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高校生のための東京大学オープンキャンパス2020 『東??学部をのぞいてみよう!』イベントレポート (後編)


こんにちは。今回は9月22日に開催された「東大工学部をのぞいてみよう!(On Line)」について取材しました。
このイベントは主に女子中高生に向けたもので、工学部で活跃する女子学生や女性研究者の普段の生活やこれまでの进路について讲演がありました。さらに讲演会の后には谈话会があり、教员と现役の学生に直接质问ができました。

イベントはオンラインで実施されたので、远方にお住まいの方も参加いただけたのではないでしょうか。
さて、ここからは讲演の2つ目からの内容をご绍介します。

2020.9.22
リポート/学生ライター
狈.碍(工学系研究科修士2年)
 
目次
1. 挨拶(工学系研究科長 染谷隆夫先生)(前編で紹介)
2. 趣旨説明(工学系男女共同参画委員会委員長 石坂香子先生)(前編で紹介)
3. 講演1「知覚に合わせた照明デザイン」 建築学科 小﨑美希先生(前編で紹介)
4. 講演2「計数工学科ってこんなところ」 計数工学科 白鳥帆香さん
5. 講演3「「誰かの役に立ちたい」そんなあなたこそ工学部へ!」システム創成学専攻 石田美月さん
6. 谈话会

講演2「計数工学科ってこんなところ」 計数工学科 白鳥帆香さん

  • スライドトップ

讲演2人目は现役の工学部生、白鸟帆香さんによる计数工学科についての讲演でした。
そもそもなぜ理系を选んだのか、そしてなぜ现在所属している计数工学科を选んだのかと进路选択に関して详しく话を闻くことができました。

まず白鸟さんが理系を选択した理由は「视野を広げるため」でした。
なんと白鸟さんは高校生のとき理系科目が好きという訳ではありませんでした。しかし文理选択の际に、自分が好きなことばかりしていては自分の世界が狭くなるのではと思ったようです。そのため、好きではないものをあえて选択することにより自分の世界を広げることができると考え、理系に进んだということでした。自分の好きなことや兴味のあることを轴にして进路を考える人も多いと思いますが、自分が知らないことに飞び込んでいくという选び方もアリですね!

そして东大の理科一类に入学后、进学する学科を考えた际、実は文系に転向することも考えていたそうです。実际白鸟さんの周りは、工学部に进学する学生も多かったようですが、他に経済学部や文学部、理学部など様々だったようです。その中で白鸟さんは工学部计数工学科を选択しました。

ではなぜ计数工学科を选択したのでしょうか。
计数とは计测?数理のことだそうです。といってもどういった学科なのかイメージがなかなか涌かないですね。计数という言叶から想像するにパソコンを用いてシミュレーションなどをする学科なのでしょうか???。

白鸟さんは计数工学科の説明を受けた际、「工学の基础だけではなく学部から大学院にかけて様々な分野を学べることが计数工学科の特徴」ということを闻きました。そして「学部から大学院にかけて様々な分野を学べる」という点に魅かれて计数工学科を选択しました。理系选択のときと同じように、様々な世界を知りたいという気持ちがあったのですね。

白鸟さんの话では数学や物理といった工学の基础をしっかり勉强し、さらにプログラミングや惭础罢尝础叠、マイコンを用いた演习もあるそうです。私が所属する机械工学でもモータやロボットの制御のためにプログラミングやマイコンは使います。他学科でも共通した部分はありますね。

白鸟さんは计数工学科の授业があるまでマイコンを用いたことはなかったそうです。そもそも白鸟さんは自分の视野を広げるために理系を选択していました。そして计数工学科に进学した现在、今まで経験したことがなかったことを学んでいます。まさしく视野を広げることを実现できていて素晴らしいですね!

講演3「誰かの役に立ちたい」そんなあなたこそ工学部へ! 工学系研究科 石田美月さん

  • 工学部04

讲演3人目も现役の学生、石田美月さんの讲演でした。讲演2人目の白鸟さんは学部生でしたが、石田さんは大学院博士课程の学生です。そのため、これまでの进路の経纬に加え、研究についても绍介してくださいました。

まず石田さんの进路についてですが、とても珍しいものでした。

中高生の顷の石田さんは世界の环境?资源问题を耳にして「话し合って解决しないと!」と感じたそうです。そこで、国连といった国际机関で働くことを目指し、东大の文科叁类に入学しました。しかし、教养课程で工学部の先生方に出会い、工学の视点から环境?资源问题への取り组みを知ったことで考え方に変化がありました。工学の视点から环境?资源问题への取り组みは、资源を新しく生み出す研究や小惑星を资源として捉える研究など様々あり、とても壮大です。石田さんはこうした取り组みに対して、科学技术の力で皆が幸せになる未来を作り出す可能性を感じました。さらに石田さん自身もやってみたいと感じて理系に転向し、工学部システム创成学科に进学しました。石田さんは数学が苦手だそうですが、何とか乗り越え、その后大学院试験にも合格し、现在も博士课程において研究に取り组んでいます。
一贯して自分で直感的にいいなと感じた方向に进んでいっていますね。

次に石田さんの研究内容の绍介です。
石田さんの研究内容は资源工学や资源地质学という分野で、研究対象は金鉱床ということでした。简単に言うと本物の金鉱脉を科学の力でできるだけ确実に探し当てたいという内容です。
金!兴味深いですね(笑)

実は日本には世界一の现役の金鉱山があります。正直私はこのことを知らなかったので惊きました???。
こうした鉱山は地域の财政や雇用にも大きく贡献しています。石田さんは现在の指导教员である先生から「他の地域でもこのような金鉱山が见つかれば地域活性化につながるのでは?」という话を闻き、「いいかも!」と思ってこの研究を选びました。
ここでも直感で进路を选択していますね。
  • 工学部05

研究の流れとしては実际に鉱山に行き、サンプルとして石を选びます。その后、电子顕微镜で観察しているそうです。
実际に鉱山に行ってサンプル採取をするとは大変そうですね。
鉱床を探すためには地球の表面を见ているだけでは分かりません。过去に鉱床ができたときに地球内部で何が起きていたのかが鉱床を见つける重要なヒントになるそうです。石田さん曰く「自然界はその重要なヒントを简単には教えてくれない。そこで研究者の出番がある!」とのことです。
この言叶を闻いて、自然界からの难题を解くような壮大なロマンを感じました。とても素敌ですね!

最后に中高生の皆さんへのメッセージがありました。
少し抜粋しますと、次の通りです。

―――
大学、そしてその先に进むと世界の见え方が変わってくる。だからこそ、早々に自分の进む道を决めてしまうことで自分の可能性を狭めないでほしい。
やりたいことが漠然としていても自分にぴったりのテーマにはいつかきっと出会える。
工学部は様々な问题の解决に役立つ科学技术を学べる场所であり、「谁かの役に立ちたい」を叶えるヒントにきっと出会えると思います。

―――

确かに石田さんの言うように、世界の见え方は高校生の顷と大学生の今では変わってきます。
石田さんの讲演では、高校生の顷に选択した道とは别でも、新しく知ったことから直感的にいいなと感じた方に进み、现在も研究を楽しんでいる気持ちが伝わってきました。

谈话会

講演会の後はいくつかのグループに分かれ、オンラインで谈话会をしました。教員と現役の工学系学生と参加者、合計15~20人程度で話をしました。参加者は高校生の方が多かった印象です。
以下は质问と回答の一例です。

蚕.普段の研究生活はどのようなものですか。
础.大学院では讲义よりも研究がメインの生活です。私は既に必要な単位をとっているので、修士论文に向けて研究に取り组んでいます。実験をしたり论文を読んだり、様々です。指导教员の先生とミーティングをしたり、同じ研究室の学生と研究について议论し合ったりもしていますね。

蚕.研究室はどうやって决まるのか。
础.大学院の研究室配属は试験で决定されますが、学部のときの研究室配属は学科によって决め方が様々です。学生同士の话し合いの场合もあれば、くじや成绩顺ということもあります。最初から考えていた訳ではなくたまたま入った研究室でも、意外とその研究が自分に合っていてその后も続けていくというひともいますよ。

蚕.高校のとき、どうやって勉强のモチベーションを保ちましたか。
础.高校でバレー部に入っており、大学でもサークルで続けたいと考えていました。そのため、勉强するときには楽しい大学生活を思い浮かべながらモチベーションを保っていました。

蚕.普段の研究や生活の中で英语やその他の言语を使うことはどれくらいありますか。
础.よく使います。例えば、研究のために英语の论文を読んだり学会発表で话したりします。研究室には留学生も多数おり、留学生とも英语で会话します。大学院に进んでも皆さんと同じように日々英语を勉强していますね。また、留学生と、互いに日本语を教えたり相手の国の言叶を教えてもらったり文化交流という意味で、英语以外の言语を学ぶこともあります。

蚕.留学について実际皆さんは行っているのですか。
础.私の友达でフランスが好きでフランスに留学した学生がいました。兴味がある学生は行っているイメージですね。留学に関する説明会も开催されているので、兴味があればそうした情报をチェックしています。

蚕.大学に入った后も勉强が大変と思いますが、バイトとサークルと両立できますか。
础.両立できます。确かに特に学部1、2年生の顷は必修の讲义が多くあり、勉强が大変なことも多いです。また、学期末はテストやレポートなどがあるため、大変です。ですが、サークルでは同じ讲义を取っている友达もいたりするのでお互いに教え合うこともあります。テスト期间が近くなったときはバイトを休ませてもらったりしてスケジュールを调整している友达もいました。また、テスト期间以外は时间があることが多いので、そうした时期にイベントの受付など短期のバイトをしたりすることもありましたね。いつも忙しいというよりは、大学では大変な时期と时间がある时期の両方がありますね。
*感想

工学部と一口に言ってもたくさんの種類の分野があります。今回講演があった建築学や計数工学、システム創成学だけではありません!電気工学、機械工学、都市工学、航空宇宙工学、物理工学???など本当にたくさんあります。私は今回の講演や谈话会を通して、私の知らない他学科の一面を知りました。同時に、例えばプログラミングのように機械工学でも実は学んでいたなと共通したことも多かったです。

だからこそ、中高生の皆さんには进路を考えるときにひとつの学科だけではなく、様々な学科を知ってほしいと思います。「自分は○○を学びたいし○○と言ったらこの学科でしょ!」と一直线に目指すことももちろんアリです。ちょっと横を见て「他の学科と违うところはどこかな」と视野を広げることもオススメします。今回のイベントのように様々な学科の学生の话を闻くと新しい発见がきっとあると思います。