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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

ベージュの和紙の表紙

书籍名

岩波文库 雨月物语

着者名

上田 秋成 (作)、

判型など

272ページ、文库

言语

日本语

発行年月日

2018年2月16日

ISBN コード

9784003022030

出版社

岩波书店

出版社鲍搁尝

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江戸時代の小説家である上田秋成 (1734~1809) の作品の中でも、もっとも著名な『雨月物语』(1776年刊行) を、原本を尊重しながら活字化し、読みやすいように脚注を施した本。『雨月物语』は、9話の怪談?奇談から成る小説集で、江戸時代の之愋≌hの白眉とされる。9話の時代設定はまちまちで、古いものは平安時代、新しいものでは江戸時代の話もある。また、主人公も、崇徳院 (しゅとくいん)?西行 (さいぎょう)?豊臣秀次 (とよとみひでつぐ) らの歴史上の著名な人物から、武士?学者?農民?僧?商人?神主の娘?網元の息子、さらには蛇神や黄金の精霊に至るまで多種多様であり、内容的にも、復讐譚あり恋愛譚あり、また変身譚や食人鬼の話などもあって、バラエティに富んでいる。
 
一見、9話の内容はばらばらで、主人公たちの性格も、それぞれまったく異なっているように見えるが、よく目を凝らしてみれば、いずれの主人公も、情念に憑かれ、執着に身を捧げた者たちであるという点では共通している。復讐の情念?約束への執着、そして愛欲…。この情念?執着と、彼らを取巻く世の不条理、そして救済の可能性の問題が、『雨月物语』を貫く統一テーマである。再会の約束を守るために、自ら刃に伏して幽霊となった「菊花の约」(きっかのちぎり) の赤穴宗右衛門 (あかなそうえもん) や、自分を裏切った夫への怨みから、鬼へと変貌した「吉备津の釜」(きびつのかま) の磯良 (いそら)、寵愛する美童に死なれ、その死体を食べてしまったことから食人鬼となった「青头巾」(あおずきん) の僧など、『雨月物语』の主人公たちは、みな世間の常識から逸脱し、遂には現実と異界の境界を踏み越えてしまった者たちであるが、彼らは決して人間とは別の化者ではない。誰の中にも普遍的に存在しながら、日常性の下に隠されている衝動や執着を、自らの死と引換えに貫き通したという意味において、彼らはむしろ極めて人間的な者たちであるということができるのである。『雨月物语』で描かれ、追究されているのは、幽霊や妖怪の恐怖ではなく、あくまでも人間性の不可思議である。江戸時代に書かれた小説でありながら、その人間描写や人間探究は、少しも古びてはいない。
 
本書では、人間を描いた怪談であるという観点から、『雨月物语』の魅力を十分に伝えることができるように、本文について丁寧な脚注を心がけることは勿論、巻末の解説にもかなりの頁をさき、秋成の略歴やひととなりをはじめとして、秋成が『雨月物语』を書くに至る経緯や、9話の素材についても詳しく記した。
 
本書を読んで興味を持たれた方は、本書の校注者が書いた『雨月物语の世界』(ちくま学芸文庫、1998年) や『上田秋成の文学』(放送大学教育振兴会、2016年) を、あわせ読んで顶ければ幸いである。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 長島 弘明 / 2018)

本の目次

雨月物语序
 
巻之一
白峰
菊花の约
 
巻之二
浅茅が宿
梦応の鲤鱼
巻之叁
仏法僧
吉备津の釜

巻之四
蛇性の婬
 
巻之五
青头巾
贫福论
 
解説
 

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