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路上の人と犬の写真

书籍名

动物のまなざしのもとで 种と文化の境界を问い直す

着者名

鵜飼 哲 (編著)

判型など

352ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2022年6月

ISBN コード

978-4-326-10306-5

出版社

劲草书房

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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本書は共同研究「人間と動物の関係の多様性とその文学的表象の比較研究」の成果である。「动物のまなざしのもとで」というタイトルは、人間が動物を一方的にまなざし、その生の価値すら意味づけてきた歴史を批判するとともに、動物たちを私たちに働きかける固有のアクターとみなすことで、この世界の複数性を開示しようという本書の執筆者の共通の関心を表わしている。
 
第滨部では、村上克尚が、息子の早逝によって、动物たちが主体としてあるアイヌ的世界観へと导かれていく母亲を描いた津岛佑子「真昼へ」を、中井亜佐子が、ダニエル?デフォー『ロビンソン?クルーソー』の动物たちの多义的なまなざしをより强化した闯?惭?クッツェー『フォー』を、呉世宗が、横滑りしていく隠喩としての鸦の视线を通じて主人公の主体を厳しく问う金石范「鸦の死」をそれぞれ分析する。
 
第滨滨部では、カトリーヌ?パンゲが、1910年にトルコ政府が実行したシブリ岛での野良犬の大量虐杀と、その直后のアルメニア人虐杀とのあいだに必然的な连関を见出し、フランソワ?ビゼが、ロシア未来派のヴェリミール?フレーブニコフや、その影响を受けたニコライ?ザボロツキーの诗に、拟人化されない动物たちの声が响いていたことを明らかにする。
 
第III部では、申知瑛が、安懐南による強制動員の記録文学に登場する動物や動物の比喩を通じて、「人間」化されない抵抗はいかに可能かを問い、シム?アジョンが、「生殖未来主義」(リー?エーデルマン) の打破を目指すクィアの観点から、人間による動物たちに対する強制的な生殖管理を批判する。さらに、新城郁夫が、沖縄文学に通時的に登場する、戦死体を切り裂き、四方へ運搬する蟹たちのイメージをもとに、沖縄における人間性、男性性の脱構築を試み、鵜飼哲が、ローザ?ルクセンブルクの書簡で触れられた野牛と、黒田喜夫の詩に登場する動物たちとを共振させ、資本主義に抵抗するための可能性を探る。
 
第滨痴部では、ベルギーの科学哲学者であるヴァンシアーヌ?デプレが、鸟たちのテリトリーについて、コンラート?ローレンツの説に基づく资源竞争の観点からではなく、それぞれの场所と共-生成しつつ、歌いたい、自らを表现したい、という鸟たちの根源的な欲望と、他の鸟たちとの社会的な関係の构筑という二つの観点から魅力的に语り直す。これに続けて、フランソワ?ビゼによるデプレへの详细なインタヴューも収録されている。
 
以上を通じて、動物と文学との必然的なつながりが明らかになる。つまり、人間は言葉を持つが、動物は言葉を持たないといった、人間中心主義的な観念に基づく言语の規範を、動揺させ、その亀裂から新たな声を響かせるための有効な手立てとして、言葉の芸术としての文学があるのである。
 
余谈になるが、本书の编者である鵜饲哲さんは、セミナーの后の恳亲会では「せめて今日くらいは」と、必ずベジタリアン、ヴィーガン向けのレストランに私たちを案内してくださった。本书を読み返すたびに、そのような编者の温かなお人柄が全体を包んでいるような気がしてならない。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 准教授 村上 克尚 / 2023)

本の目次

イントロダクション──動物の問いと文学の問い|鵜飼 哲
 
第滨部 动物のまなざしのもとにおける文学
 第1章 动物から世界へ
     ──津岛佑子「真昼へ」におけるアイヌの自然観との共鸣|村上克尚
 第2章 小説という名の箱舟のなかで
     ──『ロビンソン?クルーソー』と『フォー』における动物たち|中井亜佐子
 第3章 はざまからまなざす
     ──金石範「鴉の死」における主体?状況?言葉そして動物|呉 世宗
 
第滨滨部 动物たちと文化の境界を通过する
 第4章 イスタンブルの野良犬たち
     ──都市での人間 / 動物共生の物語|カトリーヌ?パンゲ / 鵜飼 哲 (訳)
 第5章 〈动物-寓话〉の生成変化| / 鵜飼 哲訳 (訳)
 
第滨滨滨部 军事的暴力と动物たち
 第6章 比较から近接地帯へ
     ──専有された労働と非/人間動物の逃亡|申 知瑛 / 金 友子 (訳)
 第7章 性-种-资本-军事主义の共谋と动物の场所
     ──クィア的観点から夺还可能な未来を问う
      シム?アジョン / シム?アジョン、イママサ?ハジメ (共訳)
 第8章 媒介される身体たち──冲縄文学のなかの蟹をめぐって|新城郁夫
 第9章 「アジア的身体」と动物たち
     ──種と文化の境界に「隠された伝統」を探る|鵜飼 哲
 
第滨痴部 鸟として住まう
 第10章 わたしたちのナラティヴをテリトリーから放つ、鸟たちとともに
       ヴァンシアーヌ?デプレ / 森元庸介 (訳)
 第11章 ヴァンシアーヌ?デプレとの対话
       聞き手: フランソワ?ビゼ / 森元庸介 (訳)
 
あとがきに代えて|呉 世宗

関连情报

书籍绍介:
「読書アンケート特集」 (『みすず』2023年1?2月合併号 no.722 2023年2月1日)


新刊紹介 (REPRE|表象文化論学会 Vol. 47 [第16回研究発表集会報告] 2023年2月)

 
あとがきたちよみ (けいそうビブリオフィル|劲草书房編集部ウェブサイト 2022年6月29日)

 
関连讲演:
「ヴァンシアーヌ?デプレ講演会」 (オンライン|東京大学表象文化論研究室 2020年11月17日)

 
関连研究:
「人間と動物の関係の多様性とその文学的表象の比較研究」 (科研費基盤研究 (C) 2018年4月~2023年3月)

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