讲谈社学术文库 民主主义の源流 古代アテネの実験
世界史上类を见ないほどに彻底した直接民主政を、古代アテネの市民たちはどのように実现したのか。このテーマを、アテネ民主政が创设された纪元前6世纪末からマケドニアに廃止された前322年までの时系列をたどりながら探求する。マラトンの合戦の英雄ミルティアデス、アテネ民主政の完成者ペリクレス、民众裁判によって処刑された哲学者ソクラテスらの人生を描きながら、アテネ民主政のメカニズムを详细に明らかにする。一般向けに书き下ろした教养书。
ペリクレスが理想とした民主政とはたんなる国家制度ではなく、一つの生活様式 (way of life) であった。そこではどの市民も民主政への参加を期待される。彼は公私両面において経験を積み、有能でなければならない。政治生活に参加せぬ者は、無能な市民と見なされる。市民である以上、だれもが多芸多才 (versatile) であり、適応能力があり、自主独立で、自足した人格であることが当然とされる。ここには、民主政というものの生命が何であるのかについて重要なヒントが読み取れる。
古代ギリシアのポリス市民は、あらゆる方面にバランスよく、しかもそこそこに能力を発挥することが、民主政を支える市民としてふさわしい生き方だと考えていたのである。彼らが一人前の市民として活动するにあたっては、じつにさまざまなことが要求された。その生业が农业であれ商工业であれ、彼らはまず自分の家の経営をよく行なわねばならぬ。伟大な政治家ペリクレスが、家计の収支管理に厳格だったことを想起しよう。家の経営には奴隷の监督や妇女子の管理?教育も当然含まれる。一方公の场にあっては民会に参加し、陪审员を务め、役人の抽选にあたれば一年间はその任务に忙杀される。一朝事あった场合には、戦士として命をかけて戦场におもむかねばならない。戦闘で不覚を取らぬためには、体育场でふだんから身体の锻练を怠らないのが市民たるもののたしなみであった。公と私、精神と肉体の各领域に自分の能力をまんべんなく育てることが求められた。
兵役も含めた多くの役目をすべての市民が顺ぐりに务めるという民主政のしくみが、そのような人格を必要としたのである。これまで教科书などで「众愚政治」というレッテルを贴られてきたアテネ民主政が、実は精緻な制度と一般市民の积极的な政治参加によって支えられたものであり、しかもこれまで「堕落した」と非难されてきた前4世纪にこそ、その真価を発挥していたことを、説得力をもって论じた书物である。
旧著『丘のうえの民主政――古代アテネの実験』(東京大学出版会、1997年) の改訂文庫版。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 橋場 弦 / 2017)
本の目次
第一章 マラトンの英雄とその死
第二章 指導者の栄光と苦悩
第三章 参加と責任のシステム
第四章 迷走するアテネ
第五章 民主政の再生
第六章 たそがれ
おわりに
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书评:
朝日新闻「论坛时评」2015年6月25日付け 高桥源一郎
北海道新闻「卓上四季」2017年6月15日
毎日新闻「余録」2016年12月10日
毎日新闻「余録」2017年5月30日
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