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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に昔の絵画

书籍名

普遍史の変貌 ペルシア语文化圏における形成と展开

着者名

判型など

456ページ、础5判、上製

言语

日本语

発行年月日

2017年12月

ISBN コード

978-4-8158-0891-4

出版社

名古屋大学出版会

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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现在、世界中に住む多くの人は、人类がどのように进化し発展を遂げてきたのか、そして、地球がどのような形をしていて世界にはどのような人が住んでいるのか、について知识を共有し、それを自明のことだと思っています。ただし、その知识は西欧で体系化され、19世纪后半から20世纪にかけて世界の诸地域に共有されるようになったもので、それが自明になったのは最近のことなのです。一方、それ以前には、各地域固有の文化や宗教の影响を受けた世界観があり、その影响を受けた人类の歴史が语られていました。そして现在でも、伝统的な世界観が社会や文化に影响を及ぼすこともあります。ところが、イスラーム时代西アジア史研究では、こういった神话や伝説に属する类の歴史は分析対象とされてきませんでした。もちろんそれらは、史実を明らかにするという意味では史料的価値を持ちませんが、当时の歴史家たちは、その歴史を语ることに大きな意义を见出していたのです。その语りを分析することに、本当に歴史学的な意味はないのでしょうか。
 
本書は、イスラーム時代西アジアで編纂された普遍史書 (天地創造から著者と同時代に至るまでの人類史) を分析対象とし、各史書の性格、およびこの史料類型の発展過程を明らかにした世界初の試みです。イスラーム教徒が書いた人類の歴史と言ってもピンとこないかもしれませんが、内容は、同じセム的一神教に属するユダヤ教やキリスト教のものと変わらず、神が創造した最初の人類アダムから話が展開していきます。ただし、歴史的に様々な民族が共存してきた西アジアでは、イスラーム教徒以外の世界観の影響も強く残っていました。本書では、「ゾロアスター教的人類史」が優勢であったペルシア語文化圏に、サーサーン朝滅亡以降、旧約聖書の世界観の影響を受けたイスラーム教の「一神教的人類史」、そして、モンゴル時代に「テュルク?モンゴル系の人々の遊牧民的人類史」が伝わり、この三者が融合した新しい人類史が創造されていく過程を解き明かし、その背景にある文化的?社会的変容、そしてユーラシア規模での知の交流について明らかにしました。この試みは、西アジアの歴史だけではなく、イスラーム教という宗教についても新しい視点を提供するものです。
 
本書のもう一つの重要性は、写本史料も含めて調査し得る限り全ての史料を分析対象とした点です。これまでの研究で主に使われてきたのは、入手しやすい校訂本でした。校訂本というのは、ある時にある研究者がそのテキストの価値を見出し、写本に基づき校訂し出版したものであり、一方で、価値を見出されていなどの理由で、出版されていない史料が多く残されているのが現状です。そこで、世界各国に所蔵されているアラビア語?ペルシア語歴史書写本の悉皆調査を行い (本書執筆時13ヶ国)、その文献学的成果も盛り込みました。未刊行史料の研究も今後の研究の発展にとっては必要不可欠で、本書がその起爆剤になればと考えています。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 准教授 大塚 修 / 2019)

本の目次

   序  章 普遍史研究の意義と展望
第滨部 『王书』以前の古代ペルシア史叙述――『王の书』から『王书』へ――
   第1章 旧約的普遍史と古代ペルシア史の相克
   第2章 『王の書』の「復活」と流行――ペルシア系地方王朝における普遍史――
   第3章 フィルダウスィーの『王書』と古代ペルシア史――ガズナ朝における普遍史――
第滨滨部 ペルシア语普遍史书の成立――『王书』から『选史』へ――
   第4章 『王書』の流行とペルシア語普遍史
   第5章 ペルシア語普遍史とオグズ伝承――アブー?サイードの即位まで――
   第6章 旧約的普遍史、古代ペルシア史、オグズ伝承の融合
――アブー?サイードとギヤース?ラシーディーの时代――
第滨滨滨部 ペルシア语普遍史书の再编――『ペルシア列王伝』から『歴史集成』へ――
   第7章 古代ペルシア史の再編――ハザーラスプ朝におけるペルシア語文芸活動と『ペルシア列王伝』――
   第8章 イランの地の地方政権とイラン概念
   第9章 イランの地の歴史からイランとトゥランの歴史へ――ティムール朝時代――
   終  章
 

関连情报

书评:
矢島洋一 評 (『オリエント』第62巻第1号 2019年9月)

 
『出版ニュース』 2018年3月上旬号
 

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