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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

灰色模様の表紙

书籍名

東京大学东洋文化研究所報告 冯梦龙『山歌』の研究 中国明代の通俗歌謡

着者名

判型など

824ページ

言语

日本语

発行年月日

2003年3月

ISBN コード

9784326800490

出版社

勁草書房 (現在はオンデマンド版)

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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『叁国志演义』『水滸伝』『西游记』『红楼梦』などの白话小説は、陶渊明、李白、杜甫、苏东坡などの诗と并んで、中国文学を代表する作品といっていいだろう。『叁国志』や『水滸伝』の物语自体は、それ以前から行われていたにしても、これらが现在読まれているような长编小説の形で成立したのは、明代中?后期以降のことである。では、明代の后半になって、数多くの白话小説が、なぜ突然のように出现したのだろうか。これは中国文学史を考える上で、きわめて大きな问题である。
 
筆者は、この問題に対して、明末の蘇州に生きた一人の文学者、馮夢龍 (1574~1646) に着目することによって答えようと試みた。馮夢龍には、短篇白話小説集「三言」や、蘇州の民間歌謡集『山歌』、笑話集『笑府』などさまざまな通俗文学作品があり、「明末通俗文学の旗手」とされる人物である。馮夢龍は科挙の試験にこそ合格できなかったものの、当時の歴とした知識人であった。その馮夢龍が、なぜ通俗文学に関心を抱いたのか。これは、明末通俗文学の隆盛全体を考える上での好材料といえる。
 
『山歌』は十巻からなり、全部で380首もの苏州の歌謡を集めている。その一例を挙げるならば、巻一の「利口」。
 
     おっかさんが利口なら娘も利口
     おっかさんに部屋じゅうに石灰をまかれ
     わたしはなんとか恋人を背負ってベッドへ行き来
     人は二人で鞋一足
 
ほぼ全篇がこのような赤裸々な男女の恋模様を咏じた歌である。しかも冯梦龙は、これらの歌を当时の苏州方言のままで记録している。冯梦龙はなぜこのような歌を一所悬命集めたのだろうか。それについて、『山歌』の序文である「叙山歌」では、いま诗坛の诗人たちが作っている诗文は、形式を整えているばかりで、心からの感动を失っている。それに対して、庶民たちによって歌われている歌は、「男女の真情」を咏じて、真の感动がある、と述べている。士大夫の诗は「にせもの」であり、庶民の歌は「真」だというのである。
 
冯梦龙は、実际に山歌を採集し、これだけの规模の歌謡集を编んだのであるが、実は、真の文学は庶民の间にある「真诗は民间にあり」といった考え方は、明代の少なからぬ文人たちに共通の考え方であった。こうした下地があって、明代には数多くの通俗文学作品が生まれたのであろう。
 
『冯梦龙『山歌』の研究』は、二部構成になっている。第一部は論考編、第二部訳注編は、380首すべての日本语訳、注釈であって、もとより本邦初訳である。四百年以上も前の蘇州方言で記された山歌は、読解が容易ではないが、1984年から85年にかけて上海復旦大学留学中に、指導教官であった同大学江巨栄先生から、詳細な読みを授けられた。本書のもとになっているのは、筆者がその後十数年の時間をかけて完成し、1997年に提出した学位論文である。
 
『冯梦龙『山歌』の研究』の第二部訳注編の一部は、英訳がBrillから刊行され、第一部論考編は、2017年にその中国語訳が上海の復旦大学出版社から刊行されている。
 

(紹介文執筆者: 东洋文化研究所 教授 大木 康 / 2018)

本の目次

第一部  論考編
 第一章  巻一~巻六各巻所収四句山歌について
 第二章  四句山歌の来歴――「場」の考察
 第三章  巻七~巻九各巻所収中?長篇山歌について
 第四章  中?長篇山歌の来歴
 第五章  巻十「桐城時興歌」について
 終章  編者馮夢龍と『山歌』の文学

第二部  訳注編
 巻一  私情四句
 巻二  私情四句
 巻三  私情四句
 巻四  私情四句
 巻五  雑歌四句
 巻六  詠物四句
 巻七  私情雑体
 巻八  私情長歌
 巻九  雑詠長歌
 巻十  桐城時興歌

『山歌』文献目録
あとがき
中文要旨
英文要旨
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関连情报

英语版の绍介:
Shan’ge the ‘Mountain Songs’ (BRILL社より2011年2月17日に出版)

 
中国语版の绍介:
冯梦龙《山歌》研究 (復旦大学出版社より2017年6月に出版


着者インタビュー:
夢は世界史の教科書に馮夢龍の名が載ることー 東大随一の蔵書家?大木康教授インタビュー (東大新聞オンライン 2024年1月17日)


书评:
伊藤徳子 (奈良女子大学) 評 「鳩夢龍『山歌』の研究」 (『中国文学報』66、2003年)

 
Pi-ching Hsu 評 Shan'ge, the "Mountain Songs" (『China Review International』Vol.17, No.4 2010)

 

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