星海社新书 いずれ老いていく僕たちを100年活跃させるための先端痴搁ガイド
超高齢社会の到来は、わが国にとって最大の社会课题のひとつである。少子化にともなう人口减少、地方の空洞化、都市部における独居率の上昇、若年労働力の现象などなど、今后予想される変化は、社会システムの根本的な组み替えを要求することになるだろう。
本書はこういう状況の中で、情報技术、特にVR (バーチャルリアリティ) を代表とするメディア技术がどんな役割を演じることができるかについて、さまざまな角度から考えてみたものである。本書は、単なるVR技术の入門書でもなく、いたずらに超高齢社会に警鐘をならすだけの本でもない。両者が分かれがたく混合されたところに独自の研究領域があることを示した本である。
超高齢社会の1つのランドマークは、2050年である。この时代をどう予测すれば良いか、予测といっても単纯にデータを外挿すれば良いわけではないことをこの本は语っている。その未来を知ることは、一体どんな意味があるのか、単なる量的予测を超えた质的な予测が重要である。むしろ、本书の主张を语る上で予测という言叶は不适切かも知れない。「こうなるだろう」という态度で问题が解决するほど超高齢社会の问题解决は単纯ではない。「こうしたい」という确固たる意図がむしろ必要であるというのが本书の主张である。
高齢社会関係の话题に兴味を示すのは、多くの场合、ある程度以上の年齢の人间である。しかしながら、本当に高齢社会を考えなければいけないのは、若年层の人々である。この问题がいよいよ本格化する2050年の高齢者は、现在の若者だからである。高齢化问题は若者たちの当事者问题であるという気持ちが、本书のタイトルに含まれている。
VRというと、やれHMDだとか、新しいインタラクション技术だとか、そういうレベルの話題がほとんどであるが、バーチャルの本当の意味は、「実効的」ということである。すなわち、リアルと同等なほどその意味が大きいのがバーチャルである。バーチャルという枠組み自体を使うことによって、リアルな世界では解決不可能な問題も、バーチャルな世界に持ち込めば解決可能かも知れないという、ある種の楽観主義が、本書の基本的トーンである。
学生诸君は、现在のままだと闭塞的に见える未来を、どう変えたいのかを着者は问うている。ぜひ将来の高齢者たちに読んでほしい本である。
(紹介文執筆者: 情报理工学系研究科 教授 廣瀬 通孝 / 2020)
本の目次
あたかもそこに存在するかのような现実感
现実世界では解决できない问题を解决する
临场感?インタラクション?自律性
痴搁と础搁の共通点と相违点
リアルとバーチャルを分けるもの
痴搁によって何が実现できるのか
未来予测の精度が上がる
VR技术で制約条件を飛び越える
第二章 痴搁の歴史と现在
痴搁はエンタメを超える
2015年は二度目の「痴搁元年」?
サザランドの「究极のディスプレイ」
痴笔尝社の「リンクモデル」
米国空軍とNASAの技术がベースに
电子空间というフロンティア开拓で第1次痴搁ブームへ
痴搁は「仮想不动产」
完全コピーでは意味がない!?
第2次痴搁ブームはただの焼き直しにすぎないのか
コンテンツに特化した「痴搁2?0」
第叁章 21世纪型の问题解决とは
21 世紀は「エントロピーの時代」
対立の构図がはっきりしていた20世纪
物事は复雑な方向にしか変化しない
エントロピーが高いエネルギーは使い胜手が悪い
现実とデジタルを结びつける「マクスウェルの悪魔」
ごく小さな问题を个别に解决する
デジタル革命が痴搁の普及を后押しする
デジタル化するとロングテールもビジネスになる
マクロな视点からミクロな视点へ
第四章 未来予测と痴搁
未来予测とのつきあい方
合理的な「推论」が成り立つ范囲は限定的
「バタフライ効果」は予测できない
质的な変化は予测できない
「いま」を基準に考えない
子どもは未来である
コンピュータ?シミュレーションの未来
消费予报とサイバネティックループ
リアルとバーチャルの区别がつかなくなる
「间接化」で失われる信用
ウソを见破ることはできるのか
意のままにできることの怖さ
第五章 超高齢社会の到来
2050年は「ゆとり世代」が主役
国民の半分以下しか労働しない国
人口减少と地方の过疎化
人生二毛作
変化する社会构造
関连情报
海猫沢めろん 評 「未来の労働と、次世代へバトンを渡す一冊」 (ジセダイ ホームページ)
<BOOK REVIEW>『いずれ老いていく僕たちを100年活跃させるための先端痴搁ガイド』 (週刊BCN 2016年7月28日)
VRの先駆者、廣瀬通孝?著「いずれ老いていく僕たちを100年活跃させるための先端痴搁ガイド」発売 (PANORAホームページ 2016年6月23日)
シンポジウム:
VRから感覚と情動、そして行動を引き起こす技术の将来とは~「超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム」創立10周年記念シンポジウム (PC Watch ホームページ 2016年6月16日)