解釈する民族运动 构成主义によるボリビアとエクアドルの比较分析
ある民族集団が自らの地位や権利を求める运动は近现代史においても、そして现在においても世界各地に见られる。民族运动と言えば、强い団结意识やそれに支えられた行动の激しさなどの共通した特徴が想起されるが、本书はそのような见方を离れ、运动の多様性に目を向ける。分析の対象はボリビアとエクアドルというラテンアメリカ地域の2国で、両国にはそれぞれアンデス高地部と热帯低地部の运动组织がある。2国?2地域の计4组织にそれぞれ一章が割り当てられている。
「ラテンアメリカ」「民族运动」「比较」という本书のキーワードは相互に强い结びつきを持っている。一般に、比较の対象は似ていることが望ましい。北はメキシコから南はアルゼンチン?チリまで、アメリカ大陆や周辺の岛屿部に広がるラテンアメリカ、とりわけスペイン语圏アメリカは比较にとって格好のフィールドである。1492年にコロンブスがアメリカ大陆に到来して以来、スペインが300年を超える植民地支配を実现した上、支配が终わった后も国际関係が比较的安定しており、ある国が隣国を长期的に支配することもなかった。共通の歴史背景を持ち、地理的に近く、かつ隣国との関係が安定している地域を见つけることが难しいのは、アジアやヨーロッパ、アフリカなどで具体的に考えてみれば分かるだろう。
比较の条件を整えているスペインの长期植民地支配は本书が分析する民族运动が発生した理由そのものである。植民地化によって、それより前に在住していた人々すなわち先住民を植民者である白人が支配するという、今日のラテンアメリカ社会の基本的构造が作られた。先住民は文化的に劣位なものとして扱われ、独立した后も差别を被ってきた。
20世纪后半に入ってようやく、先住民は差别を克服する运动を発达させたが、その运动は1980年前后に転机を迎えた。この时期、ボリビアとエクアドルを含む多くのラテンアメリカ诸国で、选挙権や政治活动の自由を着しく制限する军事政権が终わりを迎えた。これは先住民组织にとって自由な活动を展开する机会が开けたことを意味する。兴味深いのは、先述の4つの先住民组织には、民主化以后に取った政治行动に统一性がないことである。选挙に参加し、政権を取ろうとすることもあれば、そうしない场合もある。组织によっては、选挙に参加しつつも、クーデター参加や武力闘争など既存の民主体制に依拠しない権力获得を试みる场合すらある。同じ国にある2组织、あるいは同じ地理的环境にある2组织を比べても、行动は同じではない。
このことは先住民运动の多様性を示すものである。すなわち、同じような歴史的背景を持つ运动组织が、同じような状况に直面しながらも行动が异なるということは、望ましい行动に対する考え方が组织ごとに违うことを意味する。このことを実际の资料を通じて里付けることで、民族运动を単纯な行动原理を持つものと见なすのではなく、状况に対して运动の主体が施す解釈に目を向ける必要性があることを本书は唱える。
(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 准教授 宮地 隆廣 / 2020)
本の目次
第1章 実証的构成主义:フレームワーク
1 构成主义の特徴
2 论証手顺とその理论的前提
3 先行研究の批判的検讨
第2章 ボリビアI: 高地先住民運動
1 基础情报
2 选挙参加を正当とする规范
3 先住民ゲリラ组织
4 パラレルな立法府の构想と挫折
5 选挙参加のみを正当とする规范の形成
第3章 ボリビアII: 低地先住民運動
1 基础情报
2 陈情志向
3 高地运动との対立
4 「全国组织」の使命としての选挙参加
5 制度外的権力获得の否定
第4章 エクアドルI: 高地先住民運動
1 基础情报
2 政権获得を正当としない规范
3 制度外的権力获得の正当化
4 选挙参加と制度外的行动の同时実践
第5章 エクアドルII: 低地先住民運動
1 基础情报
2 政権获得を正当としない规范
3 早期の选挙容认
4 制度外的権力获得の肯定
終 章 解釈する民族运动: 結論と含意
1 规范形成の比较
2 エージェントとしての民族运动
関连情报
第36回 (2015年度) 発展途上国研究奨励賞 (アジア経済研究所)
第2回 (2015年度) ラテン?アメリカ政経学会研究奨励賞 (ラテン?アメリカ政経学会)
笔者自身による书籍绍介:
『ラテンアメリカ?カリブ研究』第21号、2014年
书评:
藤田護 評 (『アジア経済』第56巻第2号、2015年)
矢澤達宏 評 (『年報政治学』2015年第66巻第1号、2015年)
山岡加奈子 評 (『ラテンアメリカ?レポート』第31巻第2号、2014年)
岡田勇 (名古屋大学) 評 (『ラテン?アメリカ論集』第48号、2014年)
新木秀和 評 (『イベロアメリカ研究』第36巻第1号、2014年)
桜井敏浩 評 (『ラテンアメリカ時報』2014年春号、2014年4月24日)