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白い表紙に大きな黒文字で書名+着者名

书籍名

文化政策の现在【全3巻】 第1巻 文化政策の思想

着者名

判型など

336ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2018年2月22日

ISBN コード

978-4-13-003495-1

出版社

东京大学出版会

出版社鲍搁尝

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本書は、『文化政策の現在』というシリーズの第1巻目にあたります。そもそも本シリーズは、文化芸术、アート?プロジェクト、フェスティバル、芸术祭、創造都市、おもてなし、クール?ジャパン、観光立国、文化外交、知的財産立国、オリンピックの文化プログラム、直接的に文化という名称を冠していなくとも文化的事象に関係する政策、施策、そして事業が様々なレベルで展開されるようになっている現状に対して、それを考えるための視点や課題を提供し、考察することを目的にしています。戦後の日本において、国レベルの政策として文化政策という言葉が正式に使われるようになったのは2000年代に入ってからのことです。行政改革の一環として中央省庁の再編で設置された文化審議会が、2001年に制定された文化芸术振興基本法に基づき、文化振興の基本方針を文部科学大臣に答申をし、閣議決定を経た上で政策が事業化され、実施の運びとなる仕組みが構築されました。文化を対象とした政策の始まりといえます。とはいえ、戦前には、文化政策論などが積極的に論じられていたこともあり、一般的に現在の意味とは異なる影響を及ぼすような文化に関する政策もありました。また戦後も、早くに文化財保護行政は始まっていましたし、先進的な地方自治体では文化行政の取り組みが1970年代に始まっていました。つまり、本シリーズは、文化や芸术についての政策にはどのようなものがあり、現在どのように行われているのか、そこにはどのような課題があり、そしてどのように行われるのが適切なのかを、検討していくための基礎となるものとして構想されています。
 
とりわけ第1巻は、文化政策が実践される際にその底流に流れていた思想、主義、あるいは検討された原理原則について、主要な基本概念を解説して明らかにしたものです。この巻では、どこか特定の国の政策の歴史というよりも、過去の文化政策を俯瞰したときにみられる特定の概念に注目をし、それらが文化政策を実践しようとするときの論や思想に導入される背景や、論点、そして具体的な実践の成果 (波及) に注目をしています。たとえば、「芸术の自由」という思想は、日本の「表現の自由」とは異なる内容を含むものです。どちらかといえば、日本国憲法上の国家が財政的な支援を行うことを前提に営まれる大学において、「学問の自由」が保障されることが認められることを意味するのに近似する概念であり、それが勝ち取られてきた国があるのに対して、日本では「芸术の自由」は基本的人権として組み込まれることはなかったと考えられます。また現代の日本の文化政策領域でその設立や運用が課題となっているアーツカウンシルという組織についても、その起源を遡ると現在とは似てもにつかない思想が流れていたことをみてとることができます。文化政策が遅れてきた政策分野だからこそ、現在、文化政策を語るときに用いられる概念、原理原則について、原点を振り返るために書かれています。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 小林 真理 / 2018)

本の目次

第滨部 国家との相克
  第1章  文化と政治 (武田康孝)
      1  はじめに
  2  「積極的文化政策」への転――ナチ文化政策の示唆
  3  大政翼賛会発会と文化部長?岸田のビジョン
  4  「政治の文化性」をめぐる議論,文化人の期待そして翼賛会の変質
  5  おわりに

  第2章  検閲 (李 知映)
  1  はじめに
  2  演劇統制の芽生え
  3  演劇統制の法制化の始まり
  4  思想統制による演劇統制
  5  国家による演劇統制
  6  おわりに

 第3章 文化国家 (中村美帆)
  1 文化と国家に関する问题意识
  2 ドイツの「文化国家 (Kulturstaat)」概念と日本への影響
  3 戦后日本で掲げられた「文化国家」论の盛衰と特徴
  4 「文化国家」から「文化芸术立国」へ

 第4章  文明の思想――帝国主義?植民地主義の胎動 (山内文登)
  1 はじめに
  2 植民政策思想における文明?文化と平等?差异
  3 文明論的植民政策と平等言説 (1) ――同化主義と「文明化の使命」
  4 文明論的植民政策と平等言説 (2) ――間接統治と「旧慣尊重」
  5 おわりに

 第5章 文化の思想――帝国主義?植民地主義の転生 (山内文登)
  1 はじめに
  2 文化論的植民政策と差異言説 (1) ――「文化国家」から「文化帝国」へ
  3 文化論的植民政策と差異言説 (2) ――「民族自決」と植民政策の相対論的展開
  4 ファシズムと「文化创造=破壊」の弁証法
  5 文明?文化の近代と脱帝国化?脱植民地化の课题
  6 おわりに――国民帝国における文化の自律?他律

第6章 文化政策論 (新藤浩伸)
  1  はじめに
  2  文化政策論の一〇〇年
  3  文化政策論の成立
  4  「戦時」文化政策論
  5  「戦後」の文化政策論
  6  文化政策論が内包する思想

第滨滨部 権利概念の创出
 第7章 文化権 (中村美帆)
  1 文化论をめぐる议论の二つの次元
  2 国际社会での议论の动向
  3 文化芸术振興基本法以前の日本における文化権の議論
  4 文化芸术振興基本法以後の日本における文化権研究の論点

 第8章 芸术の自由 (小林真理)
  1 「芸术の自由」概念の成立――比較法的アプローチ
  2 「芸术の自由」の検討――文化の専門職とは何か

 第9章 アーツ?カウンシル (菅野幸子)
  1 アーツ?カウンシルの理念と政策目标
  2 一九七〇年代,アーツ?カウンシルのジレンマ
  3 アーツ?カウンシルの持続可能性――アームズ?レングスの原则とリーダーシップ
  4 アーツ?カウンシルの未来

 第10章  分権 (長嶋由紀子)
  1 自治体「文化行政」の根源的课题
  2 一九七〇年代フランスにおける革新自治体の伸张
  3 参加民主主义を支えた自治体文化政策の思想
  4 「地方分権」后の「分権」へ

 第11章  文化の民主化,文化デモクラシー (土屋正臣)
  1 はじめに
  2 埋蔵文化财行政をめぐる今日的课题
  3 市民参加论の源流
  4 日本の文化财保护行政における文化の民主化を构成する复数の流れ

第滨滨滨部 制度规范と文化
 第12章 社会教育 (新藤浩伸)
  1 はじめに
  2 一九四〇年代――社会教育の消滅 / 総合政策としての文化政策へ
  3 戦后改革期――社会教育行政の復活と文化政策の挫折
  4 一九七〇年代以降――文化行政の进展と社会教育批判
  5 论争を超えて
  6 おわりに

 第13章 文化的発展 (長嶋由紀子)
  1 「大众の文化的生活への参加及び寄与を促进する勧告」の意义と採択経纬
  2 勧告における「文化的発展」の基本概念と论点
  3 底流にある思想――フランスでの议论から
  4 文化と市民性への问题意识

 第14章 文化と経済 (阪本 崇)
  1 文化政策における二つの変化
  2 芸术?文化と市場の失敗
  3 経済政策としての文化政策
  4 文化政策と文化の多様性
  5 规范としての市场

 第15章  地域?コミュニティ (友岡邦之)
  1 日本における文化政策のメインターゲットとしての「地域」
  2 「行政の文化化」再考
  3 「芸术」とリベラリズム的価値観の共通性と,八〇年代文化施設建設ブーム
  4 パターナリズム批判再考
  5 创造都市と文化政策の新しいステージ
  6 狈笔惭の帰结としてのリバタリアニズム

 第16章  文化多様性 (河野俊行)
  1 はじめに
  2 オーディオ?ビジュアル产业をめぐる欧米対立の歴史的ルーツ
  3 第二次世界大戦后――ハバナ宪章一九条
  4 一九四七年GATT四条 (露出済みフィルムの例外)
  5 国境なきテレビ指令
  6 ウルグアイ?ラウンド交渉――「文化的例外」
  7 グローバリゼーションと文化支配――ウルグアイ?ラウンド前后のオーディオ?ビジュアル部门をめぐる状况
  8 ウルグアイ?ラウンド以后における贸易と文化
  9 奥罢翱の枠组み外における文化
  10 分析と今后の検讨の方向――文化的例外から文化多様性へ

 第17章  文化資源 (小林真理)
  1 はじめに
  2 「活用可能性」を语る言叶
  3 文化资源という言叶の必要性
  4 文化资源の保存?公开?活用

 第18章  仲介者 (佐藤李青)
  1 はじめに――アートマネジメントと「つなぎ手」
  2 「アートマネジメント」という舞台
  3 「アートマネージャー」の役回り
  4 おわりに――「つなぎ手たち」のこれから

 第19章  アーツアドミニストレーション (鬼木和浩)
  1 アーツアドミニストレーションの意义
  2 横浜市における文化行政の歴史とアーツアドミニストレーション
  3 アーツアドミニストレーションにおける専门性
  4 アーツアドミニストレーションにおける课题
 

関连情报

书评:
中川 幾郎 (帝塚山大学名誉教授?日本文化政策学会顧問) 評
貴重な編纂と集積 公共文化政策研究をめぐる達成と広がりを示す (週刊読書人ウェブ 2018年11月16日)

 
书籍绍介:
(朝日新闻デジタル 2018年4月21日)

 

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