男女共同参画においては、女性の社会への参画と、男性の家事育児への参画は表里一体の関係にあります。
最近「イクメン」という言叶が流行する一方、男性の育児参加をそのように特别视するのはおかしいとの意见を闻くこともあります。
実际の当事者の皆さんは、どのように仕事と家事育児に向かい合っていらっしゃるのでしょうか。
人文社会系研究科文化资源学研究室の教员としてのお仕事と併せ、家事育児にも积极的に関わっていらっしゃる、松田阳准教授にお话を伺いました。
【プロフィール】
东京大学文学部卒业。ロンドン大学鲍颁尝にて笔丑顿(考古学)取得后、ユネスコ文化遗产部コンサルタント、英国イーストアングリア大学世界美术?博物馆学科准教授(尝别肠迟耻谤别谤)を経て、现在、东京大学大学院人文社会系研究科准教授(文化资源学研究室)。
2019.11.25
インタビュー/学生ライター 大鐘 亜樹(人文社会系研究科文化資源学研究専攻 修士1年)
(同行:男女共同参画室事务局担当者)
最近「イクメン」という言叶が流行する一方、男性の育児参加をそのように特别视するのはおかしいとの意见を闻くこともあります。
実际の当事者の皆さんは、どのように仕事と家事育児に向かい合っていらっしゃるのでしょうか。
人文社会系研究科文化资源学研究室の教员としてのお仕事と併せ、家事育児にも积极的に関わっていらっしゃる、松田阳准教授にお话を伺いました。
【プロフィール】
东京大学文学部卒业。ロンドン大学鲍颁尝にて笔丑顿(考古学)取得后、ユネスコ文化遗产部コンサルタント、英国イーストアングリア大学世界美术?博物馆学科准教授(尝别肠迟耻谤别谤)を経て、现在、东京大学大学院人文社会系研究科准教授(文化资源学研究室)。
2019.11.25
インタビュー/学生ライター 大鐘 亜樹(人文社会系研究科文化資源学研究専攻 修士1年)
(同行:男女共同参画室事务局担当者)
自然に决まっていった家事?育児の分担
この日のインタビューは、学内保育园にお子さんを連れていかれる松田先生との待ち合わせから始まりました。本郷キャンパス構内にある「ポピンズナーサリースクール東大本郷さくら」まで、ベビーカーでの送り迎えは、松田先生の担当とのこと。その後、研究室に移動してお話を伺いました。
― 本日のインタビューは、先生の授业の端々に伺う育児のお话がとても魅力的で、ぜひこれを伺いたいなと思い、男女共同参画室と打ち合わせて実现しました。
先生のご家庭の中では、どのように家事?育児を分担されているのでしょうか。
最初にこうしようと决めたわけではないのですが、自然に分担担当が决まっていきました。おおざっぱに言うと、保育园への送り迎えとお风吕に入れるのは私、食事関係と服の準备は妻。それから、おむつ交换は気づいた方がやるということで、半分くらいでしょうかね。洗濯は、洗って干すまでが妻で、取り込んでたたむのは私がやっています。
―もともと家事は、ご结婚前から惯れていらっしゃったのですか。
东大に着任する前、イギリスで长い间一人暮らしをしていたので、家事は苦にはならず、むしろやらないと生活できないという意识がありました。
―偏见かもしれませんが、东大の男性は、小さい顷からお母さまが付きっきりでお世话されるので、家事などは苦手な方が多いというような话を耳にしたことがありますけれど、そのような抵抗というのはなかったのでしょうか。
确かに私の母はそういうスーパー主妇でしたので、自分に注がれた爱情に対しては感谢の気持ちしかありません。でも、なぜかそれを妻にも求めようとは思わなかったですね。たぶんそれは、イギリスで长年働くうちに、男性も普通に家事や育児をするという环境を见てきたからだと思います。女性も働きたい人は働くべきだし、社会で活跃できる环境であるべきだと、イギリス社会で働くうちに无意识にだんだん思うようになったのでしょう。でも、そのようなことを10年ほど前に一度母に言ったときに、ちょっと寂しそうな颜をしたことがありました。そのときには、言い方には気を付けないといけないと感じました。母が自分にしてくれたことへの感谢と、自分がパートナーに求めること、女性全体に求めることとは、ちょっと区别しているところがあるのかもしれません。
―イギリスにいらっしゃったときに、カルチャーショックを受けたということでしょうか?
何か强烈な経験があったというより、変化は徐々に起こったように感じます。私はイギリス社会ではいわゆるマイノリティでしたので、自分の持つ先入観は最初から捨てざるを得ない状况でした。多くの事柄をゼロから学びましたが、男女の役割ということで最も印象に残っているのは、勤务先の大学に子供が二人いる事実婚の研究者カップルがいて、彼らが理想的なカップルに见えたことでしょうか。9时から17时まで惊くほど集中して仕事をやり、その后、二人で育児と家事を分担しながら楽しそうに生活している姿を间近で见ていて、いいなあと思い、自分が日本に帰国し、妻と一绪に住むようになってからも、できるだけそのようなかたちに近づけようとしていたかもしれません。大きなカルチャーショックがあったからというよりは、身近にそういうモデルがいたことの方が大きいですね。
― 本日のインタビューは、先生の授业の端々に伺う育児のお话がとても魅力的で、ぜひこれを伺いたいなと思い、男女共同参画室と打ち合わせて実现しました。
先生のご家庭の中では、どのように家事?育児を分担されているのでしょうか。
最初にこうしようと决めたわけではないのですが、自然に分担担当が决まっていきました。おおざっぱに言うと、保育园への送り迎えとお风吕に入れるのは私、食事関係と服の準备は妻。それから、おむつ交换は気づいた方がやるということで、半分くらいでしょうかね。洗濯は、洗って干すまでが妻で、取り込んでたたむのは私がやっています。
―もともと家事は、ご结婚前から惯れていらっしゃったのですか。
东大に着任する前、イギリスで长い间一人暮らしをしていたので、家事は苦にはならず、むしろやらないと生活できないという意识がありました。
―偏见かもしれませんが、东大の男性は、小さい顷からお母さまが付きっきりでお世话されるので、家事などは苦手な方が多いというような话を耳にしたことがありますけれど、そのような抵抗というのはなかったのでしょうか。
确かに私の母はそういうスーパー主妇でしたので、自分に注がれた爱情に対しては感谢の気持ちしかありません。でも、なぜかそれを妻にも求めようとは思わなかったですね。たぶんそれは、イギリスで长年働くうちに、男性も普通に家事や育児をするという环境を见てきたからだと思います。女性も働きたい人は働くべきだし、社会で活跃できる环境であるべきだと、イギリス社会で働くうちに无意识にだんだん思うようになったのでしょう。でも、そのようなことを10年ほど前に一度母に言ったときに、ちょっと寂しそうな颜をしたことがありました。そのときには、言い方には気を付けないといけないと感じました。母が自分にしてくれたことへの感谢と、自分がパートナーに求めること、女性全体に求めることとは、ちょっと区别しているところがあるのかもしれません。
―イギリスにいらっしゃったときに、カルチャーショックを受けたということでしょうか?
何か强烈な経験があったというより、変化は徐々に起こったように感じます。私はイギリス社会ではいわゆるマイノリティでしたので、自分の持つ先入観は最初から捨てざるを得ない状况でした。多くの事柄をゼロから学びましたが、男女の役割ということで最も印象に残っているのは、勤务先の大学に子供が二人いる事実婚の研究者カップルがいて、彼らが理想的なカップルに见えたことでしょうか。9时から17时まで惊くほど集中して仕事をやり、その后、二人で育児と家事を分担しながら楽しそうに生活している姿を间近で见ていて、いいなあと思い、自分が日本に帰国し、妻と一绪に住むようになってからも、できるだけそのようなかたちに近づけようとしていたかもしれません。大きなカルチャーショックがあったからというよりは、身近にそういうモデルがいたことの方が大きいですね。
育児の中での気づき
―次に、お子さまを育てる中での、気づきについて伺いたいと思います。先生の授业の中で、ドラッグストアの写真がスライドに出てきて、见えているのに见えていないものがあることに、お子さんが生まれて気がつきましたとおっしゃったのが、强く印象に残っています。これは今日のインタビューのひとつの大きなきっかけにもなったのですが、そのお话をもう一度伺いたいのと、他にもそうしたお话があれば、お闻かせください。
今の家の近所にドラッグストアがあるのですが、子供ができる前から、何度もその前を通り、よく买い物もしていました。ところが、子供が出来てからその店に行ったとき、店头に大量の纸おむつが置かれていることに初めて気がついたのです。子供ができる前は、何百回も通っておきながら、そこにはいつも纸おむつが出ていることに気がついていなかった。视界に入っていながら、认识していなかったのです。それが、子供が生まれて同じ场所を通过したら、こんなに纸おむつが置かれている、充実している、しかも安い、ということに初めて気づいたのです。同じ场所にいたとしても、子供がいなかったときと、いるときとで、こんな変化があるのかと実感した瞬间でした。
―そのような気づきが、学生への研究教育の中でも、役に立つと思われて、授业の中でご绍介いただいたのでしょうか。
自分にとって惊きだったので、つい学生たちとも共有したくなり、授业で话してしまいましたけれど、确かに翻って考えてみると、とりわけ人文系の学问には、同じような侧面があるような気がするのですよね。「普通に生活していて気づいても良いはずなのに気づかないこと」を気づかせる――そのための视点を提供する、ということです。ドラッグストアの前には纸おむつが置かれていたのだ、と知ったところで、别に剧的な変化があるわけではないのですが、一度気づいてしまったら、それはもうずっと离れることがない気づきですよね。そうした事柄が积み重なると、意外に人生が豊かになるかもしれない、という思いがあったので、授业でも话しました。
―他にもそういうエピソードはございますか。
町を歩いていて子供を见たときの自分の反応も、间违いなく変わりました。それまでも子供はもちろん视界に入っていたのでしょうが、何も反応していませんでした。ところが今では、その子供が生后何か月ぐらいかな、どんな服を来ているのかな、どんなベビーカーに乗っているかな、と瞬时に観察するようになりました。いつの间にか、こうなっていました。
あとは、世の中には育児関係の商品がこんなにあるのか、ということにも惊きました。アカチャンホンポというお店がありますが、子供が生まれるまでは行ったことがありませんでした。初めて行ったときには、こんなお店が存在するのか!育児関係の物しか置いていないのか!すごい!と、惊きの连続でした。ワクワクしました。私自身もかつては子供だったわけですし、世の中には育児関係の商品は常にあったのだと思いますが、やはり见えていても见ていないものがあるのだ、と気づきました。
あと、月并みですし、子供ができると谁もが思うのかもしれませんが、私自身の亲への思いが変わりました。なんと言っても、自分もかつては子供だったわけで、私の亲がその子供の私の面倒见てくれていたわけですから。いかにも月并みですが、気づいたことという意味では、この感覚の変化は欠かすことのできない要素だと思います。
―昔、私の高校时代の先生が、学生を见る目が変わってきたとおっしゃったことがあったのですが、そういうことはありますか。
学生に限らず、人间一般に言えることですが、あまり感心しない人や腹が立つ人がいたとしても、「この人も赤ん坊のときには无力で可爱い存在だったのだろうな」と思うと、许せることが増えました。これをもって自分が寛大になったと言えるかどうかはわかりませんが、人间一般を见る目は変わりました。
学生に関していえば、特に若い学生に対して、「頼むぞ」という思いが强くなったように感じます。次の世代にバトンを渡している、という感覚でしょうか。赤ん坊であるうちの子供に対して、バトンを渡しているという感覚はまだ抱いていませんが、自分の年齢と赤ん坊の年齢のちょうど半分ぐらいのところにいる20代前半の学生たちには、「自分の后を頼むぞ」という気持ちで接することが増えました。
―最近の世の中の风潮として、子连れヘイトや、抱っこひも外しのような、嫌なことが流行ったりすることもあるようですが、そのようなことで、お気づきのことはありますか。
幸い、私は徒歩で送り迎えをしていて公共交通机関を使っていないため、そのようなストレスは感じたことはありません。ただ、子供を连れて电车に乗ったときに泣かれてしまうことがあり、そういうときには、周りの方々に迷惑に思われていないかどうか、过敏になっていると思います。とは言え、これも子供が生まれるまで気づいていなかったことですが、电车で子供に泣かれてこちらが困っているときに周りを见てみると、意外にニコニコと笑ってあたたかく见守ってくれている女性の方が多いですね。これはとても嬉しいことです。私の思い込みにすぎませんが、最近ニュースになる子连れヘイトの事件を引き起こす人や、泣く子供に対して骂詈雑言を投げかける人は、自分自身が子育てで大変な思いをしたことがないオジサンが多いのではないか、と胜手に想像しています。もちろん私自身もオジサンですが。
―それは先生のご経験と、奥様のご経験も大体同じような感じでしょうか。赤ちゃんを男性が连れているときと、女性が连れているときとで、违いはあるでしょうか。
妻が、自分一人で子供を连れているときと、私と一绪に二人で子供を连れているときとで、周囲の対応が少し违う、と言っていたことがありました。夫妇で子供を连れていれば周りはあたたかく、男一人で连れていても周りはあたたかく。しかし、女性が一人で子供を连れていると、时に冷たい视线を感じる、と言っていたように思います。私自身が男なのでわからないことですが、そのような差があるのか、と考えさせられました。
―一方で最近、本当のお父さんが娘さんを连れていたのに通报されてしまったという报道がありましたが。
ありましたね。我が家でも话题になりました。たしか、パパが子供をあやそうとしたのに、子供の机嫌が悪くて抵抗していて、たまたまその様子を见ていた人が警察に通报しちゃったのでしたよね。
―そうです、泣かれて「パパちがう」と言われたのを闻いて通报した人がいたと。
そんなことがあると、パパは心が折れそうになるでしょうね。私も衝撃を受けた事件でした。私と妻はいつも年末年始には帰省していたのですが、子供ができてからは、混んでいる公共交通机関を使っての长距离移动は避けようと考えるようになりました。子供が病気をもらうことも心配なのですが、それよりも満员の新干线などで、周りの方々が赤ん坊の存在を嫌がるかもしれないという気持ちが大きいです。
―いろいろとご苦労がありますよね。
そうですね。ただ、日本の场合、同じ育児をしていても、男性よりも女性の方が辛い环境に置かれているのだろうなと感じます。
―イギリスにいらっしゃったときと、日本に帰っていらしてからとを比べて、イギリスだったら、こんなことはなかったのにということはありますでしょうか。
イギリスが恋しくなるというよりは、日本に暮らしていて「あれ?」と感じることがたまにあります。妻が先日、男女共同参画室のイベント「春雨直播app Women 研究者ネットワークを作ろう!2019」に参加したのですが、ずいぶん興味深い内容だったらしく、イベントの詳細を私に語ってくれました。ただ、その話を聞いていて私は、「なるほど、素晴らしいイベントだったのか」と感じると同時に、「あれ、今時まだそんな話をしているのか」という気持ちにもなりました。「日本では」というよりは、「東大では」と言った方が正確なのかもしれませんが、本来は20-30年前ぐらいに検討していないといけないはずのことを、今ごろ検討しているように感じられたのです。イベントに参加して勇気づけられたと妻が言っていましたので、それはとても良かったと実感しましたが。
それと、今でも忘れられないのは、日本に帰ってきて出た最初の教授会で、ほとんど男性だったことに惊きました。単纯に男だらけの光景を见て、感覚的に惊きました。そのときに、「あれ、东大はこれで大丈夫なのかな」と思ったことを、正直に告白します。
ともかくも、心配しているだけでは何も変わらないでしょうから、男女共同参画室にはどんどんと「春雨直播app Women 研究者ネットワークを作ろう!」のような意義あるイベントを行っていただきたいです。男女共同参画という意味では、東大は世界的に大きく遅れている、と私は思っています。日本一の大学を目指す東大は、男女共同参画でも日本一であるべきだと思いますし、さらに世界でトップクラスの大学を目指すのであれば、男女共同参画でも世界でトップクラスであるべきですよね。
―このイベントで、世界の大学における男女比率や、女性の学长が世界でこれだけいる、という话もありましたが、イギリスの勤务先の大学も、女性比率はかなり高かったのでしょうか。
日本ほどひどくありませんが、一般的にイギリスの大学も男性优位であることは事実です。ただ私の前の勤务先の大学に限って言えば、人文系の学问を行っている学科ということもあってか、女性の教员の方が多かったです。先ほど、私にとってモデルとなる研究者カップルが同僚にいたということをお话しましたが、これに加えてもう一つ、非常に有能な女性の学科长がいたことも大きいですね。それ以前の职场も含め、「あ、この人はすごいな、素晴らしい研究者であり、同时に组织の优秀なリーダーでもあるな」という女性の同僚がいたことは、働く女性のポジションを一般的に考える上で、私に大きな影响を与えたと思います。あと、これも付言したいですが、惊くほど优秀なゲイの同僚たちもいました。
―教員の女性比率は、「春雨直播app Women 研究者ネットワークを作ろう!」の中でも話題になりましたが、どうやったら増えるのでしょうね。
今年度の大阪大学大学院文学研究科では、新规採用の12人全员を女性限定で公募していました。大変思い切った决断だと思いますが、间违いなく効果があるでしょう。いわゆるアファーマティブアクションですね。これをやると、当然反発が出てくると思います。少なからずの男性教员が反発するでしょうし、今、数の少ない女性教员の中にも、私たちは実力で胜ち取ったのに、なぜこれから採用する女性だけ优遇するんだ、と反発したくなる方々も当然いらっしゃるでしょう。しかし、そのぐらい本気で动かないと、日本のアカデミアにおけるジェンダーという构造的な问题は解决しないと思います。あまりにも根深くて、自然にしておくと再生产される问题ですから。
今の家の近所にドラッグストアがあるのですが、子供ができる前から、何度もその前を通り、よく买い物もしていました。ところが、子供が出来てからその店に行ったとき、店头に大量の纸おむつが置かれていることに初めて気がついたのです。子供ができる前は、何百回も通っておきながら、そこにはいつも纸おむつが出ていることに気がついていなかった。视界に入っていながら、认识していなかったのです。それが、子供が生まれて同じ场所を通过したら、こんなに纸おむつが置かれている、充実している、しかも安い、ということに初めて気づいたのです。同じ场所にいたとしても、子供がいなかったときと、いるときとで、こんな変化があるのかと実感した瞬间でした。
―そのような気づきが、学生への研究教育の中でも、役に立つと思われて、授业の中でご绍介いただいたのでしょうか。
自分にとって惊きだったので、つい学生たちとも共有したくなり、授业で话してしまいましたけれど、确かに翻って考えてみると、とりわけ人文系の学问には、同じような侧面があるような気がするのですよね。「普通に生活していて気づいても良いはずなのに気づかないこと」を気づかせる――そのための视点を提供する、ということです。ドラッグストアの前には纸おむつが置かれていたのだ、と知ったところで、别に剧的な変化があるわけではないのですが、一度気づいてしまったら、それはもうずっと离れることがない気づきですよね。そうした事柄が积み重なると、意外に人生が豊かになるかもしれない、という思いがあったので、授业でも话しました。
―他にもそういうエピソードはございますか。
町を歩いていて子供を见たときの自分の反応も、间违いなく変わりました。それまでも子供はもちろん视界に入っていたのでしょうが、何も反応していませんでした。ところが今では、その子供が生后何か月ぐらいかな、どんな服を来ているのかな、どんなベビーカーに乗っているかな、と瞬时に観察するようになりました。いつの间にか、こうなっていました。
あとは、世の中には育児関係の商品がこんなにあるのか、ということにも惊きました。アカチャンホンポというお店がありますが、子供が生まれるまでは行ったことがありませんでした。初めて行ったときには、こんなお店が存在するのか!育児関係の物しか置いていないのか!すごい!と、惊きの连続でした。ワクワクしました。私自身もかつては子供だったわけですし、世の中には育児関係の商品は常にあったのだと思いますが、やはり见えていても见ていないものがあるのだ、と気づきました。
あと、月并みですし、子供ができると谁もが思うのかもしれませんが、私自身の亲への思いが変わりました。なんと言っても、自分もかつては子供だったわけで、私の亲がその子供の私の面倒见てくれていたわけですから。いかにも月并みですが、気づいたことという意味では、この感覚の変化は欠かすことのできない要素だと思います。
―昔、私の高校时代の先生が、学生を见る目が変わってきたとおっしゃったことがあったのですが、そういうことはありますか。
学生に限らず、人间一般に言えることですが、あまり感心しない人や腹が立つ人がいたとしても、「この人も赤ん坊のときには无力で可爱い存在だったのだろうな」と思うと、许せることが増えました。これをもって自分が寛大になったと言えるかどうかはわかりませんが、人间一般を见る目は変わりました。
学生に関していえば、特に若い学生に対して、「頼むぞ」という思いが强くなったように感じます。次の世代にバトンを渡している、という感覚でしょうか。赤ん坊であるうちの子供に対して、バトンを渡しているという感覚はまだ抱いていませんが、自分の年齢と赤ん坊の年齢のちょうど半分ぐらいのところにいる20代前半の学生たちには、「自分の后を頼むぞ」という気持ちで接することが増えました。
―最近の世の中の风潮として、子连れヘイトや、抱っこひも外しのような、嫌なことが流行ったりすることもあるようですが、そのようなことで、お気づきのことはありますか。
幸い、私は徒歩で送り迎えをしていて公共交通机関を使っていないため、そのようなストレスは感じたことはありません。ただ、子供を连れて电车に乗ったときに泣かれてしまうことがあり、そういうときには、周りの方々に迷惑に思われていないかどうか、过敏になっていると思います。とは言え、これも子供が生まれるまで気づいていなかったことですが、电车で子供に泣かれてこちらが困っているときに周りを见てみると、意外にニコニコと笑ってあたたかく见守ってくれている女性の方が多いですね。これはとても嬉しいことです。私の思い込みにすぎませんが、最近ニュースになる子连れヘイトの事件を引き起こす人や、泣く子供に対して骂詈雑言を投げかける人は、自分自身が子育てで大変な思いをしたことがないオジサンが多いのではないか、と胜手に想像しています。もちろん私自身もオジサンですが。
―それは先生のご経験と、奥様のご経験も大体同じような感じでしょうか。赤ちゃんを男性が连れているときと、女性が连れているときとで、违いはあるでしょうか。
妻が、自分一人で子供を连れているときと、私と一绪に二人で子供を连れているときとで、周囲の対応が少し违う、と言っていたことがありました。夫妇で子供を连れていれば周りはあたたかく、男一人で连れていても周りはあたたかく。しかし、女性が一人で子供を连れていると、时に冷たい视线を感じる、と言っていたように思います。私自身が男なのでわからないことですが、そのような差があるのか、と考えさせられました。
―一方で最近、本当のお父さんが娘さんを连れていたのに通报されてしまったという报道がありましたが。
ありましたね。我が家でも话题になりました。たしか、パパが子供をあやそうとしたのに、子供の机嫌が悪くて抵抗していて、たまたまその様子を见ていた人が警察に通报しちゃったのでしたよね。
―そうです、泣かれて「パパちがう」と言われたのを闻いて通报した人がいたと。
そんなことがあると、パパは心が折れそうになるでしょうね。私も衝撃を受けた事件でした。私と妻はいつも年末年始には帰省していたのですが、子供ができてからは、混んでいる公共交通机関を使っての长距离移动は避けようと考えるようになりました。子供が病気をもらうことも心配なのですが、それよりも満员の新干线などで、周りの方々が赤ん坊の存在を嫌がるかもしれないという気持ちが大きいです。
―いろいろとご苦労がありますよね。
そうですね。ただ、日本の场合、同じ育児をしていても、男性よりも女性の方が辛い环境に置かれているのだろうなと感じます。
―イギリスにいらっしゃったときと、日本に帰っていらしてからとを比べて、イギリスだったら、こんなことはなかったのにということはありますでしょうか。
イギリスが恋しくなるというよりは、日本に暮らしていて「あれ?」と感じることがたまにあります。妻が先日、男女共同参画室のイベント「春雨直播app Women 研究者ネットワークを作ろう!2019」に参加したのですが、ずいぶん興味深い内容だったらしく、イベントの詳細を私に語ってくれました。ただ、その話を聞いていて私は、「なるほど、素晴らしいイベントだったのか」と感じると同時に、「あれ、今時まだそんな話をしているのか」という気持ちにもなりました。「日本では」というよりは、「東大では」と言った方が正確なのかもしれませんが、本来は20-30年前ぐらいに検討していないといけないはずのことを、今ごろ検討しているように感じられたのです。イベントに参加して勇気づけられたと妻が言っていましたので、それはとても良かったと実感しましたが。
それと、今でも忘れられないのは、日本に帰ってきて出た最初の教授会で、ほとんど男性だったことに惊きました。単纯に男だらけの光景を见て、感覚的に惊きました。そのときに、「あれ、东大はこれで大丈夫なのかな」と思ったことを、正直に告白します。
ともかくも、心配しているだけでは何も変わらないでしょうから、男女共同参画室にはどんどんと「春雨直播app Women 研究者ネットワークを作ろう!」のような意義あるイベントを行っていただきたいです。男女共同参画という意味では、東大は世界的に大きく遅れている、と私は思っています。日本一の大学を目指す東大は、男女共同参画でも日本一であるべきだと思いますし、さらに世界でトップクラスの大学を目指すのであれば、男女共同参画でも世界でトップクラスであるべきですよね。
―このイベントで、世界の大学における男女比率や、女性の学长が世界でこれだけいる、という话もありましたが、イギリスの勤务先の大学も、女性比率はかなり高かったのでしょうか。
日本ほどひどくありませんが、一般的にイギリスの大学も男性优位であることは事実です。ただ私の前の勤务先の大学に限って言えば、人文系の学问を行っている学科ということもあってか、女性の教员の方が多かったです。先ほど、私にとってモデルとなる研究者カップルが同僚にいたということをお话しましたが、これに加えてもう一つ、非常に有能な女性の学科长がいたことも大きいですね。それ以前の职场も含め、「あ、この人はすごいな、素晴らしい研究者であり、同时に组织の优秀なリーダーでもあるな」という女性の同僚がいたことは、働く女性のポジションを一般的に考える上で、私に大きな影响を与えたと思います。あと、これも付言したいですが、惊くほど优秀なゲイの同僚たちもいました。
―教員の女性比率は、「春雨直播app Women 研究者ネットワークを作ろう!」の中でも話題になりましたが、どうやったら増えるのでしょうね。
今年度の大阪大学大学院文学研究科では、新规採用の12人全员を女性限定で公募していました。大変思い切った决断だと思いますが、间违いなく効果があるでしょう。いわゆるアファーマティブアクションですね。これをやると、当然反発が出てくると思います。少なからずの男性教员が反発するでしょうし、今、数の少ない女性教员の中にも、私たちは実力で胜ち取ったのに、なぜこれから採用する女性だけ优遇するんだ、と反発したくなる方々も当然いらっしゃるでしょう。しかし、そのぐらい本気で动かないと、日本のアカデミアにおけるジェンダーという构造的な问题は解决しないと思います。あまりにも根深くて、自然にしておくと再生产される问题ですから。
东大の育児サポート体制
―先程保育园への道々、东大のサポート体制にはとても助かっているとおっしゃっていましたけれど、助かっている点、もっとこうなっていたらいいなと思う点、その辺はどんな感じでしょうか。
ポピンズナーサリースクールは东大の事业所内保育施设ですが、子供を预かってくれるだけでなく、しっかりと成长を后押ししてくれるため、本当に感谢しています。今の日本には待机児童が多く、とりわけ大都市部にはたくさんいますよね。东大で働いている人、学んでいる人の中にも、子供を持つ方々が少なからずいますので、大学としてもう少し育児支援を増やしてくれたら、という思いはあります。事业所内保育施设が2歳までではなく、5歳まで预かってくれたら、とても助かりますよね。いろいろな条件があって简単ではないことはわかりますし、本来は认可保育所に预けよということなのかもしれませんが、先ほども申しましたが、东京大学が世界トップの大学を目指すのであれば、男女共同参画や育児サポートも世界トップであればかっこいいのにと思います。
あとは、组织が育休を取ることを奨励すると良いのだと思います。私のまわりに「育休を取るのはやめなさい」という同僚は一人もいませんが、直接的な言及を避ける日本人の文化を考えると、男性に対しては、むしろ「育休を絶対に取りなさい」くらいに后押しをすると良いのかもしれません。
―奥様も产休だけで、育休を取られなかったのでしょうか。
产后8週间は法定の产休を取り、その后、育休を3か月ほど取りました。私自身も育休を取りたいと考えていたのですが、まさにその时に子供を保育园に预けられることが决まり、育休を取れずに终わってしまいました。このこと自体にはとても助かったのですが、同时に、私自身が育休を取れなかったことが悔しい、という思いはあります。男性が育休を取ったという记録だけでもちゃんと残すことによって、后に続く方々が育休を取りやすくなるような気がしていましたので。前例があることの意味は重々认识していましたので、たとえ一週间だけであっても育休をとりたかったです。
―育休の奨励は民间公司でも课题にはなっていますが、何歳以下のお子さんを持つ人は育休を取りなさいという経営サイドからの取组みで、最近取る人は増えてはいるようです。それでもやはりまだ、いわゆるパタハラ、「君のところは奥さん働いていないんでしょ」「奥さんが育休取っているんでしょ」というようなこともあると闻くことがありますが、そういうパタハラについては、いかがでしょうか。
それは正直なかったです。研究室の同僚の先生方は大変理解があり、「育児があるだろうから仕事を减らしてもいいよ」と言って下さいました。このように职场ではパタハラはまったくありませんでしたが、大学の外では、直接パタハラめいたことを言われることはないものの、もう少し考えてほしいなと感じることは数回ありました。思わず「昔と异なり、2019年のお父さんは育児をするものなのですよ」と言いたくなりましたが、でもそれは言えませんでした。
―それはどんな局面でしょうか。
容赦なく仕事が割り当てられるというようなことです。难しいのは、自分より上の世代の男性の多くは、ご自身が育児をそこまでされていないでしょうから、こちらがどれだけ説明しても伝わらないだろうな、と感じることです。先ほどの私の母の话ではないですけれど、「今は时代が违うんですよ」と言ってしまうと、ご本人たちが惯れ亲しんできた価値観、大切にされてきた価値観を否定することになりますので????。このあたりはどう伝えるか、いつも腐心するところですね。
―世代间の问题は、やはりあるんでしょうね。
ずっとあるのでしょう。いつの时代にもある世代间の価値観の差の问题だと思います。一般论として、今の日本社会で责任あるポジションに就いていることが多い年配の男性の方々が意识を変えていただければ、と思いますが、どうすればそうなるのでしょうね。少子高齢化がほぼ世界一という日本の状况を考えると、根本的に何かを変えないといけないことは明白だと思うのですが????。
―サポート体制について、お子様が热を出されて急にお迎えにいかなくてはならないときの病児保育や、そうしたときのベビーシッター代补助などの点ではいかがでしょうか。
幸いうちの子は健康ですが、热を出して呼び出しを受けたことは何回かあります。そういうときには、なんと言っても职场が近いので、原则私が迎えに行きます。保育园を长期で休ませたことはないですが、そういうこともいずれ起こりうるのですから、病児保育のサポートもあった方が良いと思います。大学がそのサポートを提供できるかというと、ちょっと难しいだろうなと想像しますが。たぶんそれは行政が提供すべきサポートのような気もします。东京大学はベビーシッター代を一部补助してくれる制度を设けているのですか?
(男女共同参画室事务局)大学では、内阁府のベビーシッター派遣事业を利用して、ベビーシッター利用时の割引券を発行しています。
思い出しました。ちゃんとそういう补助をしてくれていましたね。
―今のところは、特に切迫して必要になった局面はないということですね。
そうですね、幸い子どもが健康でいてくれるため、ないですね。ただ远隔地に住んでいる高齢の両亲には頼れないので、ベビーシッターのサポートがほしい场面は、间违いなくやってくるとは思います。
ポピンズナーサリースクールは东大の事业所内保育施设ですが、子供を预かってくれるだけでなく、しっかりと成长を后押ししてくれるため、本当に感谢しています。今の日本には待机児童が多く、とりわけ大都市部にはたくさんいますよね。东大で働いている人、学んでいる人の中にも、子供を持つ方々が少なからずいますので、大学としてもう少し育児支援を増やしてくれたら、という思いはあります。事业所内保育施设が2歳までではなく、5歳まで预かってくれたら、とても助かりますよね。いろいろな条件があって简単ではないことはわかりますし、本来は认可保育所に预けよということなのかもしれませんが、先ほども申しましたが、东京大学が世界トップの大学を目指すのであれば、男女共同参画や育児サポートも世界トップであればかっこいいのにと思います。
あとは、组织が育休を取ることを奨励すると良いのだと思います。私のまわりに「育休を取るのはやめなさい」という同僚は一人もいませんが、直接的な言及を避ける日本人の文化を考えると、男性に対しては、むしろ「育休を絶対に取りなさい」くらいに后押しをすると良いのかもしれません。
―奥様も产休だけで、育休を取られなかったのでしょうか。
产后8週间は法定の产休を取り、その后、育休を3か月ほど取りました。私自身も育休を取りたいと考えていたのですが、まさにその时に子供を保育园に预けられることが决まり、育休を取れずに终わってしまいました。このこと自体にはとても助かったのですが、同时に、私自身が育休を取れなかったことが悔しい、という思いはあります。男性が育休を取ったという记録だけでもちゃんと残すことによって、后に続く方々が育休を取りやすくなるような気がしていましたので。前例があることの意味は重々认识していましたので、たとえ一週间だけであっても育休をとりたかったです。
―育休の奨励は民间公司でも课题にはなっていますが、何歳以下のお子さんを持つ人は育休を取りなさいという経営サイドからの取组みで、最近取る人は増えてはいるようです。それでもやはりまだ、いわゆるパタハラ、「君のところは奥さん働いていないんでしょ」「奥さんが育休取っているんでしょ」というようなこともあると闻くことがありますが、そういうパタハラについては、いかがでしょうか。
それは正直なかったです。研究室の同僚の先生方は大変理解があり、「育児があるだろうから仕事を减らしてもいいよ」と言って下さいました。このように职场ではパタハラはまったくありませんでしたが、大学の外では、直接パタハラめいたことを言われることはないものの、もう少し考えてほしいなと感じることは数回ありました。思わず「昔と异なり、2019年のお父さんは育児をするものなのですよ」と言いたくなりましたが、でもそれは言えませんでした。
―それはどんな局面でしょうか。
容赦なく仕事が割り当てられるというようなことです。难しいのは、自分より上の世代の男性の多くは、ご自身が育児をそこまでされていないでしょうから、こちらがどれだけ説明しても伝わらないだろうな、と感じることです。先ほどの私の母の话ではないですけれど、「今は时代が违うんですよ」と言ってしまうと、ご本人たちが惯れ亲しんできた価値観、大切にされてきた価値観を否定することになりますので????。このあたりはどう伝えるか、いつも腐心するところですね。
―世代间の问题は、やはりあるんでしょうね。
ずっとあるのでしょう。いつの时代にもある世代间の価値観の差の问题だと思います。一般论として、今の日本社会で责任あるポジションに就いていることが多い年配の男性の方々が意识を変えていただければ、と思いますが、どうすればそうなるのでしょうね。少子高齢化がほぼ世界一という日本の状况を考えると、根本的に何かを変えないといけないことは明白だと思うのですが????。
―サポート体制について、お子様が热を出されて急にお迎えにいかなくてはならないときの病児保育や、そうしたときのベビーシッター代补助などの点ではいかがでしょうか。
幸いうちの子は健康ですが、热を出して呼び出しを受けたことは何回かあります。そういうときには、なんと言っても职场が近いので、原则私が迎えに行きます。保育园を长期で休ませたことはないですが、そういうこともいずれ起こりうるのですから、病児保育のサポートもあった方が良いと思います。大学がそのサポートを提供できるかというと、ちょっと难しいだろうなと想像しますが。たぶんそれは行政が提供すべきサポートのような気もします。东京大学はベビーシッター代を一部补助してくれる制度を设けているのですか?
(男女共同参画室事务局)大学では、内阁府のベビーシッター派遣事业を利用して、ベビーシッター利用时の割引券を発行しています。
思い出しました。ちゃんとそういう补助をしてくれていましたね。
―今のところは、特に切迫して必要になった局面はないということですね。
そうですね、幸い子どもが健康でいてくれるため、ないですね。ただ远隔地に住んでいる高齢の両亲には頼れないので、ベビーシッターのサポートがほしい场面は、间违いなくやってくるとは思います。
女子学生たちへのアドバイス
―最后に、将来、仕事や研究と家庭との両立に不安を感じている女子学生、これから自分が、能力を活かして仕事をしていくに当たって、夫になる人がちゃんと协力してくれるのか、両立が出来るのかということに不安を持っている人も多いのではないかと思いますが、そうした学生たちに何かアドバイスがございましたら、教えてください。
私自身は、妻に家に入ってほしいという気持ちはゼロというよりはマイナスです。家计のためにというのももちろんありますが、人间は働いていた方が幸せなんじゃないかなと胜手に思い込んでいます。もちろん本人が何をやりたいかにもよりますが、働きたい人は谁でも働ける社会であってほしいですよね。
仕事と家庭の両立は、男女を问わず大変だと思いますが、今の日本社会では、女性に家事――と言うより「家庭の仕事」ですよね――が押し付けられる确率が圧倒的に高いでしょうから、女性の方が絶対大変だと思います。ただ、本人たちが声を挙げることによって変わることもありますので、大変だけど要求して変えていってほしいですね。要求の仕方も、武闘、弁论、知略、懐柔工作など、いろいろあると思いますので、状况に応じてぜひ工夫してほしいです。
私がある委员会で一绪になった女性の先生は、常に戦う方で、委员会で理不尽なことがあると即座に、「これはおかしいので、やめましょう」、「私は毎回言い続けますよ」、「今、嫌な颜をされましたね。でも私は言いますよ」と仰っていました。あれくらい発言しないと変わらないのだろうなと思いました。幸い、今の世の中は女性活跃をうたっていますので、活跃する女性が発言することに対して、私を含めたオジサンたちは正面から反対できません。もちろん、女性が発言するだけでなく、男性も発言していかないとダメだと思うので、男女がパートナーシップを组んで変えていかなくてはと思います。
もう一つ女子学生たちに伝えたいアドバイスは、私自身の体験に基づくものです。子供が生まれた后、何人かの年配の方に「女の子です」と伝えたところ、「そうですか、男の子ならもっと良かったのにね」というような反応をされることがありました。その反応を见るたびに、「えっ?!これからの日本で、今よりもっと活跃できるのは絶対に女性なのに?」と感じましたが、そう伝えられませんでした。男性と女性を比较したときに、今より活跃できる余地と可能性があるのは间违いなく女性です。ですので、この追い风をうまく利用して、どんどん活跃してください。
―他にこれはおっしゃっておきたいということはございますか。
男女共同参画室にはたくさん期待していますし、もっともっと风穴を开けてほしいですね。あと、繰り返しになりますが、世界で胜负できる东大を目指すのであれば、男女共同参画でも世界をリードしないといけないのでは、と思います。
私自身は、妻に家に入ってほしいという気持ちはゼロというよりはマイナスです。家计のためにというのももちろんありますが、人间は働いていた方が幸せなんじゃないかなと胜手に思い込んでいます。もちろん本人が何をやりたいかにもよりますが、働きたい人は谁でも働ける社会であってほしいですよね。
仕事と家庭の両立は、男女を问わず大変だと思いますが、今の日本社会では、女性に家事――と言うより「家庭の仕事」ですよね――が押し付けられる确率が圧倒的に高いでしょうから、女性の方が絶対大変だと思います。ただ、本人たちが声を挙げることによって変わることもありますので、大変だけど要求して変えていってほしいですね。要求の仕方も、武闘、弁论、知略、懐柔工作など、いろいろあると思いますので、状况に応じてぜひ工夫してほしいです。
私がある委员会で一绪になった女性の先生は、常に戦う方で、委员会で理不尽なことがあると即座に、「これはおかしいので、やめましょう」、「私は毎回言い続けますよ」、「今、嫌な颜をされましたね。でも私は言いますよ」と仰っていました。あれくらい発言しないと変わらないのだろうなと思いました。幸い、今の世の中は女性活跃をうたっていますので、活跃する女性が発言することに対して、私を含めたオジサンたちは正面から反対できません。もちろん、女性が発言するだけでなく、男性も発言していかないとダメだと思うので、男女がパートナーシップを组んで変えていかなくてはと思います。
もう一つ女子学生たちに伝えたいアドバイスは、私自身の体験に基づくものです。子供が生まれた后、何人かの年配の方に「女の子です」と伝えたところ、「そうですか、男の子ならもっと良かったのにね」というような反応をされることがありました。その反応を见るたびに、「えっ?!これからの日本で、今よりもっと活跃できるのは絶対に女性なのに?」と感じましたが、そう伝えられませんでした。男性と女性を比较したときに、今より活跃できる余地と可能性があるのは间违いなく女性です。ですので、この追い风をうまく利用して、どんどん活跃してください。
―他にこれはおっしゃっておきたいということはございますか。
男女共同参画室にはたくさん期待していますし、もっともっと风穴を开けてほしいですね。あと、繰り返しになりますが、世界で胜负できる东大を目指すのであれば、男女共同参画でも世界をリードしないといけないのでは、と思います。
执笔者からの一言
私自身、男女雇用机会均等法施行后の女性総合职第1期生として民间公司に30年余り勤务した后、社会人学生として入学してきましたので、この日伺ったお话は、自分の実感とも合わせて、大変意义深く伺いました。
特に、イギリスでの人々との出会いが、男女共同参画についての认识をだんだんと形成されたという异文化との出会いのお话、また、女性と男性がパートナーシップを组んで変えていかなくてはならないというご意见は、非常に印象的かつ心强く感じられました。
この日、ポピンズナーサリースクールで会った、松田先生のお子さんをはじめとする子供たちが、やがて成长した暁には、女性も男性も、自分の能力や希望を活かして、のびのびと生きていける环境に向けて、现状が少しでも改善されるよう、私自身も自分の経験を活かしつつ、努力していきたいと思います。
特に、イギリスでの人々との出会いが、男女共同参画についての认识をだんだんと形成されたという异文化との出会いのお话、また、女性と男性がパートナーシップを组んで変えていかなくてはならないというご意见は、非常に印象的かつ心强く感じられました。
この日、ポピンズナーサリースクールで会った、松田先生のお子さんをはじめとする子供たちが、やがて成长した暁には、女性も男性も、自分の能力や希望を活かして、のびのびと生きていける环境に向けて、现状が少しでも改善されるよう、私自身も自分の経験を活かしつつ、努力していきたいと思います。