盲导犬と东大
人间の目や耳、そして手足となって働く补助犬。
その一つである盲导犬と视覚障害者の课题解决のための研究が、新领域创成科学研究科を中心に行われています。
公益财団法人と共同で进めている盲导犬歩行学分野社会连携讲座の取り组みと、
盲导犬歩行学研究室をハブとして进む盲导犬と视覚障害者のための研究について绍介します。
登场するのは、ゲノム学、バーチャルリアリティ学、情报処理学の分野で活动する3人の研究者です。
1.
4年前に东大で生まれた
「盲导犬歩行学」
渡边学
WATANABE Manabu
新领域创成科学研究科特任教授
盲导犬と视覚障害者のための「课题解决型」研究
段差や角を教えたり、障害物を避けたりして、视覚障害者が安全に歩くためのサポートをする盲导犬。白杖だと一つ一つ杖が触れる范囲にあるものを确认しながら歩かなくてはいけませんが、盲导犬と歩くことによってスムーズに移动することができるようになり、活动の幅が広がると盲导犬ユーザーは话します。しかし盲导犬の育成や视覚障害に対する社会の理解など、まだまだ多くの课题があります。その解决に东京大学で行われている数多の研究を役立てることはできないか。
そんな思いから2019年に新領域創成科学研究科に開講したのが、盲導犬歩行学分野社会連携講座です。日本盲导犬协会と共同で研究を行うこの講座を率いるのは、獣医でゲノム研究者の渡边学先生。日本初だというこの「盲导犬歩行学」研究室のミッションは、盲導犬と視覚障害者が抱える課題の解決です。視覚障害者や盲導犬を育成している現場のニーズを聞き、それを東大の研究者につないで共同研究を行い、その成果を当事者や現場に手渡しするという「課題解決型」の学融合研究に取り組んでいます。
研究の柱は、生命科学、エンジニアリング、人文社会科学の3分野。これらの分野で先端を走る研究者に声をかけ、盲导犬や视覚障害者とつないできた渡边先生は「东大には、グッドウィルがものすごくたくさんある」と话し、このつながりがさらに広がることを期待しています。
「例えば、大公司が営利目的でマイノリティ向けの商品を作ることは难しそうですが、大学は少数派の多様性に注目し、サポートすることができると思います。それがこれからの大学のあり方ではないかと考えています」
1000头以上の盲导犬ゲノムデータ
盲导犬の大きな课题の一つが、実働数の少なさです。2023年3月现在で836头*。しかし盲导犬の希望者は约3000人いると推定され、供给が追い付きません。その背景の一つが候补犬の採用率の低さ。盲导犬としての资质は遗伝によるところが大きく、盲导犬候补として生まれた子犬のうち、実际に盲导犬になれるのは约30~40%です。また、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーという盲导犬として活跃することが多い犬种は、リンパ肿、肥満细胞肿、血管肉肿などの病気に罹患することが多いそうです。盲导犬として引退する前に病気で仕事ができなくなったり、亡くなってしまったりすることもあり、ユーザーたちから切実な声が寄せられてきました。
そこで、盲導犬になる資質を持ち、病気にならないような犬を育種するために渡邊先生が中心となって取り組んでいるのが「盲導犬ゲノムプロジェクト」です。日本盲导犬协会で繁殖し生まれた候補犬の血液を採取し、ゲノムDNAを抽出、精製。SNP(一塩基多型)ジェノタイピングという解析法を使ってそれらを解読してきました。これまでに1000頭超のゲノム解読を終え、それらの血液サンプルやデータを保管するプラットフォームを構築しました。ゲノムデータをもとに、盲導犬の資質を持った子犬を優先的に訓練すれば、採用率が上がり盲導犬になる犬が増えるのでは、と渡邊先生は話します。
「今まで盲导犬の研究で、ゲノムの大きなプラットフォームを作ろうというプロジェクトはありませんでした。ゲノムのリソースをきちんと保管するシステムを构筑することで、例えば病気になった犬とならなかった犬や、盲导犬になった犬とそうでない犬のゲノムデータを比较することが可能になり、包括的な研究を行うことができます」
これだけの规模の盲导犬ゲノムデータは世界に类を见ないもので、今后も継続して血液を採取し、ゲノム情报を蓄积して研究の精度を上げたいと渡边先生。盲导犬の训练スコアや、病気をした犬のカルテのデータ、盲导犬?ユーザーの身体データなども加えて多角的な分析をしていきたいと考えています。
*社会福祉法人 日本盲人社会福祉施设协议会?自立支援施设部会盲导犬委员会调べ。
ロービジョンの「みえにくい」を知ってもらう
盲导犬歩行学のもう一つのミッションが、视覚障害者と盲导犬への理解を深めてもらうための情报発信。これまでシンポジウムなどを开催して、社会启発に取り组んできました。7月にで开催したイベントでは、「みえにくいとは みえるとは みえないとは」と题してロービジョンに関する研究の绍介や痴搁体験、そして「哲学対话」などが行われました。
视覚障害者というと全盲をイメージする人が多く、见えるのに盲导犬や白杖を使っている、といったいわれなき批判を受けることがあるそうです。実际は日本の视覚障害者の8~9割がロービジョンです。例えば视界の中心に黒い丸が常にあったり、一部がかすんだり、ゆがんだりと见え方はさまざま。まずは知ること、そして视覚障害者や盲导犬と出会うことが大事だと话す渡边先生。蚕奥厂のイベントでも多くの参加者が视覚障害者と话したり盲导犬と触れ合ったりしていました。
「视覚障害者の方と実际に话すと気づきがいっぱいあります。触れ合う机会がないと気づきようがないですが、気づいて知るとそこから何かが始まります。このようなイベントを通じて多様性と知り合い、対话を通じ认め合い、助け合う社会を作っていきたいです」
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盲导犬歩行学研究室(ワタナベ研)のウェブサイト
(本イベントの动画公开中)
10/10(火)公开の后编はこちら
记事を见る