日本の鉱工业
 第4节 农业部门と関连した工业部门の勃兴
 第5節 产业構造の変化と国際競争の激化

第5章 【商業とサービス】 戦間期の商業と公益事業 (中村尚史?大島久幸?二階堂行宣)
 第1節 世界貿易と日本 (中村尚史)
 第2節 商業と海運 (大島久幸)
 第3節 陸運業の展開 (二階堂行宣)
 第4節 電力?ガス事業の生成と発展 (中村尚史)

巻末付録 生産?物価?所得の推定 (深尾京司?攝津斉彦)


岩波讲座 日本経済の歴史5 现代1 ―日中戦争期から高度成長期(1937-72)―


序 章
 第1節 成長とマクロ経済 (深尾京司?攝津斉彦)
 第2節 政府の役割 (小塩隆士?尾髙煌之助)
 第3節 所得と資産の分配 (南 亮進?牧野文夫)

第1章 【労働と人口】 「日本的」労使関係の形成と労働生産性の上昇 (森口千晶?上島康弘?猪木武徳?川口大司?室賀貴穂)
 第1節 日米比較にみる日本型人事管理制度の史的発展 (森口千晶)
 第2節 戦後の労働経済――1945?1973 (上島康弘?猪木武徳)
 第3節 生活水準の戦後史――消費と余暇の視点から (川口大司?室賀貴穂)

第2章 【金融】 高度成長と金融 (寺西重郎?長瀬 毅)
 第1节 规制のシステム
 第2节 金融システムの変迁
 第3节 高度成长期の金融システム

第3章 【農業と土地用益】 高度経済成長期の農業と不動产业 (荒幡克己?坂根嘉弘?中島賢太郎?中村尚史)
 第1節 戦時期から高度経済成長期の農業 (荒幡克己?坂根嘉弘)
 第2節 工業用地と工業集積 (中島賢太郎)
 第3節 都市不動产业のダイナミズム (中村尚史)

第4章 【鉱工業】 断絶と連続の工業化 (尾髙煌之助)
 第1节 投入?产出表からみた工业化
 第2节 生产と供给の动き
 第3节 需要と支出の动き
 第4節 高度成長を牽引した機械器具产业

第5章 【商業とサービス】 成長と产业?貿易構造の高度化 (森川正之?冨浦英一?中島賢太郎)
 第1節 工業化時代のサービス产业 (森川正之)
 第2節 貿易の拡大と輸出構造の高度化 (冨浦英一)
 第3節 運輸と地域経済――鉄道を中心に (中島賢太郎)

巻末付録 生産?物価?所得の推定 (深尾京司?攝津斉彦)


岩波讲座 日本経済の歴史6 现代2 ―安定成長期から構造改革期(1973-2010)―


序 章
 第1節 成長とマクロ経済 (深尾京司)
 第2節 政府の役割 (小塩隆士)
 第3節 所得と資産の分配 (南 亮進?牧野文夫)

第1章 労働と人口 現代の労働市場と生活水準の変遷 (川口大司?室賀貴穂)
 第1節 日米比較にみる日本型人事管理制度の史的発展 (森口千晶)
 第2節 戦後の労働経済――1945?1973 (上島康弘?猪木武徳)
 第3節 生活水準の戦後史――消費と余暇の視点から (川口大司?室賀貴穂)

第2章 金融 低成長下の日本の金融システム (内田浩史)
 第1节 规制のシステム
 第2节 金融システムの変迁
 第3节 高度成长期の金融システム

第3章 農業と土地用益 転換期の日本農業と都市不動产业 (荒幡克己?神門善久?中村尚史)
 第1節 戦時期から高度経済成長期の農業 (荒幡克己?坂根嘉弘)
 第2節 工業用地と工業集積 (中島賢太郎)
 第3節 都市不動产业のダイナミズム (中村尚史)

第4章 鉱工業 構造変化と生産性停滞 (深尾京司?山崎福寿?原野 啓)
 第1节 投入?产出表からみた工业化
 第2节 生产と供给の动き
 第3节 需要と支出の动き
 第4節 高度成長を牽引した機械器具产业

第5章 商業とサービス サービス产业の展開と政策 (森川正之?冨浦英一?中島賢太郎)
 第1節 工業化時代のサービス产业 (森川正之)
 第2節 貿易の拡大と輸出構造の高度化 (冨浦英一)
 第3節 運輸と地域経済―― 鉄道を中心に (中島賢太郎)

巻末付録 生産?物価?所得の推定 (深尾京司)

関连情报

书评:
山本千映 評 (『経済研究』第70巻2号 168-171頁 2019年4月)


吉川洋 評 (『経済研究』第70巻3号 271–273頁 2019年7月)


石井寛治 評 (『社会経済史学』第85巻2号 115–117頁 2019年8月)


週刊东洋経済 2018年9月15日
日本経済新聞 (朝刊) 2018年1月10日
日本経済新聞 (朝刊) 2017年10月21日
読売新聞 (朝刊) 2017年10月2日
経済セミナー 2017年10-11月号
京都新闻 2017年9月24日

収録:
深尾京司?中林真幸?中村尚史?森口千晶?川口大司「日本経済の歴史:GDP?土地制度?労働市場の1000年 (パネル討論II)」 (東洋経済新報社『現代経済学の潮流 2019』197–243頁 編: 宇井貴志?加納隆?原千秋?渡部敏明 2019年7月26日発売)

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