大学4年间の経営学がマンガでざっと学べる 学び直しの决定版
高桥伸夫着『大学4年间の経営学が10时间でざっと学べる』(KADOKAWA, 2016年) がよく売れたので、その勢いに乗って、図解版 (2017年) と角川文庫版 (2019年) が出版され、海外でも、韓国で韓国語版 (2017年)、台湾で中国語版 (2018年) が出版された。その流れの中で、ついにはマンガ化もされたというわけだが……。
色々なマンガ化の仕方があると思うが、この本の場合、ご夫婦でカフェを5年ほど経営していたこともある漫画家のうだひろえさんが、今はファイナンシャル?プランナー (FP) をやっているご主人 (カフェ経営の前はサラリーマンだった) と二人仲良くマンガの登場人物となり (要するに実在の人物) 、お二人の楽しい会話の中に、私が「高橋伸夫?東京大学教授」として突然割り込んで、あーだこーだと経営学の解説を始める……というスタイルのマンガ。なので、劇中にはキャラクター化されたかなり個性的な「私」が登場する。
うだひろえさんとはお会いしたこともあり、その场で、纸にサラサラと私をキャラクター化していたので、ああ、こんな感じで登场するんだなぁと思ってはいたものの、いざマンガになってみると、言动も含めて、かなり个性的で强烈なキャラ。自分はこんな风に见えているんだと惊き、マンガだからしょうがないとは思いつつ、结局、出版前にゲラを校正している段阶で、かなり引いてしまった。そして、出版される顷には、この本のことは自分の中で半分なかったことになっていた。
というわけで、ほとんど誰にも献本せず、出版されてからしばらくは、本を開いて見ることもなかったのだが、あるとき、他大学の知り合いの経営学の先生から (献本もしていないのに)、このマンガはいい、学生に薦めたけど、学生の評判もいいというメールをいただいた。そう言われると人間は現金なもので、半ば封印していたこのマンガ版を取り出して、改めて読み始めた。確かにスラスラと読み進める。「高橋伸夫?東京大学教授」も自分だと思わなければ (?)、喜怒哀楽がはっきりしていて、なかなか愛すべき面白い先生だなぁと思えてくるから不思議である。あっという間に読み終えてしまった。
ただし、チマチマと校正しているときには気が付かなかったが、动画と同じで、マンガはスラスラと読める分だけ、立ち止まって考えることをしなくなるという欠点があることも分かった。ストーリーが分かるだけではなく、书かれている内容をきちんと理解しようと思ったら、同じ箇所を何度か読み返すとか、少し时间をおいて読み直すとかいう作法も必要になるのかもしれない。しかし逆に言えば、教科书を読むといつもどこか难解な箇所に引っかかってしまい、1册を完読できたためしがないという悩みをもつ人にとっては、このマンガは朗报だと思う。マンガ化すれば理解しやすくなるというほど甘くはないが、とにかく1册を読み通せるようにはなる。细部の理解はそれからでも遅くはない。その意味で、今や私にマンガの可能性を教えてくれた挑戦的な1册となった。大学の讲义や教科书で挫折しかけている人には、ぜひお荐めしたい。
(紹介文執筆者: 経済学研究科?経済学部 教授 高橋 伸夫 / 2021)
本の目次
?会社の组织ってどんなカタチ?(职能别组织と管理过程论)
?上司は2人いたほうがよい?(マトリックス组织と命令系统の一元化)
?「やる気」ってどこからくるの?(モチベーションと期待理论)别迟肠...
Part 2 事业の进むべき道を探る「経営戦略论」って?
?竞争に胜つための基本的な考え方とは?(ポーターの基本3戦略)
?成功の方程式で胜利する确率を高めるためには?(ドミナント?ロジックの活用)
?売れるものをつくり、良く売れる戦略を立てるには?(マーケティングの厂罢笔と4笔)别迟肠...
Part 3 技术の可能性を引き出す「技术経営論」って?
?利益の确保と効率化を併走させるには?(损益分岐点とインダストリアル?エンジニアリング)
?ハズれにくい製品イノベーションに必要なことは?(ユーザー?イノベーションとオープン?イノベーション)
?組織にオープンな意識を広めていくには?(ゲートキーパーとNIH症候群) etc...